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シナリオガイド

時空の狭間から貴方に、素敵なティータイムをお届け?
シナリオ名:漂うカフェ / 担当マスター: YAM

 
「あら、ここは……どこかしらね」
「どこだろう、大きな街の近くみたいだね」

 ツァンダ郊外の……昨日まで空き地だった場所に、一夜にしてログハウス風の家が建っていたのです。
 扉にかかった木の看板には――『カフェ・マヨヒガ』の文字。


「今度はツァンダに現れたか……」
 機晶回路研究者イーリー・ガルフィスは、ラナ・リゼット(らな・りぜっと)を相手に呟きます。
「確か、2年くらい前にザンスカールの北に現れましたね」
「コンロンとの狭間の僻地だった。そう、私が調査に行った時は……」

 二人の機晶姫が営業するカフェ・マヨヒガ。
 それは7年ほど前から、パラミタ大陸のどこかに突然出現し、またある日突然、時空の狭間に消えてしまう、ということを繰り返す奇妙なカフェでした。

「店を切り盛りするふたりの機晶姫にも、店がいつ、どこに現れ、いつまで営業して消えるのかは分からないそうですね。時空の狭間に消えておる間は休眠状態で、この世界に出現すると、ただ粛々と店を開けるだけだとか。どこに現れようと、躊躇も動揺もせず……」
 吟遊詩人として大陸の様々な場所を訪れたラナは、その店の噂を聞いていました。イーリーは、そんな不思議な店の出現と消滅に、未知の機晶システムが使われているのではないかと、二年前に調査に向かったのですが……
「調査の途中で店が消えてしまった。分かったことはといえば、店の地下に機晶石を使った機械回路が張り巡らされていることぐらいだ」


「あらぁ、困ったわ、萱月(かやつき)」
「本当だねぇ、鈴里(すずさと)」
 およそ困っているとは思えないのんびりした機晶姫たちの声が、カフェの地下空間に響きました。
 機晶回路を使ってそこで育てているベリーや柑橘類の草木が異様に成長し、枝の先がうねうねと動いてさえいるのです。床は伸びた木の根で足の踏み場もなく、その根も生きているかのようにのた打ち回っています。
「成長しすぎちゃってるわ……」
「果物を採りに行けないねぇ」
「大変。それじゃあフルーツパフェが出せないわ」


「店自体に仕掛けがあるとすれば、あの機晶回路しかあるまい。だが、詳しくは分からなかった」
「再調査されるんですか?」
「……そうするつもりだが、何か?」
「実は、気がかりなことがあります」
 イーリーを見るラナの目が、少しだけ狭まりました。
「2年前にあの店が消えた後、跡地近くに鏖殺寺院の人間が潜伏していたことが判明しました。……彼らはあなたと同じことに目を付けたのかもしれません」


 やがてカフェ・マヨヒガの表に「お手伝い募集」の張り紙が出されました。


 そして、そんなカフェを物陰から見つめる不審な人影が――

 

担当マスターより

▼担当マスター

YAM

▼マスターコメント

 こんにちは、YAMです。
 2作目のシナリオです。よろしくお願いいたします。

 今回の舞台はツァンダ郊外、突然出現した『カフェ・マヨヒガ』です。
 好奇心で覗かれる方、お手伝いして下さる方、コーヒーでホッと一息したい方、どなた様も大歓迎です。
 ご来店、お待ちしております。

【カフェ・マヨヒガについて】
 7年ほど前から、大陸のどこかに突然現れて、また突然時空の狭間に消える、ということを繰り返してきた謎のカフェです。
 現れる場所、現れてからどのくらいの間営業するか、いつ消えてどのくらい立てばまたこの世界に現れるか、は誰にも分かりません。
 ※ただし、店には結界のようなものが働いているらしく、突然消滅する時になって中に客などがいた場合でも、その人たちはその場に置いて消えてしまうので、巻き込まれて時空の狭間に行ってしまうということはありません。

 店のメニューは、日本で昔からあった喫茶店のような品揃えです。
 ドリンクはコーヒー、紅茶、ジュース、ソーダ水など。デザートとしてショートケーキ、ホットケーキ、アイスクリーム、パフェ。軽食にサンドウィッチ、という感じです。
 一種のレトロ感が漂っています。
 コーヒーに使う豆、お茶の葉、果物類は店の地下の空間で自主生産して賄っています。
 ちなみに、アイスクリームも、店の地下にある機械で作る自家製です。

