波羅蜜多実業高等学校

シャンバラ大荒野に雨期が訪れました。オアシスの水量も増し、蛮族が泳いだり、岸辺で涼んだりしています。

「ダージュ、ビーチバレーのルールは覚えたゾ。１チーム２名の競技だからワタシとふたりで出場できるナ……」
「ルールなんざどうだっていいんだよ！　俺様はビキニギャルをナンパしに行くんだからな！！」

正直モテたことがない王大鋸（わん・だーじゅ）にとって、夏のビーチバレー大会は滅多にないチャンスです。パートナーであるシー・イー（しー・いー）は淡々と説明を始めました。

「なあダージュ、ドラゴンは卵生であり哺乳類のような授乳は行わナイ。当然授乳のための器官である乳房も持たナイ。だからドラゴニュートには人間のようなビキニ水着という文化はないのダ」
「へえ」

さて例年ビーチバレー大会の行われるオアシスにたどり着いてみれば、会場の周りには高い塀が張り巡らされているではありませんか。年々他校からの参加者が増えていたのですが、それにともなって盗撮、痴漢、水着泥棒などが増えたため、とうとう女生徒しか入れないように塀が作られてしまったのです。

これを見て王をはじめとする男子生徒が怒ったの怒らないの、もう暴動寸前です。

「畜生、誰だこんな塀を作ったヤローは！　俺様が直々に叩きのめしてやるぜ！！！」
よくよく辺りを見回すと、塀の隣に大きな建物が建っていて、

　美　衣　弛　馬　鈴　大　会　運　営　本　部

と書かれた張り紙がしてあります。

女子生徒たちははしゃぎながらビーチバレー大会の会場へ、男子生徒たちは憤りながら大会運営本部へと詰め寄せるのでした。


この光景を高所から見下ろす男がひとり。

「ふふふ……よい眺めではないか。男どもは何も知らず、我が５人のしもべに始末されるがよい。それぞれがパラ実５大クラスの達人、王ごときでは手も足もでるまい。
そして女どもは……ああ、実によい眺めだ」

波羅蜜多実業高等高校は日本古来よりの美徳礼節を重んじております。
そのうちのひとつが『男女七歳にして席を同じゅうせず』であり、不純異性交遊はこれを厳しく禁じるものであります。
よって今回のシナリオでは性別ごとにビーチバレーと格闘という異なる進路を用意いたしました。
厳しい夏の日差しにも屈することのない生徒を育てるべく、波羅蜜多実業高等高校は理想の教育を追求していきます。

・ビーチバレー大会に出て本気で闘う

・大会本部に殴り込む

・女子の水着姿を見に忍び込む

・とにかく試合をめちゃくちゃにしたい