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~ガルディア・アフター~ 石の魔物と首なし騎士の猛攻

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~ガルディア・アフター~ 石の魔物と首なし騎士の猛攻

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シナリオガイド

死を報せる者から少女を救え!
シナリオ名:~ガルディア・アフター~ 石の魔物と首なし騎士の猛攻 / 担当マスター: ウケッキ

 夜の闇に彩られた道を一人の青年が歩いています。腰には身の丈ほどもある細く長い太刀を差しています。森歩きは慣れたような足取りで、長すぎる太刀を草木に引っ掻ける様な事はないようです。
 彼はガルディア・ノーマッド(がるでぃあ・のーまっど)かつて古の遺跡に眠っていた人型古代兵器です。自身の迷いからしばらく剣を握れない状況下にありましたが、多くの人々に救われ、再び剣を握れる様になった彼は自分の元に届いた依頼を遂行しに来たのでした。
 月の光も届かぬ深い森の中を歩く彼は森の奥を見つめ、時折持っている紙片に目を落とします。ガルディアが手に持っている依頼書にはこう記されていました。

「魔物に囚われし、我が娘を救出してほしい。場所については文末に記載しておく。また、君の力を疑うわけではないが、同様の依頼を他の者にも複数送っている。現地に待機している我が私兵達共々協力して事に当たってほしい」

 彼は道なき道を行きながら考えます。どうしても、この依頼には不可思議な点が多いように思えるからです。
 紙片にはただ救出しろとしか書かれておらず、目的地の情報は場所のみ。敵勢力も不明。他の協力者についての情報も伏せられています。しかも差出人は領主ではなく、その側近であるストレガ・マッサーという人物から。

「用心深いとみるべきか。あるいは……」

 文末にはカナンの一都市の領主の名前が記載されていました。
 彼は歩きながらデータベースにリンク、検索を開始します。古代兵器である彼は検索や対象物のスキャン等はお手の物です。

「領主の名前はヴィペール・シーニュ。良識のある領主であったが、近年は民衆の前に姿を現さなくなったという。病床にあるという説が有力……これ以上の情報はここにないと判断、別の場所を検索する」

 道を塞ぐ細い木々や草を太刀で打ち払いながら検索を黙々と続けます。行動しながら検索もできるので共に行動する者がいたとしたら重宝することは確かでしょう。ただ、とある欠点を覗けばですが。

ルカ・シーニュファンクラブ会報。『ああ、麗しきルカ様よ。なぜ貴女様はそこまで美しいのだろう。お姿が見えなくなって数日、貴女様の安否を願うと私達の心は張り裂けそうなぐらい辛いのです。お怪我をしていないか、ご病気にかかっておられないか。心配で心配でいつもより多めに食事を食べてしまいます。かっこ。ええ、そうです。食欲が減退することなんてありませんとも。かっこ閉じ――――この情報は不要だな」

 つい検索をした事をそのまま読み上げてしまう癖があるのです。記載してある文章そのままに。
 情報がまだ普通の文章ならばよいのですが、料理のレシピから愛のポエムまで淡々と読み上げます。まるで、どこかの読み上げソフトの様に。

 そうこうしているうちに彼の眼下、崖の下に遺跡が見えました。外から見るだけでも内部の形状が入り組んでいるのが容易に想像できるような複雑な形をしています。
 ある部分は曲がりくねり、またある部分は大きく湾曲しています。芸術的とでも言えばいいのでしょうか。とても常人にはわからないセンスで建造されたことだけは事実のようです。
 ガルディアが周辺をスキャンします。遺跡の内部。周囲の森の中でこちらに向かっている動体反応。数人の塊でいるであろう救出部隊の場所。

「……予想以上に多くの者へ依頼を出したようだな」

 森の方を一瞥すると、彼は崖下に待機している救出部隊の一団を見つけその場から飛び降り様と――――しましたが後ろに気配を感じ、振り向き様に太刀を抜き放とうとしてその手を止められます。
 目の前に橙髪碧眼の少女が焦ったような表情で立っています。

「ちょっとちょっとっ! どこの誰だか知らないけど、早まるのはやめなさいよ。生きてればきっといいことあるからさっ……ね?」

 彼の肩に手をポンと置き、諭すように語りかける少女は聞いてもいないのに自己紹介を始めます。

「えと、私はベルネッサ・ローザフレック(べるねっさ・ろーざふれっく)。ベルって呼んでくれてい――ってあなた! 人の話を……っ!」

 ベルネッサ――ベルの自己紹介に一切聞く耳を持たずといった様子でガルディアは崖下へと飛び下ります。
 降下しながら、崖の壁に太刀を突き立て速度を調節しながら彼は颯爽と下りていきます。
 その様子をベルは唖然とした様子で見ていました。

