「だ、誰か!! 僕のあゆむちゃんを助けてくれ!!」
蒼空学園の廊下を歩いていると慌ててた様子で、白衣を纏った少年が話してきました。
あなたは面喰いながらも、落ち着かせて事情を聞きます。
「すいません。取り乱してしまって……僕は早見 騨(はやみ だん)。実は僕の機晶姫が暴走してしまったです!?」
騨が言うには、アーティフィサーの彼が遺跡から回収した機晶姫(あゆむちゃん)を起動した所、突如熱暴走を起こしたらしいのです。
原因は部品の欠如でした。すぐにでも修理したい所ですが、部品が手元にありません。
「やっと、夢が叶うと思ったのに……。え? 夢が何かって? そりゃあ……
猫耳メイドさんに囲まれて過ごすことに決まってるじゃないか!?」
今にも泣きそうだった騨は、ニッコリと笑って親指を立てています。その表情はとても嬉しそうです。
「必要な物は調べてメモしてあるんだけど、僕一人ではどうにもできそうにないんだ。……だから、君の力を貸してくれ!」
騨は深く頭を下げて頼み込んできました。
どうやら「≪猫耳メイドの機晶姫≫に囲まれて過ごす」という騨の夢は、どうしても叶えたい願いのようです。
「完成したら、≪猫耳メイドの機晶姫≫だけの喫茶店に、君を無料で招待するよ。だから、お願いだ!」
あなたは走り書きされた騨のメモを手に取り、読んでみます。
『必要な事
1.冷却装置の修理
初めに破損した冷却装置を修理することが必要だ。幸いなことにこれは僕の力でどうにかできそう。
しかし、あゆむちゃん(機晶姫)が高熱を発していて触れることができない。
2.ご奉仕の≪機晶石≫
ご奉仕の精神が記憶されている機晶石が廃墟に残されているらしい。
ただし、廃墟の内部は散らかっているだけではなく、強力なモンスター≪首なしの豪傑騎士≫が徘徊していて危険だ。
3.究極のメイド服
今は亡き伝説的なデザイナーが残したメイド服の型紙。それを子孫が保管している。
頼み込んだ所、やんちゃな一人娘(10歳)の遊び相手を一日してくれたら貸してくれるということになってしまった。
4.猫耳と尻尾
深い森に住んでいる≪西の豹族≫の体毛は、コバルトブルーで艶やかさが評判だ。
なんでも鬼ごっこを挑み勝利すると、≪西の豹族≫が自身の体毛を分けてくれるらしい。
しかし、≪西の豹族≫は足がとてつもなく速いため、ただ追いかけるだけでは勝つことが難しいだろう。
――以上』
騨は熱心に≪猫耳メイドの機晶姫≫の魅力について語ります。
あなたは協力してあげることも、他の人に任せることでできます。
どうしますか?
本気の夢。一緒に作りたくはありませんか?