【店員】
 二人の機晶姫が店を切り盛りしています。

 香羽 鈴里(こうば・すずさと)……若い女性型。長い黒髪に茶色の瞳。ほっそりしてます。
 香羽 萱月(こうば・かやつき)……青年(♂)型で、髪は短いですが、それ以外は鈴里に瓜二つの外見です。

 今まで出現した場所では「双子の機晶姫」などと呼ばれていたようです。

 二人とも、性格は温和でのんびりとしていて、怒ったり、焦って取り乱したりすることがありません。
 いつもにこにこ。誰とでも笑顔でお喋りします。

 出現と消滅を繰り返す店の仕組みについては、彼らも全く知らないようです。
 しかし、知らないことを特に苦にしていない、という不可解な大らかさ(?)。
 イーリー・ガルフィスがその仕組みを調べていることについては、特に不愉快とは思っていません。彼に変な底意はなく研究的関心だけで訪ねてくることを理解していて、店の仕組みが不明であることを苦にしてはいないけど、明らかになるならそれはそれでいいことだ、と考えているようです。

【NPCについて】
 イーリーは、シャンバラ人の機晶回路技師で研究者、40代の男性です。
 ラナは彼の手伝いをするという形で一緒にやってきます。

【店の地下】
 異様な広さがあり、一種の異空間のようになっています。
 機晶回路が一帯に張り巡らされていて、その力で、店で使う茶葉や果物が育つプラントゾーンがあります。
 また、冷蔵庫や茶葉の乾燥機、アイスクリーム製造器といった業務用機械が置かれている一隅もあります。これらの機械も機晶回路の力で作動しています。
 何故か今回、回路が暴走しているのか、植物が異様に繁殖して動き出しているという異常現象が起きています。
 イーリーはこの機晶回路が店の出現・消滅に関わっているのではと睨んでいますが、機晶姫たちは、単なる作物や業務用機械のためのエネルギー源であると信じて疑っていないようです。

【鏖殺寺院の影】
 この店が時空の狭間とこの世界とを行き来する仕組みに目を付け、そこに隠された技術を手に入れようと目論んでいます。
 すでに今回の出現の情報も掴んでいます。
 恐らく、武装して乗り込んでくるであろうと予想されます。

【店のお手伝い】
1.地下で剪定&作物収穫:
 店の手伝いであると同時に、この回路を調べるイーリーの手助けでもあります。
 植物が繁茂しすぎていては、回路の全容を見ることもままなりません。
 一部狂暴化して人間にケンカを売ってくるかもしれませんが、それほど手強くはありません。腕に絡みついて動きを止めようとしたり、果実をぶつけたりしてくるくらいです。
 しかしそれらの植物を根絶やしにしてしまうと、店で提供する食料がなくなってしまうので注意してください。過剰に伸びた枝葉を斬り落として勢いを削ぎ、大人しくさせてください。
 作物を収穫したら鈴里に渡してあげてください(こっそりつまみ食い、も、この状況下ですのでちょっとくらいならバレませんが)。

2.街へ買い物:
 萱月が、料理に使うもので不足しているものを買いに、ツァンダの街へ出かけます。
 知らない土地なので、道案内をして一緒に買い物してくれる方を募集します。
 買いたいものは店の地下では賄えないもの。卵や乳製品、パンなどです。

3.店で接客
 萱月がいない間、鈴里が一人で店で接客をしなくてはなりません。
 今まで比較的僻地にばかり出現してきたカフェ・マヨヒガですが、今回は大都市の郊外ということで、さらに突然現れた店への興味から、彼女が今まで捌いたことのない人数の来客が予想されます。
 彼女にはドリンクやフードを作るという役目もありますし、接客を助けてもらえるとありがたいです。

【店で飲食すると…】
 この店で飲食をすると、何故かホッとして気持ちが緩み、普段は口にしないような「心の奥底の本音」が口をついて出るようです。
 機晶回路との関係は当然ながら明らかになってはいません。

 ※なので、「店で飲食する」というアクションをされる方は、どんな本音を呟くかも明記してください。

▼サンプルアクション

・地下でvs過剰成長植物

・鏖殺寺院を警戒し、警備する

・鈴里の手伝いをして店内の接客

・萱月の手伝いをして買い出しに付き合う

・普通に飲食を楽しみ、結果本音を漏らす。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年05月07日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年05月08日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年05月12日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年05月23日


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