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古代の竜と二角獣

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シナリオガイド

古代竜の望みを叶えよう。森に現れたバイコーンの問題を解決
シナリオ名:古代の竜と二角獣 / 担当マスター: 河上 誤停

 
「うぅ……瑛菜さん、アテナさん……私はもうダメです」
 ニルミナスの村。ウエルカムホームにあるミナホ・リリィ(みなほ・りりぃ)の部屋。その部屋の主は机に突っ伏して、やってきた熾月 瑛菜(しづき・えいな)アテナ・リネア(あてな・りねあ)にそんなことを言います。
「えーと……とりあえずリリィちゃんが落ち込んでる理由を聞けばいいのかな?」
「あたしとしてはこの残念村長見なかったことにして音楽学校作りに戻りたいんだけど」
 ニルミナスの村では現在音楽学校が作られており、その校舎の完成も間近でした。その忙しい時期に瑛菜とアテナは相談があるとミナホに呼び出されこうしてここにきていました。
「うぅぅ……お人よしの瑛菜さんにまで見捨てられるなんて……」
「なぁ、アテナ。これはあたし怒っていい場面?」
「リ、リリィちゃんの中じゃたぶんお人よしって褒め言葉なんだと思うよ」
「え? お人よしって褒め言葉じゃないんですか?」
 本気で不思議そうな様子でミナホはそう聞きます。
「……で? 相談ってなに?」
 怒るのも馬鹿らしいと瑛菜はため息をついてそう聞きます。
「私が今、アーデルハイトさん……じゃなくてアーデルハイト様に村長として相応しいかどうか見極めしてもらっているのは知っていますよね?」
「うん。それが音楽学校を承認するかどうかに関わってくるんだよね」
 ミナホの言葉にアテナがそう返します。
「期限明日なんですが、全然認められそうにありません……」
「えーっと……もともと期限は何日だったの?」
「一週間です」
「その間あんたは何をしていたわけ?」
「えーっと……音楽学校作りですね」
「いや……うん。まぁリリィちゃんが音楽学校作るのにこの一週間頑張ってたのは知ってるけどね」
 その努力は知っているとアテナは言います。
「けど、ぶっちゃけあんた、どうやったら認められるか分かんなくて逃避してただけだろ」
「そ、そういう面も無きにしも非ずですね」
「はぁ……あんた、そういうのにまた弱く……いや、相変わらず弱いな」
「実務能力だけならリリィちゃん文句なしなんだけどね」
 ため息をつくエイナ。フォローするアテナ。
「それで瑛菜さんアテナさん。何かいい案ありませんか?」
「ない」
 瑛菜は即答します。
「うーん……何か事件が起こってそれをミナホちゃんが解決するとか?」
「そんな都合よく――」

「――ミナホお姉さん。入ってもよろしいでしょうか?」
 トントンと扉をたたく音のあと、藤崎 穂波(ふじさき・ほなみ)の声が扉の向こうから聞こえてきます。
「穂波ちゃん? どうしたんですか?」
 許可のあと、入ってきた穂波にミナホは要件を聞きます。
「用件は二つです。一つは古代竜の望みをかなえる準備が整いました。明日古代竜の元へ行くことになると思います」
 古代竜の爪を求めた契約者の一団。見事その古代竜を見つけることができましたが、その爪を手に入れるために古代竜から出された条件をクリアするのは彼女たちだけでは難しく、村へと応援要請が来ていました。
「そうですか……穂波ちゃん、気をつけてくださいね。……それで、二つ目の用件と言うのは?」
「森でバイコーンが目撃されたようです。村民たちの間で不安が広がっています」
「? バイコーンというのは?」
 ミナホの質問。
「ユニコーンとは対を成すような存在です。不浄の象徴とされていますね」
「へぇー……そんな生き物もいるんですね」
 勉強になるとミナホは言います。
「(……自分より小さい子に教えられるってどうなのかな?)」
「(……本人が納得してるならいいんじゃない? 残念だけど)」
 瑛菜とアテナは二人そろってため息をつきます。
「……って、感心してる場合じゃないよリリィ。これチャンスじゃん」
「はい? チャンスって何の話ですか?」
「アーデルハイトに認められるって話。バイコーンの件を解決するのに村長として的確な行動できれば……」
 そこまで言って瑛菜は考え込みます。そして考えた結果一言。
「……できんの?」
「できますよ!……きっと……たぶん……おそらく……運がよければ」
「はぁ……リリィをリコールして別の村長上げたほうが話し早い気がしてきたけど……」
「瑛菜おねーちゃんが困ってる誰かを見捨てられるわけないもんね」

