波羅蜜多実業高等学校

「いいか？　――を爆破しなければならない」
「ああ。分かった。協力する」

　ここはツァンダの街。
　何やら物騒な話をしている片割れ、金髪をオールバックにした青年の名はジヴォート・ノスキーダ（じぼーと・のすきーだ）といい、大商人イキモ・ノスキーダの息子。とある事件で動物密売に関わったとして捕まったのですが、情状酌量の余地ありとつい先日釈放されたばかり。
　どうしてここにいるのかというと、

「さあて、はりきってお礼参りするか。大勢の人にいっぱい迷惑かけてしまったからな。少しでも恩返ししねぇと申し訳ねぇ……」

　たくさん迷惑かけてしまった人たちへの恩返しをしにやってきたのです。決して報復ということではありません。
　どうも言葉の意味を少し勘違いしているようです。
　そうして足を踏み出したジヴォートに、今目の前にいる男が話しかけてきたのです。フードを深くかぶっているので、正体は分かりません。
　男は大勢の人に役立つことがしたいなら自分に従えと言ってきたのです。

「そのリアじゅう？　とやらを爆破すれば世界の崩壊は免れるんだな？」
「ああ、そうだ。……それとこの話は誰にも内緒だ」
「なんでだ？」
「わざわざ知らせて怖がらせなくてもいいだろ？」
「なるほどなぁ（ところでりあじゅうってなんのことなんだ。……リア獣？）」
「（いざとなったらこいつに全部なすりつけて逃げてやる）」

　謎の男の言葉にまったく疑わず納得するジヴォート。さすが箱入り息子です！
　良く分からない展開ですが、何やら大変なことになってきました。


　＊　＊　＊　


　一方その頃。蒼空学園の元へ一本の電話がかかってきました。山葉　涼司（やまは・りょうじ）が電話に出ます。
『山葉さんですか？　イキモです』
「お久しぶりですね。今日はどうしたんですか？」
　電話はジヴォートの父親であるイキモからでした。
『それが……ジヴォートが皆さんへの恩返しをするのだと、屋敷を飛び出してしまいまして。もしかしてお邪魔しているのではと思ったのですが』
「ジヴォートが？　いえ、来たという報告はないですけど……ん？」
　否定しかけた涼司でしたが、窓からジヴォートらしき姿が見えました。隣にはフードをかぶったいかにも怪しい男がいます。

「知り合いか？　って、ジヴォートの知り合いなんてあまりいないはずだよな」
　涼司はなんだか嫌な予感がしてなりません。とりあえず電話の先で心配しているイキモを安心させることにしました。

「……ジヴォートを発見しました。後ほど彼と皆を連れて予定通りにお宅へお伺いさせてもらいますから、どうか安心してください」
『そうですか。ありがとうございます。はい、ではお待ちしてます』
　電話はそこで途切れました。
　実は今日。イキモが皆にお礼をしたいと『パーティ』を開いてくれるのです。

　なんでこんなハプニングばかり、とため息をつきながら事態をなんとかするために涼司は人を呼んだのでした。

　こんにちは、舞傘と申します。知らない方もそうでない方も、よろしくお願いします。

　さて。動物の密売騒動で契約者のみなさんに迷惑をかけてしまった、とジヴォートがみなさんに改めて謝罪や感謝の気持ちを伝えるべく学園にやってきました。
　ジヴォートは契約者全体に迷惑をかけたと思っているので、動物シリーズ（動物たちの裏事情、動物たちの守護者、動物たちの楽園）に参加したことのない方も歓迎です。
　動物シリーズを知らない方は、とにかく大勢に迷惑かけたんだな、と思っていただければ大丈夫です。

　大きく分けて、【ジヴォート】に対してアクションをかけるか、ジヴォートの父である【イキモ】にアクションをかけるか、になります。もちろん【その他】も歓迎です。
　なぜこんな時期にリア充爆破なのかというと、「無事に２人でゴール（出口）にたどり着いたら永遠に結ばれる」というジンクスのあるお化け屋敷があるからです。もちろん連日カップルが大勢押し寄せています。
　謎の男はそこのお化け屋敷へ集まって来るカップルを別れさせようとしており、ジヴォートは世界の危機だと思いこまされ、それを手伝います。
　ちなみにお化け屋敷はかなり本格的であり、広さもあります。

●ジヴォートを止める！●
　よくも悪くも素直な彼は謎の男の言うことを信じており、世界を「リア獣」が襲うと思い込んでいます。ちなみにリア獣は人に化けていると思っているようです。あれがそうだ、と言われた標的に疑うことなく爆弾（閃光弾や煙玉）を投げます。
　変に頑固なため説得は困難でしょう。力づくでもかまいません。しかし彼はほとんど一般人と変わらないので、手加減はしてあげてください。
　また謎の男は危なくなったらジヴォートに押し付けてすぐに逃げ出すつもりのようです。
　謎の男はジヴォート意外にも大勢の子分（非リア充）を従えています。
　リア獣爆破組の手から、カップルたちを守ってあげてください。

●ジヴォートのお礼参り（笑）に協力！●
　希望者には謎の男が顔を隠せるフードや仮面を貸し出してくれます。
　さあ、非リアたちよ！　世界を「リア獣」から救え！
　ということですので、思いっきりカップルたちを邪魔しましょう。お化け屋敷の中で邪魔するも、外で邪魔するも方法はご自由に。一緒にゴールできなくさせちゃいましょう。
　ジヴォートはリア獣爆破組の命令なら、ほぼ従ってくれます。「肩揉めや」「焼そばパン買ってこいや」などとパシることも可能。

●イキモのパーティを楽しむ！●
　ジヴォートの父、イキモもお礼のためのパーティを開くとのことです。
　参加者全員参加のパーティですが、こちらに主眼を置きたい方はパーティ関連のアクションをおかけください。
　さまざまな料理が並べられた立食形式のパーティです。ステージもついており、そこではイキモが呼んだアーティストたちが演奏を披露しています。ステージは飛び入り可能です。
　楽器演奏や歌。一発芸など、ご自由に。

＝＝＝ＮＰＣについて＝＝＝
　ＮＰＣは上記以外にも雅羅・サンダース三世、高円寺　海も出演可能です。関連するアクションがあれば登場します。

◆ジヴォート・ノスキーダ◆
　素直で優しい青年です。真面目ですがどこか抜けており、最後の最後で失敗することもしばしば。１０年間外に出たことがないため、かなり世間知らずで結構天然気味です。
　悪ぶりたい年頃らしく、髪形や服装はやや悪。ただ元々の人の良さがあふれて、悪そうには見えない。

◆イキモ・ノスキーダ◆
　動物保護活動をしている大商人で、ジヴォートの父。誰がどう見てもお人よしのおじさん。
　ジヴォートとは１０年間離れ離れになっており、再会できたものの、親子関係はまだどこかぎくしゃくしているようです。

・【ジヴォート】パシる！

・【ジヴォート】説得する！

・【イキモ】Let's　Party！

・【イキモ】ステージで演奏！