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戦乱の絆 第二部 第一回

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戦乱の絆 第二部 第一回

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シナリオガイド【イコン参加可】

エリュシオン強襲! ヴァイシャリーと“最後の女王器”を守れ!
シナリオ名:戦乱の絆 第二部 第一回 / 担当マスター: 蒼フロ運営チーム

最後の女王器、か……」

 冷たい潮風が吹きつける太平洋上。
 辻永 翔(つじなが・しょう)は急設されたメガフロートの端で呟きました。

 今、小笠原諸島付近では女王器を発掘するために
 海底遺跡の調査が始められようとしていました。

 発掘を指示したのは、シャンバラの女王となったアイシャ・シュヴァーラです。

「アイシャが国家神になって、シャンバラが独立したのが一ヶ月前。
 東西シャンバラは行政区分として残されて、シャンバラの首都は空京になった――」

 そして、東西シャンバラのロイヤルガードは、それぞれの管轄で任務につくことになり、
 教導団は名称そのままにシャンバラの国軍となっています。

「で……シャンバラが“国”になったために、エリュシオンはシャンバラから撤退した、と」

「これで宣戦布告が無い限り、エリュシオン帝国が攻めて来る心配はないはずだ」

 パートナーのアリサ・ダリン(ありさ・だりん)の言葉に翔は振り返りました。
 アリサを見やってから、メガフロートに設けられた巨大なクレーンを見上げます。

「今のうちに発掘してしまおうってところか。
 しかし、今探している女王器ってのは、かなりの大物なんだろう?
 まるで……大きな戦いが迫っていると言われてるみたいだな」

「エリュシオンの脅威が完全に去ったわけではないのは確かだ。
 それに、今回の女王器発掘は『前女王であるアムリアナ様の意思』でもあるというしな」

 クレーン越しに見えた空では、重い風が轟いていました。




―――戦乱の絆―――


 数日前。

(太平洋の海底に遺跡が?)
 天御柱学院の学長室。
 コリマ・ユカギール(こりま・ゆかぎーる)はアイシャに視線を向けました。
「かつてシャンバラの陸の一部と共に地球へ墜ちた遺跡です。
 そこに……最後の女王器が眠っています」
(それを発掘するということか)
「はい。
 アムリアナ様から賜った使命を果たすために必要なものなのです」
(ふむ……。
 しかし、その使命が何であるかは――)
「……ごめんなさい。今は、まだ」
(…………。
 発掘の準備は数日の内に終えられる。
 しかし、我々だけでは時間が掛かるだろう)
「エリュシオンが宣戦布告を行っていないとはいえ、国内の守りを疎かにはできませんが……。
 女王器の発掘も急がなければいけません……。
 イルミンスール、蒼空学園、薔薇の学舎、空京大学にお願いするというのは?」
(十分だ。では、天御柱は調査・発掘用のメガフロートの準備を急ごう)

 と――。

「面白そうな話をしているね」
「え……?」
 二人が振り返った先に見たのは、タシガンの領主である少年ウゲン・タシガンの姿でした。
 ウゲンは、彼を固く見つめるアイシャへ無邪気な笑みを向けてから、コリマに言いました。
「中東から戻るついでに寄らせてもらったよ。
 まだ、お礼をしていないことを思い出してさ」
(……感謝されるようなことをした覚えはないが?)
「とても感謝してるよ。
 だって僕はあなたのお陰で力を得ることが出来たんだもの。
 ね? だから、お礼に僕のフラワシを生徒たちに貸し出してあげる。
 いいでしょう? 僕のフラワシはどれも強力だよ」
 ウゲンは一人でつらつらと言葉を並べ続けていました。
 その姿がすぅっと消えていきます。
「楽しみだなぁ。
 どんな生徒に僕のフラワシを使ってもらおうか。
 きっと楽しいことになるよ。
 とっても楽しいことに……」
 ウゲンの姿が消え去り、声の余韻だけが残る中、
(……――――なるほどな)
 コリマは“感謝”の意味に気づき、薄く顔を顰めたのでした。




