シナリオガイド
分裂パラダイス!
シナリオ名:襲撃の『脱走スライム』 / 担当マスター:
保坂紫子
ズ、ズゥン……。
空も白み始めた明け方、平和な村に響き渡った地響き。
建物すら揺らした爆音に村人達は飛び起きました。
そして、窓から見える隣家が、薄闇の中その輪郭を大きく歪ませていることに村長は声を失います。
「村長!」
「何が起こったんですか!」
集まってきた村人は建物の半分以上を占拠する透明な生物に、次々に村長に詰め寄ります。
二ヶ月前に隣の空き家を借りていた考古学者に村長は駆け寄ります。
「説明してもらいましょうか?」
実験はしないとの約束で貸したのに何故こんな事態になっているのか、村長は考古学者に説明を求めました。
考古学者は渋々ながらも手短に、これは近くの古代遺跡にて発見された未確認生物であること、つい今しがた泥棒に入られ、抵抗している内に未確認生物が入っていた容器を壊した事、を説明します。
「……あと、雨が降る前に回収しないとダメです」
「どういうことですかな?」
「あれは水を与えると分裂するらしく、その速度は、私の家をご覧になればわかると思います。ものの数分で家一軒など飲み込むのは容易い」
「なんと……」
「ママーッ!」
村長と考古学者の会話を裂くように悲鳴が響き渡ります。
好奇心で近づいた子供が軟体生物に手を突っ込んだまま身動きが取れなくなってしまったのです。
父親が懸命に引っ張りますが軟体生物の粘度は高く子供の手に絡んでなかなか取れません。
「それと、近寄らないほうがいいです。害はありませんが、鳥もちの様に纏い付いて、万が一に鼻や口を塞がれたら窒息する恐れがあります」
淡々と説明する考古学者に村長は青くなりました。
分裂が終わらないのか益々と増えていくシルエットの軟体生物に村長は空を仰ぎました。
自分たちでは手に負えないと悟ったからです。
「至急救援要請を」
雨が降る前に、誰でも良いので事態の収拾をお願いできる人員を、と動き出した直後、水分を得たのか名前も付けられていない軟体生物は爆発的に膨れ上がりました。
瞬時にして村は軟体生物に占拠されました。
担当マスターより
▼担当マスター
保坂紫子
▼マスターコメント
はじめまして、こんにちは。保坂紫子と申します。
どうぞよろしくお願いします。
ぎりぎりでしたが、救難信号は発信されました。
場所は古代遺跡が近くにある小さな農村です。
村の一軒から突如として未確認の軟体生物が発生しました。
緊急事態により未確認生物の形状と特徴からこれを仮に『脱走スライム』と命名します。
脱走スライムの特徴として、
○色は青み色の強い透明色、大きさは三十センチほどで形状は限りなくスライムに近い。
○水または水属性の攻撃等を受けると十数倍の数に分裂増殖する。分裂速度は早く家一軒なら瞬く間に占拠できる。
○ただ分裂した部分は四十八時間で自然消滅する。本体と思われる核持ちのスライムだけが消滅しない。
○生物を取り込む性質は無いが粘度が高くスライムに触れると鳥もちの様に簡単には取れない。
○しかし、粘度が高い割に火に弱く一定温度に達すると沸騰し蒸発する。また核持ちスライムは核のみ残る。
が、挙げられます。
この情報は考古学者の研究資料より提供されてます。
個人で行った研究であること、研究期間が短いこともあり全て解明されていません。準備は万全であるに越したことはないと思われます。
生態が全く解明されていないため、場合によっては想定外の事態が発生する恐れがあります。
脱走スライムの奪取を目論む人間が村に侵入しています。
一度は盗みに失敗しましたがこの騒ぎで再び機会を伺っています。
すでに近場に在った水槽から水分を得て分裂を繰り返す核持ちスライムの確保か核の回収。
分裂スライムの駆除、避難誘導とすでにスライムに囚われた村人の救出、侵入者の逮捕を要請されています。
また、難を逃れた村長と考古学者は村のはずれの家に逃げていますので報告等はそちらにお願いします。
▼サンプルアクション
・『脱走スライム』を捕まえて知名度を上げたい。
・突然の災難で困っている人を助けたい。
・災難の原因っぽい盗人が最侵入しているらしいので見つけて逮捕する。
・事態の収拾に努める。
▼予約受付締切日
(予約枠が残っている為延長されています)
2012年09月13日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2012年09月14日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2012年09月18日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2012年09月28日