「ここ……数十メートルはあるのよ? それを飛び下りていくなんて……何者なの? ってかそれよりも忠告してあげた人に対して何、あの態度! 少しは会話をしてもいいじゃないッ!! あー……もうっ……って苛々してる場合じゃないわね。そろそろ私も行かないと」

 しばらくガルディアの下りた先を眺めていたベルは、深く溜め息をついて背中の大きな銃『ベルネッサ』を背負い直すと崖下へと続く道を下りていきました。


〜崖下・集合地点〜


「アンタがガルディアさんかい? 領主様から聞いてるぜ、すごく腕の立つやつなんだってな……それに人間じゃないとか」

 やる気のなさそうな表情をした青年がガルディアに近づき話しかけてきます。彼はブリック・シャトー。服装は一応軽装の鎧を装着しているようですが、服の裾などはだらしなく伸びています。お世辞にもまじめそうには見えない人物でした。
 ガルディアは特に興味なさそうに彼へ視線を投げ、隊長はどこかと聞きますが彼はそれを答えようとしませんでした。

「そう煙たがるなよ。俺はアンタに期待してんだ、凄腕の剣士様なら……俺が楽できるかなーってよ。正直、任務にやる気なんざねぇ……それよか――」
「そこまでにしてよ、ブリック。すいませんガルディアさん、隊長のイディ・ヴァールです。何か任務の開始前に気になる事でも?」

 ブリックと対照的にイディは鎧も服装もきっちりとしており、真面目そうな人柄が見て取れます。

「そこまで気にしていない」

 そう告げるとガルディアは作戦の概要を訪ねます。敵の数は把握しているのか。どのような敵が予測されるのか。どの程度の装備で臨もうとしているのか。
 質問を受け、慌てる様子もなく冷静にイディは答えていきます。

「正確な敵の数は残念ながら把握できていません。ここは昔から魔物の巣窟となっており、今では近づく者さえ、ほとんどいません。中の魔物は相当な数になるでしょうね」
「近づかない? 盗掘者の類もか?」
「はい。それには理由があります。この遺跡には大量の石像が配置されており、そのほとんどが『ガーゴイル』です」
「そうそう、剣も魔法も通じにくいんだよーっ。ほんと困っちゃうよねー!」
「ちょっと、今作戦会議中だから! あっちでブリックと話していてくれないか?」
「なんでよーっ。あたしだって作戦に参加するんだからいてもいいじゃないっ!?」
「君がいると、話しがややこしくなるか、進まないんだよ。ブリック、お願い」
「へいへい。ほらー行くぞ、お嬢ちゃんよ」
「こぉらぁーー! 掴みあげるなっ離せぇーーー!」

 急に話し合いに乱入した小柄な少女、ラージュ・キャナルの首根っこをひょいっと掴みあげると、ブリックは去って行きます。
 ラージュをブリックに預け、ほっとした表情で彼は話しを続けました。

「すいません。彼女も仲間なのですが、作戦会議には不向きでして。」
「気にするな、続けてくれ」
「ありがとうございます。多数存在するガーゴイルも問題なのですが、最奥部には……『デュラハン』がいるようなのです」

 イディの話によると、ルカを攫った時の目撃証言が黒い鎧騎士。馬車。そして首なし。とのことでした。
 これだけ特徴が揃えばデュラハンでないと断定する事の方が難しいほどです。デュラハンは死を報せるモノと言われ、並の魔物とは比べ物にならないほどの強さを誇ります。

「相手にとって不足はない。俺は依頼を遂行するだけだ」
「頼もしいですね。他の方の到着を待っている間に紹介したい方がいたのですが、到着が遅れているらしく……」
「ごめんっ! 到着遅れちゃって。今作戦会議に……あーーーっ!! あなたはさっきの!」

 崖の上に続く道から現れたのは先程ガルディアが会った橙髪碧眼の少女、ベルでした。
 しばらく無言でガルディアは彼女を見つめます。

「な、何よ……」
「…………誰だ?」

 その一言にベルはわなわなと肩を震わせ、きっとガルディアを睨みつけます。

「そこは、そこは……覚えておきなさいよォぉーーーーッ!!」

 ガルディアの首に掴み掛り、がくがくと彼の頭を振るベル。そして思いだそうしているのか、抵抗せずになすがままのガルディア。
 これがガルディア、ベルネッサ。二人の初めての出会いでした。


 さて。
 ガルディア、ベルネッサ、イディ、ブリック、ラージュ。
 彼らと共に皆様はどのような物語を紡ぐのでしょうか。
 悲劇。幸せな未来。どういう結末を迎えるか。全ては皆様の行動次第です。


