波羅蜜多実業高等学校

　遅咲き桜が咲き始める、空京内のある公園。
　その日、公園では、『花祭り』が開催されていました。

「わあ……花が溢れていて素敵ですわ」

　買い物のために空京へと出てきたところ、公園の傍を通りかかった泉　美緒（いずみ・みお）は、辺りを見回した後、感嘆の声を上げました。
　何が行われているのだろうと、公園に向かって、歩を進めます。

「花祭り……か」

　一方、フェンリル・ランドール（ふぇんりる・らんどーる）もまた、空京へと出向いてきたところ、公園の傍を通りかかったところで、開催を知らせるチラシを手渡され、それを片手に歩いてきたところでした。

「あら？　フェンリル様？」
「ああ、泉か。きみも花祭りへ？」

　公園の入り口で、ばったりと出会った２人は、偶然の出会いに驚きながら、声を掛け合います。

「ええ。溢れる花々がとても素敵で……折角の機会ですから、見ていこうかと思いましたの」

　頷きながら、辺りを見回す美緒に、フェンリルもつられるように視線を巡らせます。

「そうか。……一緒に回らないか？」
「ええ。よろしければご一緒に」

　誘うフェンリルの言葉に、美緒が頷きました。
　そうして、２人は公園の中へと足を踏み入れます。

　公園の入り口付近は、鉢に植えられた花を展示し、見に来た客が気に入ったものがあれば販売しているスペースのようです。
　少し歩を進めると、花模様や造花などをあしらった雑貨を取り扱う屋台が並んでいて、更に奥へと向かうと、花に見立てた菓子など食べ物を売る出店などもあって、朝から昼を跨いで夕暮れ時まで、一日中楽しむことも出来るでしょう。

――皆さんも、春のうららかな一日を花に囲まれて過ごしてみませんか？

　こんにちは、お久しぶりになってしまいました、朝緋あきらです。
　花祭りへと皆さんをご案内いたします。

　ガイド内にも書きましたとおり、鉢植えの展示・販売、雑貨や食べ物の販売、そしてネックレスや花冠などの作成コーナーなどがあります。
　作成されたネックレスや花冠などはアイテムとしては発行できませんが、称号を配布いたします（カップルで作った場合、カップルの名前入りの称号になります）。
　恋人、お友だち、兄弟姉妹……などとお誘いあわせの上、訪れてみてはいかがでしょうか？

　美緒とフェンリルも参加しております。
　会場内をうろうろしておりますので、お気軽に声を掛けてくださいませ。

　では、皆さんの参加をお待ちしております。

・花のお菓子を食べ回ろう

・ネックレス作ろう