 ――そして。

■現在

 太平洋上の調査・発掘用メガフロート。
 けたたましく鳴り響く警報。

「どういうことだよ!
 宣戦布告が無ければ攻めて来れないんじゃないのか!?」
 翔たちはイコンへの搭乗を急いでいました。
 エリュシオンのイコン部隊がメガフロートを強襲したのです。
 突然の出来事に、現場は混乱していました。


■ほぼ同時刻――空京・シャンバラ宮殿

『我々エリュシオン帝国は、我、大帝アスコルドの名の下――
 シャンバラ王国を忌むべき敵であると宣言するッッ!!!』


 エリュシオンから“それ”が届けられたのは、つい先ほどのことでした。
 高根沢 理子(たかねざわ・りこ)らは、いきなりの事に、アスコルドの映像を眺め、キョトンとしていました。
 一方で。
 いち早く事態を飲み込んだアイシャは、すぐに緊急通信を行いました。
「――今、エリュシオン帝国からシャンバラに宣戦布告が行われました!」
 その間にも、不遜な笑みを浮かべたアスコルドの宣戦布告は続いていました。
 アスコルドが宣戦布告の理由として、
 『シャンバラのカナン・コンロンにおける反政府勢力への加担』を挙げるのが聞こえます。
「って、交渉の余地も無し!?」
 理子が映像に向かって抗議の声を上げます。
(理由は、おそらく何でも良かった……)
 アイシャは次々と送られてくる各方面からの情報を確認しながら唇を噛みました。
(このタイミング。発掘が行われるのを待っていた……?
 ……いえ、今はそんなことを考えるより――)
 彼女は緊急通信を続けました。

「帝国は宣戦布告と同時に太平洋上の調査・発掘用のメガフロートを強襲
 そして――
 雲海上をヴァイシャリーに向けて進軍しています……っ

 アイシャは自身を落ち着かせるように、深く息を整えてから言いました。

「……唐突な事態のため、各所で混乱が生じていると思います。
 しかし、皆さんなら、きっと退けることができる。
 信じています……!」

 彼女の背後では、アスコルドの笑い声が不気味に響いているのでした。


■メガフロート

 イコンの中でシャムシエル・サビク(しゃむしえる・さびく)は鼻歌を歌っていました。
『今回の目的は分かっているかい?』
「うん! 大丈夫だよ、パパ」
 カンテミールの声に、彼女は嬉しそうに答えます。
「遺跡の奥にあるヤツを奪っちゃえばイイんだよね!」
『そうだ。
 だが、くれぐれも無理はしないでおくれよ。
 私の可愛いシャムシエル』
「うんっ! パパ大好き!」
 そして、彼女は第七龍騎士団の面々と“シャムシエル”へ言いました。
「じゃ、皆、そういうことだから……
 やっちゃえーーーー!」


■メガフロート内

『イコンパイロットは出撃を急いでください!』

『敵部隊の一部が遺跡内へ侵入!』

『敵歩兵によるフロート内への侵入を確認!』

 響き渡る警報の中、
 皇 彼方(はなぶさ・かなた)テティス・レジャ(ててぃす・れじゃ)と共にフロート内の通路を駆けていました。
「ッ……まずいな。
 だが、ここを制圧されるわけにはいかない――
 守り切るぞ、テティス!」
「ええ!!」


■海底遺跡

 太平洋の海底に沈む古代の遺跡。
 ここは現在、アーデルハイトの結界によって海水もなく、生身での探索が可能な状態になっています。

「――まったく。結界を発動していただいたばかりだというのに」
 地上の情報を得たルドルフ・メンデルスゾーン(るどるふ・めんでるすぞーん)は、仮面に手を触れながらごちました。
 そして、彼は片手を払い、真剣な様子で言いました。
「急ごう。
 女王器を見つけ出し、帝国の手から守らなければ」


