波羅蜜多実業高等学校

　空京にて、新作オンラインゲーム、『リアル・ワールド』の発表イベントが行われました。

　リアル・ワールドはその名の通り、現実を再現した仮想空間を体感できるMMORPGです。
　現実と同じ環境で軍事シミュレーションを行える――。
　それが、リアル・ワールドの売りでした。

「この日を待っていたんだよ！　自分がこのゲームで勝利する確率は８９.６％だ！」
　展示場についた小暮秀幸（こぐれ・ひでゆき）が鼻息を荒らげます。
　ウォーシミュレーション好きの彼は、うきうきしながら指定された席へと座りました。

「うわぁ。すごい人だかり」
　会場を見回したのは、教導団のお目付け役金元ななな（かねもと・ななな）。
　彼女は参加者ではなく、民間企業がつくった軍事MMORPGを視察するため派遣されたのです。


　設置された巨大スクリーンには、本物と見まがう空京の街並みが再現されていました。
　参加者はそれぞれ、備え付けのヘッドマウントディスプレイを装着します。

「只今よりゲームスタートです！！」
　司会者の合図で、参加者は一斉にログインしました。
　が――。

「フハハハ！」
　突如、スクリーンに能面をかぶった四人組が映し出されたのです。

「このゲームは、我ら匿名四天王がハッキングした。我らを倒さぬかぎり、お前たちはゲームから出られない！」

　会場内がどよめきます。
　リアル・ワールドは、謎のハッカー集団に乗っ取られてしまいました。
　無表情な能面で見下ろしながら、彼らは告げます。
「ひとつ忠告しよう。このゲーム内で死んだら――現実でも、命を落とすことになる」


「ど、どうしよう……」
　慌てふためくなななでしたが、ゲームの参加者は皆、腕に覚えのある者ばかり。
　小暮と協力すれば、匿名四天王を倒せるかもしれません。
「みんな、生きて帰ってきてね！」

　果たしてプレイヤーたちは、能面のハッカー集団を倒し、現実世界へ戻ることができるのでしょうか。

　二回目の執筆となる、水琴桜花です。
　どうぞよろしくお願いします！


　今回は、リアル・ワールドに閉じ込められたプレイヤーとしての参加になります。
　ゲーム内でのアバターは、現実世界での容姿・身体能力をそのまま再現したものです。

■リアル・ワールドの舞台となる場所は、空京の市街です。
　匿名四天王はそれぞれ、

※ミス・スウェンソンのドーナツ屋（通称『空京ミスド』）
※ヒラニプラ鉄道の列車内
※シャンバラ宮殿

　に出没すると布告しています。
　彼らのアバターはデータを書き換えているため、かなり強くなっています。

■シナリオガイドに登場したNPC以外のNPCはデータが存在していないため登場しません。

■リアル・ワールドには、緊急時における通信機能があります。
　会場にいるなななへ連絡をとれば、彼女にも何かできるかもしれません。

・※ドーナツ屋でハッカーと戦う。

・※列車内でハッカーと戦う。

・※小暮秀幸と共にシャンバラ宮殿を目指す。

・※金元なななへ連絡をとり、現実世界にいるハッカーを探る。