波羅蜜多実業高等学校

　相次ぐ機甲虫の襲撃。そして、白い機晶姫の出現。
　各学校は、これらの事件を無視するのは痛手だと判断しました。現在、大廃都周辺は各学校が送り込んだイコンにより厳重な警戒態勢が敷かれています。
（※こちらの経緯についてはマスターシナリオ「機甲虫、襲来」「アルト・ロニアの復興」「白い機晶姫と機甲虫」を参照ください）


「では、参ろうか」
　大廃都の周囲に広がる森林では、白い機晶姫ことサタディ・サタディ（さたでぃ・さたでぃ）が機甲虫に新たなる姿を与えていました。
　――機甲虫・イコン型。多数の機甲虫を合体させることで、彼ら（あるいは彼女ら）は契約者たちが使うイコンの形状を模したのです。
　サタディは純白のイコン型機甲虫に搭乗すると、配下たる４体のイコン型機甲虫と共に各学校が使用するイコンに挑みました。
　本来、司令官というものは後ろに下がって事に当たるものです。しかしサタディは、機甲虫の司令官であるにも関わらず、最前線に立って戦いに臨んでいます。
　サタディの姿勢は、これまでに人が築いてきた秩序に挑戦しているかのようでもありました。


　一方、大廃都にほど近い街アルト・ロニア。
　地下シェルターの入り口に立つヨルク・ヴェーネルトは、携帯電話を使ってあなたに連絡を寄越してきました。
「……ああ、またなんだ。すまない。頼む」
　最早日常的な行為に成り下がってしまった『救援のお願い』は、ヨルクに溜め息をつかせるに足るものでした。
　ヨルクの知人のカール・エンゲルマンは、割と脳天気に言いました。
「でも、良かったです！　これでアルト・ロニアはまた救われるんですね！」
「君はいいなぁ、単純そのもので」
「なんですとー！」
　抗議の声を上げるカールに肩を竦め、ヨルクは大廃都の方に視線をやりました。
　夜空は明るく燃え立っていました。サタディと各学校が擁するイコンとの戦いが、遂に始まったのです。
　ヨルクは目を瞑り、こう呟きました。
「……頼む。白い機晶姫を……サタディを、救ってやってくれ」


　――この事態を収拾できるかどうかは、あなたの手にかかっています。

　ヨルクの救援要請は契約者から契約者に伝わり、遂には学校に拘らず、かなりの数の契約者に連絡が行き渡りました。救援の依頼を受けたあなたは、サタディ率いるイコン型機甲虫の迎撃に向かうことになります。
　各学校の調査により、イコン型機甲虫についてはそれなりのことが判明しています。
　ただし、いずれの機体もイコン型であってイコンそのものではありません。イコンと同等の力を振るえるかどうかは、かなり怪しいと思った方が良さそうです。


――――イコン型機甲虫について――――　
　サタディは、純白のイコン型機甲虫に搭乗しています。
　周囲には４体のイコン型機甲虫が配置されており、サタディを護衛しているようです。
　現時点で判明しているのは、以下の通りです。


●棍棒を持つイコン型機甲虫（コードネーム：クラブナイト）
　人の形を模したイコン型機甲虫です。全高は２６メートルです。
　棍棒を武器として持っています。パワーが高いため、迂闊に接近すると危険です。
　正式名称は不明なため、クラブナイトという名称がコードネームとして採用されています。


●遠隔操作兵器を操るイコン型機甲虫（コードネーム：ダイヤナイト）
　人の形を模したイコン型機甲虫です。全高は２４メートルです。
　円形の遠隔操作兵器を操るようです。遠隔操作兵器からレーザーを照射できるとの情報があります。
　正式名称は不明なため、ダイヤナイトという名称がコードネームとして採用されています。


●杯のような形の武器を操るイコン型機甲虫（コードネーム：ハートナイト）
　人の形を模したイコン型機甲虫です。全高は２１メートルです。
　杯のような形の武器を使うようです。奇妙な形状の武器ではありますが、杯の内部にはエネルギーを刃状に固定する装置があるそうです。『エネルギーを刃として固定することで、一種の光剣として扱う』と見るのが妥当でしょう。
　正式名称は不明なため、ハートナイトという名称がコードネームとして採用されています。


●剣を持つイコン型機甲虫（コードネーム：スペードナイト）
　人の形を模したイコン型機甲虫です。全高は２２メートルです。
　剣を武器として持っています。スピードに優れているため、知らずの内に手傷を負わされる可能性があります。
　正式名称は不明なため、スペードナイトという名称がコードネームとして採用されています。


●純白のイコン型機甲虫（コードネーム：ホワイトクィーン）
　白い機晶姫ことサタディが搭乗する機体です。人の形を模したイコン型機甲虫で、全高は２０メートルです。
　武器は持っていませんが、防御手段は豊富なようです。
　正式名称は不明なため、ホワイトクィーンという名称がコードネームとして採用されています。



　以下は、アクションに関する補足となります。


１．イコン型機甲虫を迎撃する……
　サタディを護衛している４体のイコン型機甲虫を迎撃します。
　このパートの参加者が少ない場合、パート【２】に影響を及ぼします。

２．サタディを迎撃する……
　サタディが搭乗するホワイトクィーンのみを迎撃します。上手くやれば、サタディと会話ができるかもしれません。
　なお、パート【１】の参加者が少ない場合、このパートに影響が出ます。
（例……パート【１】参加者が少なすぎて１体のイコン型しか倒せなかった場合、パート【２】参加者は残り３体のイコン型とサタディを同時に相手しなければなりません）

３．ヨルクやカールと話をする……
　シナリオガイド時点で、ヨルクとカールを含む街の住民は地下シェルターに避難済みです。
　このパートに参加した方は、地下シェルターで生活しているヨルクやカールと話をすることができます。


※「パート【３】でヨルクと会話した後に機甲虫の迎撃に向かう」、「パート【１】でイコン型機甲虫を倒した後にサタディとも会話する」といったアクションはダブルアクションとなってしまうため、ご注意下さい。

・イコン型機甲虫を迎撃する

・サタディを迎撃する

・ヨルクやカールと話をする