■シャンバラ

 ヴァイシャリー南東の雲海沿岸。

「敵は空母を中心に龍騎士と従龍騎士、そして、ヴァラヌスの新型機と見られるイコンが一機だ」
 新型のイコンは飛行能力は無いようですが、かなり強力な機体であるとみられます。
 金 鋭峰(じん・るいふぉん)が厳しい表情のまま続けます。
「新型イコンは陸に到達するまでは空母の上で戦うつもりだろう。
 そして、おそらく搭乗しているのはヘクトル。
 かなり腕の立つパイロットでなければ太刀打ち出来る相手ではないな」
「龍騎士に戦艦に新型イコン……。
 こんなのが来たらヴァイシャリーは……」
 ううっ、と桜井 静香(さくらい・しずか)が泣きそうな声をもらした時――

「奇襲には奇襲で返すのが礼儀というものよッ!!」
 横山 ミツエ(よこやま・みつえ)は声高々に言いました。

「……え……えっと?」
「なんで君がここに居るんだ……」
 首をかしげた静香と、何やら沈痛げな表情を見せた鋭峰に構わず、ミツエは続けました。
「相手は、こちらに悟られないよう最小限の準備を進めた上でスピード勝負を挑んで来てる。
 つまり、かなりタイトな作戦を行っているということよ。
 出鼻をくじいてやれば、勝手に撤退してくれるはず……
 だから――敵空母への潜入作戦を提案するわ!!
 ハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)が面白そうに目を細めます。
「潜入作戦でござんすか。それは、我が明倫館の出番ざんすね」
「へ? あ……そっか。明倫館には忍者や侍の人がいるもんね。
 潜入作戦の中心になってくれれば心強いかも……」
 静香がこくこくと頷きます。
「任せておくんなんし」
「でも……そう簡単に潜入させてくれるかな……?」
「外の戦いで善戦できれば、相手に必ず隙が生まれるわ。
 あっちの戦力もそれほど余裕はないだろうから、
 例えバレてても対応は難しいはずよ」
「確かにそうかもしれないが……。
 うまく潜入できたとしても、空母を落とすのは容易なことではないぞ」
「落とす必要なんてないわ。
 作戦の続行が難しくなる程度にトラブルを起こしてトンズラすれば十分よ。
 今回あっちが狙ってるのは、あくまで華麗な速攻。
 泥仕合になるくらいなら仕切り直したいと考えるはずよ――勝機はあるっ!!」


担当マスターより

▼担当マスター

蒼フロ運営チーム

▼マスターコメント

『蒼空のフロンティア』のグランドシナリオ 戦乱の絆、第二部の第一回です。

前回ご参加いただけなかった、あるいはまだリアクションを全て読んでない方も、
前回の最終ページと今回のガイドさえ見れば基本的な情報は得られますので問題なくシナリオに参加できます。


■今回のリアクションは以下のマスター陣で執筆されます。
 【1】~【3】にかけられたアクションの総数は、それぞれの状況に影響します。
(集まった数が少なければ不利になり、多ければ有利になります。
 ただし、『×【数字】』と表記されていた場合は数に含みません。例:×【3】)


【1】九道雷 メガフロートの防衛(イコン使用可)
 メガフロート内外の防衛戦になります。
 強襲してきた部隊のイコンは水中用に調整されたヴァラヌスです。
 パイロットは第七龍騎士団員とシャムシエルです。
 戦乱の絆第一部で第七龍騎士団員になった方はこちらへの参加が求められていますが、参加した場合、以降シャンバラでは敵兵として扱われます。

 このパートでの結果は女王器の行方に影響します。


 主なNPC:翔、アリサ、彼方、テティス、ティセラ、シャムシエル

【2】大里佳保 海底遺跡の探索(イコン使用不可)
 海底遺跡での探索になります。
 かつてシャンバラの陸の一部が崩落した際、共に落ちてきた遺跡です。
 今はアーデルハイトの結界により、海水も無く生身での探索が可能になっています。
 エリュシオンの兵も遺跡内に侵入して来ているようです。
 また複数存在するシャムシエルはこちらにも侵入しています。

