波羅蜜多実業高等学校

　ツァンダとタシガンの間に跨るタシガン空狭は交通の要所ということもあり、古くから空賊が出没していました。
　ところが最近になって、次々と空賊が倒され、その数を減らしていきました。

　空賊を狩っているのは、ペガサスを駆るヴァルキリーの女空賊フリューネ・ロスヴァイセ（ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ）です。
　タシガン空峡の空賊が減った要因は彼女以外にも多々あるのですが、ツァンダの市民の間では空賊を駆るために敢えて空賊に身をやつしたフリューネの存在は好意的に受け入れられています。
　特にツァンダの少女達の間では、厚手の上着を羽織りつつ、おへそやパンツ（フリューネ曰く「見せパン」らしいですが）を出した女空賊ファッションが流行の兆しを見せています。

　それだけではありません。凛々しさと令嬢を思わせる美しい美貌を兼ね備え、戦いぶりは勇猛果敢、弱きを助け強きをくじくその姿に憧れ、フリューネのような女空賊を目指す少女達が次々と現れているというのです。
　英雄やアイドルに憧れる気持ちは分かりますが、フリューネは義賊だからこそ好意的に受け入れられていますが、空賊そのものは犯罪行為です。
　良い子のみんなは絶対にマネをしてはいけません。
　とはいうものの、フリューネ景気の経済効果に、ツァンダ家はフリューネへツァンダ家公認の空賊として私掠特許状を発行する噂も囁かれています。

「フリューネさんのような空賊に私もなるわ！」

　――蒼空学園。
　ここにもまた、フリューネに憧れて空賊を目指す少女がいました。
　ツァンダに住む普通の少女と違い、蒼空学園で学んでいる少女は空賊になれる強さを持っている者もいます。
　加能　シズル（かのう・――）もその一人です。

　シズルは未だにフリューネに狩られることなく空賊行為を行っているシュヴァルツ団のボス、ヴィンターリオ・シュヴァルツを退治しに出掛けたきり戻ってきませんでした。

　数日後、校長の御神楽　環菜（みかぐら・かんな）宛てに、シュヴァルツ団よりシズルの身代金請求が届きました。

「倒してしまったらそれまでだけど、生け捕りにして身代金を取った方が遥かに儲かるもの」

　環菜は身代金を払う気は毛頭ありません。

「身代金の交渉は出来るだけ引き延ばしてあげるから、シズルを救出すると同時に、シュヴァルツ団を壊滅させてきなさい」

　それが環菜から出された依頼でした。

　女空賊フリューネに憧れるあまり、空賊を退治しに行って捕まってしまったシズルの救出と、シュヴァルツ団の壊滅が依頼の目的です。
　環菜は蒼空学園以外の学校にも依頼を出していますので、どなたでも参加できます。

　シュヴァルツ団はタシガン空狭を根城とした２０人規模の空賊で、中型の飛行船を所有しています。情報に強く、今までフリューネに狩られずに空賊行為を行っています。
　根城を探すにせよ、シュヴァルツ団と戦うにせよ、空を飛ぶ道具が必要になります。小型飛空挺や空飛ぶ箒をお持ちでない方は、環菜がチャーターした飛行船に乗ってもらいます。
　この飛行船に武装は無く、個人で借りることは出来ませんが、グループアクションで「ＭＣとＬＣを合わせて１０人以上」になる場合は、全体とは別にそのグループに１機貸し出されます。

　環菜の言うように、シズルは身代金目的のためにシュヴァルツ団に捕らわれています。
　今のところは無事のようですが、いつ命が奪われてもおかしくありません。
　速やかに救出してください。

　なお、フリューネも噂を聞きつけて駆けつけてくる可能性があります。

・タシガン空峡を調べる

・囮になる

・空中戦は任せろ！

・シュヴァルツ団の飛行船に乗り込む！