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【十二の星の華】黒の月姫(第2回/全3回)

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【十二の星の華】黒の月姫(第2回/全3回)

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シナリオガイド

ミルザム襲撃の予感!?暗殺者の正体は誰だ!
シナリオ名:【十二の星の華】黒の月姫(第2回/全3回) / 担当マスター: 杉井幾




「ここは通さん!」
 剣をすらり、と抜くと赫夜はネラに剣に突進していくとネラの剣と、刃ががちっと合い、火花が散った。
「こんなことを、なぜ、こんなことをしなければならない…!!」
 悲しげで苦しげな表情の赫夜の言葉に、ネラは無言で何度も斬り結び合います。
 赫夜の太刀筋は、学園で生徒達と仕合をしていたときとまったく違い、非常に重く、一太刀一太刀に赫夜の魂が籠もっているようでした。
 しかし、次の瞬間、ネラの剣が赫夜の剣をはじき飛ばしてしまいます。
「つう!」
 赫夜の右手のセーラー服に一筋の切れ目が入り、指先からは血がぽたぽたと落ちてゆきます。絶体絶命か、と思われましたが追いかけてくる生徒達を警戒したのか、ネラはその赫夜にとどめを刺すことなく、逃げ去ってしまいました。


☆ ☆ ☆

「ねえねえ、ミケたん
 小谷 愛美(こたに・まなみ)が、蒼空学園の花壇で花の手入れをしている男性に話かけました。
「ミケたんは止めて下さい、愛美さん」
 【ミケたん】と呼ばれた作業着の男性は苦笑して立ち上がりました。
「だって、三池 惟人(みいけ これひと)なんて、『ミケ』って呼んで貰いたいって言ってるようなもんじゃん」
「酷いな」
 三池惟人は、20代後半で、蒼空学園に何年も勤めている用務員です。
 黒髪に白い肌、鳶色の瞳が日本人離れした風貌で女子生徒からも人気があります。そしてさわやかな笑顔と、てきぱき仕事をこなすので、生徒達の兄貴分存在。愛美もすっかりとなついています。
 惟人は元々、蒼空学園の生徒で、そのまま用務員となった経歴の持ち主。生粋の「蒼空学園OB」と言えるでしょう。
「ところでなんですか?僕に何か話でも?」
「そうそう、ねえ、聞いた?同時テロと藤野姉妹の話」
「ああ…あれは本当に酷いテロだったようですね。爆弾があらかじめセットされていたなんて…でも、美術館の秘蔵品は無事だったそうですね」
「まあねえ。でも同時テロをやられるなんて、思っても見なかったのよね、みんな」
「まあ、それは仕方ありません。でも、テロリスト、『アッサシーナ・ネラ』でしたっけ?…の正体は少しくらい、判ったんでしょう?」
 花を植え替える作業を続ける惟人を手伝いながら、愛美は続ける。
「そうなの。しかもそれほどの大男じゃなくて、どうやら女みたいなのよね。…一部の生徒たちは藤野赫夜を疑っていたんだけれど、赫夜はアッサシーナ・ネラと戦って、怪我をしてしまったから、テロリスト候補からは外れちゃうのよ。でね、その日、パジャマパーティに誘われていた妹の真珠のアリバイだけがないの!」
「でも、彼女はたしか、とても体が弱いと聞きましたが」
「そうそう。だからみんなも、疑いきれてないのよね。でもね、最近、真珠の様子がおかしいの。良く休むし、たまにぼんやりしていたり。それにね、真珠が『姉様なんて死ねばいいのに…』ってつぶやいているのを聞いた子がいるらしいの!? 赫夜がネラに傷つけられたことと言い、なんだか事件の匂いがしない?」
「愛美さん、そうやってなんでも頭を突っ込んではいけませんよ。怪我をしたりするあなたを見たくはない。それに、その辺りはミルザム様や環菜校長がちゃんと考えているでしょうから。当然ね、あのお二人のことですから。」


 御神楽 環菜(みかぐら・かんな)は校長室で、じっと考え事をしていました。
ミルザムが洗脳されたリフル・シルヴェリア(りふる・しるう゛ぇりあ)に襲撃されたばかりのこの時期。…ただ、リフルは生徒達のおかげで洗脳を解かれたけれど、また、別の十二星華、『蛇遣い座』が出てきたわ…しっかりとミルザムを私たちが守らなければ…。アッサシーナ・ネラはミルザムに対する敵愾心を表明している。と言うことは、かならずミルザムを襲ってくるはず。それに同時テロということは、アッサシーナ・ネラは一人ではない、と言うことね。それに1週間後には、ミルザムが卒業式に参加することになっている…確実に狙われてしまうわ…出席は取りやめて貰うべきかしら」
「いいえ、そんな訳にはいきません」
 そこにミルザムが現れました。
「蒼空学園の生徒達は私を守って下さった。それに私はこの学園に、そしてクィーン・ヴァンガードに支えられている。その人達の門出を私が祝わないわけにはいかないわ」
「…ミルザムには何を言っても聞いて貰えなさそうね。判ったわ。充分な警護も付ける。それに藤野姉妹のことを調べ直したほうが良さそうだわね…それにアッサシーナ・ネラ。あの大規模な爆破は自分一人で仕込みはできないはずよ。内通者の可能性もあるわね…」

