波羅蜜多実業高等学校

　空京の一角にある駄菓子屋。

　もんじゃ焼きを食べ終えた小暮　秀幸（こぐれ・ひでゆき）がお腹をさする。
「もう１つ食べきれる確率９６％……うむ」
　大きくうなずいて、「村木殿、カレーもんじゃを１つ」と注文した。店主である村木のお婆ちゃんが「あいよ」と応じる。
　小暮は店内を見回した。さして広くない中にお菓子やオモチャがたくさんある。ふと思い立って柱に人差し指を這わせてみた。
「汚れてたかい？」
　カレーもんじゃを持ってきた村木お婆ちゃんが小暮を見て聞いた。
「いや、きれいなもんだ」
「そうだろ、毎日しっかり掃除してるからねぇ」
　村木お婆ちゃんが、鉄板にキャベツで土手を作って中央にタネを流し込む。
「あんた、きれい好きだったら、掃除を手伝っちゃあくれないかい？」
「まぁ……構わないが。どこだ？」
「この店じゃないよ。街の方さ」
　村木お婆ちゃんは、新年を迎えるに当たって、街ぐるみで清掃活動をする計画があることを語った。
「山葉さんにも頼んであるんだけどね。ボランティアを募集してるんだよ」
「ふむ」
　小暮は清掃活動が成功する確率を探った。

　空京に遊びに来ていたアッシュ・グロック（あっしゅ・ぐろっく）が脇道に入ると、建物の壁にスプレーで落書きしている男を見つける。
　男はうさんくさそうな視線を向けたが、アッシュが睨むとスプレー缶を投げつけて逃げ出した。
「困ったもんだぜ」
　イルミンスールに戻ったアッシュは、学校の掲示板に清掃ボランティア募集のお知らせを見つける。
「蒼空の山葉もいろいろとやってるねぇ」
　そこに害虫駆除の文字を見つける。落書きをしていた男が浮かぶ。
「害虫っても、たくさんあるぜ。ここは一つ、俺様が手本を見せてやるか」
　固く握り締めた拳を掲示板に打ち付けた。

　県田静です。どうぞよろしくお願いします。

　今年も残りわずか、気分良く新年を迎えるためにも、掃除は欠かせないものです。

　そこでとりあえず空京の大掃除をしようってことで、ボランティアを募集します。
　掃除と一口に言ってもいろいろありますが、気の向くままに掃除をしちゃってください。
　小暮のように計算する必要はありません。

　またアッシュが考えているように、害虫？退治もＯＫです。いろんなのが居るとは思いますが、皆さんの奮闘を願います。
　反対に不届きな参加者もお待ちしています。こっそり皆の目を盗むも良し、堂々と活動するも良し、お好みのままにどうぞ。

　蒼空学園の山葉校長発ですが、どの学校の方でも参加は構いません。
　皆さんの参加をお待ちしています。

・空京の街をきれいにします

・害虫駆除をやってみよう

・便乗して粗大ゴミを処分します

・派手にグラフィティを書きまくる