担当マスターより

▼担当マスター

ウケッキ

▼マスターコメント

 お初の人もそうでない人もこんにちわ。ウケッキです。
 今回はガルディアさんのNPC化を記念してのシナリオです。
 今後、彼が絡むシナリオが多めに出されていくと思われます。

 ガルディアの元に届いたルカ救出依頼ですが、
 皆様の所にもシーニュから同様のルカ救出依頼が届いています。

 詳細についてですが、
 遺跡には入口が一つしかありません。なので正面から突入する形になると思います。
 外観の形状からも予測されるように、内部もかなり入り組んだ地形となっていますので地図を見ながらでないと比較的簡単にはぐれ、迷ってしまうでしょう。
 さらに遺跡内部のいたるところには『ガーゴイル』が配置されており、孤立すればただではすまないと思われます。
 
 また盗掘者がほとんどいなかったことから、危険を冒して探索すればお宝の類はあるかもしれません。
 未知の危険性が潜んでいる可能性がありますので身の保証はできかねますが。

 最奥部に鎮座すると思われるデュラハンについてですが、
 ルカが攫われた際のデュラハンの襲撃を目撃した人物の話によると、強固な大盾を持ち、大きな大剣を軽々と振り回していたそうです。
 また魔法の類も使用するようです。

 それでは皆様の様々なアクションを楽しみにしています。

■登場人物詳細

ガルディア
:戦う事しか知らなかった古代兵器。
 基本的に自分から話しかけることはなく、無愛想に見えるが人との接し方を知らない為であり、本人に悪気はない。
 過去に守れなかった少女の影響からか、子供に対して優しく、
 頼みなどを断ることができない。(遊んでほしいとか、これ食べてー等)
 ある事件の後、とある人物の勧めで身元が教導団預かりとなり、
 定期メンテナンスを受ける代わりに危険な魔物の討伐、護衛等様々な依頼をこなしている。

ベルネッサ・ローザフレック
:通称“ベル”。
 地球の紛争地帯で傭兵団“血染めの胡狼”のリーダーを務めていたが、
 父親の形見である機晶石の秘密を探るためパラミタにやってきた。
 射撃の腕は抜群で、身の丈ほどもある銃を巧みに使いこなす。
 明るく頼りがいがあるが、危なっかしい一面も。

 現在、パラミタのことをもっとよく知る為に日々パラミタを冒険中。
 今回は偶然近くを通りかかったところ、シーニュに腕を見込まれてルカ救出作戦への参加を要請された。


イディ・ヴァール
:領主であるシーニュ家の警護団所属の青年。
 ヴィペールの娘であるルカと直接の面識はないが仕事中に眺める機会があり、憧れのようなイメージを抱いている。
 直情的であり、喜怒哀楽がはっきりしている。

「ルカ様……綺麗だなぁ。いやいや、仕事に集中しないと!」
「絶対に、諦めやしない! 俺が、俺達がッ!! 助け出すんだぁぁーーッ!!」


ブリック・シャトー
:領主であるシーニュ家の警護団所属の青年。
 あまり仕事に対してやる気がなく、基本的に楽をしようとする。

「ま、肩の力抜いてテキトーに行こうぜ? イディ君よ」
「おいおい、真面目な戦闘はあっちにでも期待してくれや」

ラージュ・キャナル
:領主であるシーニュ家の警護団所属の少女。
 やる気はあるが、実力がともなっておらずいつも空回りばかりである。

「いっくわよー! わっ!? うわわわわーッ! ――うう、腰打ったぁ……」
「練習量じゃ、誰にも負けないんだから!!」


ルカ・シーニュ
:領主ヴィペールの娘。お淑やかな少女であり、趣味は読書。
 身分の差を気にすることはなく、警護団員や民衆、使用人であろうとも気にせずに話しかける。
 その為、屋敷の人や町の人からの人気が高い。

「いいお天気。今日は、のんびりと本が読めそうですね」

領主 ヴィペール・シーニュ
:カナンのとある町の領主。
 ルカの父親。最近病気を理由に人前に姿を現さなくなり、娘であるルカでさえ扉越しにしか会話できないほど。

ストレガ・マッサー
:最近、ヴィペールの元に現れた女性。
 短期間で瞬く間に側近となり、姿を見せなくなったヴィペールの代わりに
 様々な仕事をこなしている。

デュラハン
:漆黒の鎧を纏った首なし騎士。

ガーゴイル
:石でできたガーゴイル。個体差はあるが大体は背中に翼のある悪魔のような姿をしている。
 手に持った武器や大きさも個体差がある。遺跡内に至る所に配置されている。

▼サンプルアクション

・攫われたルカを助ける!

・デュラハンがルカを攫った意味を知りたい。

・手つかずのお宝、イイモノに違いない!

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年12月24日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年12月25日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年12月29日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年01月09日


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