 このパートでの結果は女王器の行方に影響します。


 主なNPC:ルドルフ、アーデルハイト、リンネ、ホイップ、セイニィ、パッフェル、シャムシエル、カンテミール

【3】森水鷲葉(イコン使用可)
 雲海上~雲海沿岸部での戦闘になります。
 百合園・教導・明倫館・パラ実が中心となって、龍騎士・従龍騎士の部隊を迎え撃ちます。ただし、ミツエのイコン饕餮は前回の戦いの影響で使用出来ない状態です。
 また、第七龍騎士団長であるヘクトルの姿があり、彼は新型イコン『ヤークトヴァラヌス』に乗っています。
 戦艦への潜入部隊は専用の飛空艇で潜入する予定です。

 このパートでの結果によってはヴァイシャリーが帝国に奪われます。


 主なNPC:静香、鋭峰、ハイナ、ミツエ、ヘクトル

【4】村上収束 その他
 上記にあてはまらない状況に対して自由にアクションをかけられます。
採用の難易度は高くなります。

■イコンの使用について■
今回より個人で所有しているイコンが使用可能となります。
今回は【1】と【3】で使用可能です(場合によっては【4】でも可能)。

ただし、どの番号でもそうですが「イコンでしか参加できない」という制限はありません。
また、イコンを使用する際は必ず、

・アクションで乗るパイロットを登場搭乗させてからアクション投稿を行ってください。

本来のパイロットと違うパイロットが乗っている場合正確な描写が出来ず不利な判定になる可能性もございます。

■ユニークアイテム・プレゼントアイテムについて■
本シナリオより、アクション上で参照できるようになりました。
ただし、ユニークアイテム、プレゼントアイテムはそれによって本来のアイテム以上の能力などは発揮しませんのでご注意ください。

■ロイヤルガードについて■
西シャンバラのロイヤルガードは【1】と【2】、東シャンバラのロイヤルガードは【3】での参加が求められていますが、最終的にどこに参加するかは個人の判断によります。また教導団と任務が被る場合は基本的にはロイヤルガードとしての活動が優先となります。

■ウゲンのフラワシ貸し出しについて■
ウゲンは、その気のありそうな生徒の元へスカウトに来ます。

フラワシを貸してもらうための第一条件は、ウゲンに忠誠を誓うことです。
しかし、フラワシには数に限りがあり、
忠誠を誓っても貸してもらえるかはウゲンの気分次第となります。
また、どんな能力のフラワシを与えれるかもウゲン次第です。
(ウゲンのフラワシはグランドシナリオでのみ有効となります)

■関連シナリオについて■
牧村羊マスターによるペリフェラルシナリオが1月31日(月)に公開予定です!
また、関連キャラクタークエストロボットミッションも公開される予定です。更にアイシャなどグランドシナリオのキャラクターが登場するノーマルシナリオなども公開されます。

■今回までの簡単な流れ■
・建国の絆 第一部・第二部
 『蒼フロのあらすじ!』(http://souku.jp/summary/)より、グランドシナリオの項目をご確認ください。

・戦乱の絆 第一部
 アムリアナに《女王の力》と《意思》を託されたアイシャがシャンバラへ逃げて来る。
 第七龍騎士団と帝国に属従させられていた東シャンバラが一度はアイシャを囚えるも、
 東西の契約者の活躍により、アイシャはシャンバラ側に保護されることとなった。
 その後、高根沢理子とセレスティアーナの血を得て、国家神となる準備を終えるアイシャ。
 彼女を国家神とするため、特別な儀式である《戴冠式》が行われる。
 そして、国家神誕生を阻もうとする帝国の攻勢の中、
 契約者たちは戴冠式を成功させ、シャンバラ王国の建国を成し遂げたのだった。

▼サンプルアクション

・【1】フロート内の防衛

・【2】女王器の探索

・【3】空母潜入

・【4】ウゲンをカツアゲする

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年02月04日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年02月25日


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