 そうして瑛菜とアテナはミナホがバイコーンの件を解決するのを手伝うことになったのでした。

 そして……
「ふーむ……立場上ミナホについていったほうがいいんじゃろうが……藤崎穂波……あの娘のことが気になるの」
 扉の外から密かに聞いていたアーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)は少し考え結論を出します。
「まぁミナホに関してはあとで話を聞くだけでよいじゃろう。人となりはもう分かっておるしな」

 アーデルハイトは穂波とともに古代竜の元へと行くことにしたのでした。





担当マスターより

▼担当マスター

河上 誤停

▼マスターコメント

初めての方ははじめまして、前回参加してくれた方はお久しぶりです。河上誤停です。
今回は問題発生シナリオになります。ですがいつもに比べたらそこまで切羽詰った状況ではありません。
力押しよりもアイディアが勝負になるシナリオになると思います。

■バイコーンについて
イルミンスールの森の南西部。かつてミナの森と呼ばれゴブリンやコボルトたちも住むその森でバイコーンの姿が目撃されました。
バイコーンは不浄の象徴とされ、見た目からして禍々しいので村人(特に若い女性を中心)に不安が広がってます。
この村人たちの不安を取り除くことがミナホの目的です。目的ですが本人一人じゃ確実に失敗するので契約者で補佐する形になります。

現在目撃されたバイコーンは一頭のみです。なんらかの目的をもって森へと訪れているようですが、その目的は分かっていません。

■アーデルハイトの試験について
アーデルハイトは現在、ミナホが村長として相応しいかどうかを見極めています。
今のところ可もなく不可もなくと言ったところです。
ミナホはバイコーンの件を解決することで試験に合格しようと思っていますが、ガイドにある通りアーデルハイトは見に来ません。
伝聞の形で最終的な判断を下すことになります。従ってバイコーンの件の解決は結果と過程どちらも重要になってきます。


■古代竜について
ニルミナスの北東部にある鍾乳洞。その奥には遺跡都市アルディリスがあります。その遺跡都市の更に奥で5000年以上前から生き続ける古代竜が発見されました。
古代竜を見つけた契約者たちはとある理由からその古代竜の爪を求めましたが、彼女たちだけでは爪を手に入れることが難しそうで、村へと応援を要請しています。
古代竜は以下の二つの条件を満たしたら自らの爪を譲ると言っています。

1.5000年ほどの間、何も食べていない空腹を美味しい料理で満たすこと
2.5000年ほどの間、狭いところであまり身動きできなかった運動不足を解消すること

■古代竜関係の注意点
1について
古代竜は雑食なので何でも食べます。ですが必要とする量が桁違いです。そして素材そのままとかも許してくれません。ちゃんと料理していることが前提です。
大量の食材を調理するアイディアが必要です。食材についてはパラミタで手に入れるのが容易なものであったら村側で用意します。

2について
古代竜の巨大さから遺跡都市へと行くことはなんとか可能ですが、鍾乳洞を抜けて外へと出ることは現状不可能です。
遺跡都市内でどうにかして運動不足を解消させるか、どうにかして古代竜を外へと出すか。そのどちらか(もしくは両方の)アイディアが必要です。


■その他
・ゴブリンやコボルトたちはバイコーンが何の為に森へときたのか知っています。
・バイコーンの角・古代竜の爪は今後のシナリオの行方を大きく左右します。
・過半数以上の賛成でミナホ・リリィをリコールすることは可能です。
・ノクターン音楽学校はガイド時点の明後日。アーデルハイトの試験結果が出たころに調度完成する予定です。完成祝いも今回のシナリオの結果はどうあれエピローグでされます。


▼サンプルアクション

・バイコーンの目的調査

・古代竜の食べ物を作る

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年03月01日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年03月02日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年03月06日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年03月18日


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