波羅蜜多実業高等学校

「先日はエリザベートさんがご迷惑をおかけしました。その上突然の申し出に場所まで貸して頂いて、環菜さんには本当に感謝しています」
「気にすることはないわ。私としてもあなたと懇意にできることは、蒼空学園の利益に繋がるもの」

　３月３日、日本では『雛祭り』が催されているであろう本日、ここ蒼空学園校長室にも七段の檀飾りが置かれ、雅な音楽が流れる中で、和服に身を包んだ御神楽　環菜（みかぐら・かんな）と飛鳥　豊美（あすかの・とよみ）が互いに杯を酌み交わしていました。

「御神楽校長はああ言っているが、本当のところはどうなのだ？」
「さあな。案外、構ってくれて嬉しいだけなのかもしれんぞ？　エリザベートと違って基本無害じゃからの」
「環菜さんが積極的に交流を図るのは、わたくしとしても喜ばしい限りですわ」

　やはり杯を傾け合いながら、飛鳥　馬宿の問いにアーデルハイト・ワルプルギス（あーでるはいと・わるぷるぎす）が答えます。声が聞こえたのか険しい目線を向ける環菜を、ルミーナ・レバレッジ（るみーな・ればれっじ）が微笑ましげに見守ります。

「まったく……勝手なことを言ってくれるわね。それにしても早いものね、大学部を設立してからもう１年が経とうとしているなんて」
　杯を空け、心持ち頬を染めた環菜が、過ぎた時間を振り返って呟きを漏らします。
「環菜さんは一人で蒼空学園をまとめているんですよね。凄いと思います」
　その杯を再び満たしながら、豊美ちゃんが賞賛の言葉をかけます。
「あら、あなたもかつては、帝として才腕を振るっていたのではないかしら？」
「私はウマヤドの言葉に頷いてただけですよー。ウマヤドがいなかったらとても帝の務めはできなかったと思います」

「ほれ、あんなこと言われとるぞ。おまえも信頼されとるのう」
　空いた杯を強引に満たし、アーデルハイトが馬宿を小突きます。
「……そう思っているなら、もう少し待遇を良くしてくれてもいいと思うのだが」
「お二人の関係も、不思議なものですわね」

「そういえば……私たちだけしかいないのに、どうしてこんなに長机が用意されているんですか？」
　豊美ちゃんが、明らかに多い机を見遣って声をあげます。
「もうそろそろ分かるわよ。どうせ黙っていても来るでしょう、あのお騒がせ校長が――」

「だぁれが、お騒がせ校長ですかぁ！」

　環菜の言葉に反論するように、エリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）が空間転移でこの場に現れます。
「言った通りでしょう？　……あら、和服で来たのね。あなたがそんな配慮が出来るとは予想外だったわ」
「当たり前ですぅ。しかし動きづらいですねぇ、この服はぁ」
「あっ、ダメですお母さん、あまり乱暴にすると帯が解けちゃいます」
　慣れない和服を乱れさせてしまうエリザベートに、ミーミル・ワルプルギス（みーみる・わるぷるぎす）が手を貸します。
「ふぅ、いっつもエリザベートちゃんにはごまかされちゃってたけど、今日は騙されなかったよ！」
「ぼ、ボクたちも混ざってよかったんだな？」
　何だかんだでいつもはぐらかされていたらしいリンネ・アシュリング（りんね・あしゅりんぐ）、それにモップス・ベアー（もっぷす・べあー）の姿も今日はありました。
「皆さん、ちらし寿司ができました。雛餅も雛あられもたくさん用意してますから、どんどん召し上がってくださいね」
　雛祭りに欠かせない料理の数々を机に並べたミリア・フォレストが、微笑みを浮かべて皆に料理を勧めます。

　いつもの面子が揃っての雛祭り。
　さあ、あなたはどのように過ごしますか？

　雛人形は手にしたことがありませんが、別の人形ならいくつか持ってます。
　でも流石に６０ｃｍの人形は扱いに困りました。猫宮・烈です。
　
　このシナリオは、『雛祭りに合わせてリアクションを見たい！』方向けに用意してみました。
　ガイドが公開された現時点では雛祭りでもなんでもないのですが、雛祭りの様子を想像してアクションを書いてみて下さい。
　公開日が多少ずれているかもしれませんが、自分は雛祭りに間に合うように……出せなかったらごめんなさい。
　２月はどうして２８日しかないんだっ！　おかげさまでリアクション執筆ともろかぶり……は置いときまして。
　
　いくつか、参考のために情報を記しておきます。

　リアクションで描かれる時間帯は、３月３日の日中です。
　
　今回はほのぼのとしてます。バトル要素が（今のところは）まったくありません。節分で色々とやらかしたので、今回は大人しくしているようです。
　まあ、今のところは、なので、皆さまの相談次第では、ハイブリッドな何かが誕生するかもしれませんよ？
　雛餅や雛あられ辺りがいい感じに利用出来そうですねえ、と呟いておきます。
　
　舞台は、お正月シナリオでも利用した部屋です。いつものごとく広さは無視しちゃってください。
　そろそろ暖かくなってきたので、炬燵の代わりに長机（ちゃぶ台の高さです）が用意されています。ミリアが用意した雛餅に雛あられ、ちらし寿司をご賞味ください。
　さらには豊美ちゃんが持ち込んだ、『飲むとだんだん気持ち良くなってくる飲み物』もあります。ついつい杯が進んでしまう魔性の一品です。
　未成年が飲んでも大丈夫です。５歳の女の子が飲んでも大丈夫です。ちょーっと酩酊状態になるだけです。
　いずれも品切れになることはないので、食べ過ぎ飲み過ぎには注意して、美味しく頂きましょう。
　
　あ、ちなみに、雛祭りは女の子のための祭なので、男性はお断りですよ？（女性同伴ならオッケーです。パートナーを始め、恋人、幼馴染、友達に腐れ縁、その他アレコレ構いません。もちろん男の娘もオッケーです）
　飲むとだんだん気持ち良くなってくる飲み物の力で、ＮＰＣなどに迫っちゃうのもアリかと。程度は異なりますがみんな普段とは違う反応が身られるかもしれませんよ。

　ＮＰＣにお正月シナリオで和服（晴れ着）の着付けを教えてくれた方、仕立ててくれた方、どうもありがとうございます。
　彼女たちも嬉々として着ているようですよ。

　雛祭りという行事の中、フルメンバーによるわいわいシナリオ、運営を開始します。
　それでは、よろしくお願いいたします。

・ハイブリッドな何かを考案してみる

・仲の良い者たちと、雅な祭を楽しむ

・『飲むとだんだん気持ち良くなってくる飲み物』の力を借りて、あの子に迫っちゃう