波羅蜜多実業高等学校

「お、こんなところでどうした？」

　ある晴れた冬の朝、蒼空学園の一通りの少ない廊下。
　キロス・コンモドゥス（きろす・こんもどぅす）が、真っ先にそれを見つけ話しかけたのでした。
　それは身長はだいたい９８センチくらい、ほっぺたもまるっこく。
　見た目はまだまだ幼い男の子の姿をしていました。

「……しろ」
「ん、なんだ？」
　小さく何かをつぶやき始めた男の子にキロスは耳を傾けます。

「リア充実爆発しろ！」
「うおうっ！？」

　突然の大声にふと、恐怖すら感じてしまったキロスは頬に汗をかきながら一歩下がりました。

「リア充爆発しろリア充爆発しろリア充バクハツシロリアジュウバクハツリアジュウバクハ――」
「な、なんだぁ！？　こいつは！」
　突然の【リア充爆発しろ】の連続コールにキロスは驚き、そして男の子の足下が溶けて液状になっていることに気がつきました。

「ホ、ホムンクルス。しかも……俺の煩悩を読んで、叫んでいるのか？」

　男の子の足下はスライムのように地面をずって歩き始めました。
「リア充爆発しろリア充爆発しろ――」
「つーか、その煩悩。オレ以外の奴が振りかざすのはなんか納得いかねぇ！！」
　キロスはうぉらあああっ。と握り拳を強く男の子に向けて振り下ろしました。が、

「なっ！？」
　さっきまでぼーっと歩いてるだけだった男の子はキロスとまったく同じポーズで、拳を振り上げてきました。
　拳と拳の相殺が綺麗に決まります。

「リアジュウバクハツリアジュウバクハツ」
「うっ……うおおおおおっ！？」
　途端、小規模な爆発がキロスと男の子の間に起きました。
　男の子は小さな爆発を、キロスとの間に発生させたのです。
　小規模でもその爆発はキロスに一時的に動けなくするくらいのダメージを十分与えることができました。

「バクハツバクハツバクハツ」
　男の子はそのまま奥へと去って行ってしまいました。

「ちっ、逃がしてしまったぜ……ん？」
　キロスは悔しそうにその姿を見送りながらもある異変に気がつきました。

「あいつ……背ぇのびてねぇか？」

　こんにちは。はじめましての方は初めまして。朱坂理樹と申します。
　今回も精一杯盛り上げていきますので、是非よろしくお願いいたします。

　さて、今回のシナリオではホムンクルスの男の子が暴走しております。
　暴走の根源となるものが皆様の【煩悩】です。
　このまま放っておけば、ホムンクルスが皆様から得た、煩悩と力をまき散らしながらパラミタ大陸を制覇するかもしれません。


■ホムンクルスについて

　皆様の煩悩を得て、巨大化していくホムンクルスです。
　おそらく、シナリオ開始よりビルの建物２階分くらいまで大きくなっていると予想されます。
　そんな大きな身体を駆使して、蒼空学園の校舎付近を破壊しながらも、暴走してまわります。

　ただ単純に暴走しているわけではありません。
　皆様の【煩悩】を回収・蓄積しながら成長していきます。
　しかも、やっかいなことにホムンクルス君、単純にやられてはくれません。
　回収・蓄積しているのは煩悩だけではなく【皆様の能力】も我が物とされてしまうようです。
　
　つまり、いくら攻撃を仕掛けても
皆様と同じ力をすべて持っている上に煩悩パワーを持っていますので、基本的に攻撃は効かず
カウンターを受ける事になります。

　が、弱点がしっかりございます。
　なんと【煩悩の欲を果たしてあげると弱体化】するようです！

　たとえば「使用済みパンツが欲しかった」という変態な煩悩を持ったＰＣの方がいらっしゃり。
　ホムンクルスが、そのPCの煩悩と力を蓄積した場合。
　煩悩の欲を叶えるために、誰でも良いので使用済みパンツをホムンクルスに渡します。
　それだけでホムンクルスは、その煩悩を持っていたPCの力を失い、事実上弱体化いたします。

　どうぞ、煩悩の欲を満たしてあげ、弱体化させ、ホムンクルスが倒せればと思います。



■アクションでの煩悩の記載について

　このシナリオでは各ＰＣがお持ちの煩悩を、アクションにて指定していただくことができます。
　記載の際は「【煩悩】お金がほしい！」などのように自由に記載していただければと思います。

　また、煩悩はマスターである私にお任せすることも可能です。
　お任せの場合は、私が各ＰＣのプロフィールデーターを拝見し、考えさせていただきます。
　

・煩悩を満たしてあげる

・ホムンクルスの被害を最小限に抑える

・ホムンクルスと闘う