☆ ☆ ☆

-------藤野家の朝。
「赫夜様、真珠様が今日も学校へ行きたくないと仰っております」
 藤野家つきの婆やが、執事の爺やと朝稽古を終えたばかりの赫夜に訴えかけてきます。赫夜の右腕にはまだ、ネラに怪我をさせられた傷が直っていないのか、包帯が巻かれています。
「せっかく、学校に通うようになったのに、あれではまた、病気になってしまいます」
「よし、ワシが真珠様を起こして参ろう」
 かくしゃくとした風貌の爺やが、身を乗り出したが、それを赫夜が止める。
「じい、私が様子を見てくる。少しそっとしてやってくれ」

 赫夜は真珠の部屋に向かい、そっと扉を開けました。
「…真珠。学校に行かないのか。…みんな心配していたぞ。手芸を教えて欲しい、と待っている生徒もいたし、別の生徒からも『待っている』と言づてを預かった」
 背を向けてベッドの中で丸まって無言でいる真珠に、赫夜はそっとふれる。
「真珠…」
 そっと赫夜が真珠の顔を覆っている毛布を取ると、赫夜の長い黒い髪が真珠の白い顔にかかり、赫夜の唇が真珠の唇に一瞬、触れようとしましたが、真珠は顔を背けてしまいます。
 背を向け、拒絶を続ける真珠に眉間に皺を寄せ、肩を落とす赫夜。
「口づけも、させてくれないのか、真珠。あの優しくて美しく、私に全てを預けてくれた真珠はもう、いないのか…お前はそれほどまでに私を憎んでいたのか…すまない、真珠。私がお前をこんな苦しい目に合わせているのだな。私は自分がふがいない。本当に、すまない。私のせいだ。…かならず、真珠、お前を助ける」

担当マスターより

▼担当マスター

杉井幾

▼マスターコメント

 今日は、杉井幾です。
「【十二の星の華】黒の月姫(第2回/全3回)」になります。

 今回の件は蒼空学園近辺で起こったテロに関するシナリオとなりますが、他学校の生徒さんの参加も問題ございません。

 さて、卒業式に向けてミルザムの身辺も慌しくなって来ました。
 アッサシーナ・ネラは「ミルザムに天誅を」とはっきり宣言し、敵意をむき出しにしており、人々の眼前の前でミルザムを討ち取ることを目的としているようです。

 また、真珠の今までの大人しさは徐々に消えつつあり、学校へも余りいきません。真珠をアッサシーナ・ネラと考える生徒達の視線が辛いのでしょうが、その不登校がまた、生徒達の疑いを強めています。

 しかし、その反面、真珠の優しさに触れていた生徒達の中には「真珠があんなことをするわけがない」と思って居る生徒も多いようです。

 それに藤野姉妹の特殊な関係性。これも今の状況を生み出す要因になっているようです。


 ちなみに藤野家には執事の爺や、身の回りをする婆やが藤野姉妹と一軒家に同居しています。

 藤野姉妹のことを知りたければ、この二人に話しを聞いてみるのもよさそうです。

 ただ爺やはとても頑固。赫夜と互角の剣の力量を持っています。そして何でも剣の力量で、決めようとするところがあるので、この爺やから話を聞くのはそれなりの剣の腕が必要でしょう。ただし、爺やは自分が認めた相手はどれほど若くても、誠意を持って接してくれます。
それに爺やは藤野家の事情に非常に詳しいです。


 婆やは姉妹の世話係。二人のことは身近なところから、しっかり監督しています。人当たりの良いお婆さまですが、年の功を重ねただけあって、なかなか強か。本当のことはなかなか教えてくれないかもしれません。しかし、藤野姉妹については本当に心配し、祖母のような目線で二人のことを見守っています。ちなみにこの婆やは、アイドルグループや韓流スターが大好き。しかし、ツァンダではなかなかグッズは手に入らないようで、それらを持って行くと、色々お話しをしてくれるかもしれません。

 ただ、誰が、内通者であるのか、アッサシーナ・ネラの協力者であるのかは一切、わかりません。
婆や、爺や、三池 惟人にもその可能性は充分、あるでしょう。

▼サンプルアクション

・ミルザムの護衛

・聞き込み、及び調査

・怪しい人物を探り出す!

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年03月15日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年03月16日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年03月20日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年04月05日


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