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シナリオガイド

蔵書と一緒に遺恨も整理?
シナリオ名:夢幻図書館のお仕事 / 担当マスター: YAM

 現世世界で失われた非生命体の「霊的存在」(生命体にとっての『魂』と同等のもの)が存在する異世界、【非実存の境(ひじつぞんのさかい)】
 現実の世界の人間には、夢で偶然に辿りつくことができるかできないか、の朧な世界です。
 ここに、アレクサンドリア夢幻図書館はあります。
 現世で失われた多くの古書禁書の霊的存在を蒐集し、「夢で訪れた人がここで得た情報を(無意識下にでも)知識として蓄えられる」ような夢の中の図書館にする――司書クラヴァート・ヘイズルケインのそのような理想のもと、まだまだ施設としては未完成のこの館の整備は、遅々とした歩みではありますが進められています。


 *******


「――さすがに蔵書が増えすぎて、一人では辛くなってきたので、人手を頼みたいのです」
「「もっと早く言ってくださいよ」」

 夢の中で夢幻図書館に来た杠 鷹勢(ゆずりは・たかせ)魔道書 パレット(まどうしょ・ぱれっと)は、クラヴァートの言葉を聞いて同時に返答しました。
「これだけの量でしょう。一人じゃ限界がくることは分かっていましたよ」
 図書館の地下にある、未整理の蔵書が詰め込まれ過ぎて先の見通したつかないようほどになった、薄暗い部屋を見ながら鷹勢は呟きました。
「量のこともあるのですが、ここの蔵書には、現世世界で人間たちに受けた仕打ちで心に傷を受けた者も多いですからね。
 【非実存の境】では、蔵書たちの感情は形になって表に現れます。
 私の修繕の手も受け付けず拒む者もいます。
 そういう子たちと付き合うには時間が必要ですけど、せめて破損の修繕だけはしてやりたいと思うのですが……難しいです」
「人手が必要なのは、蔵書の整理と修繕だけですか?」
「実は、そろそろ薬草園の造園にもかかろうと思うのです。
 一応、アレクサンドリア図書館が現世世界に存在した時からの一つの売りでもあった施設ですからね。
 ただ、私が薬草についての知識が乏しいためになかなか着手できずにいましたが」
「契約者の皆さんにも頼んでみますが、うちの魔道書も総動員で手伝いますよ。皆、クラヴァートの手伝いをしたがってますからね」
 パレットが笑顔で請け負います。
 彼の言葉通り、クラヴァートとは知らぬ仲でないイルミンスールの魔道書達は、すでにそれぞれ、夢を通って何度か夢幻図書館を訪れ、クラヴァートと旧交を温めてもいました。

 しかし、それが誰も知らぬ間に、とんでもない事態を招き寄せていたのです。


 *******


「『姐さん』と『揺籃』が!?」
 数日後、夢幻図書館でクラヴァートから話を聴いたパレットと鷹勢は驚きました。
 2日ほど前に、この図書館に来た魔道書仲間の『姐さん』『揺籃』館内で行方不明になっているというのです。
「私もうっかり失念していましたが……」
 クラヴァートは青ざめた顔で、その原因の推察を語り始めました。

 姐さん、実の書名『山羊髭夫人の茶会』は、その昔地球で魔術や錬金術が表立って流行し、またそのために異端弾圧の運動が激しかった時代に著された書で、内容はその頃に高名だった魔術師・錬金術師たちの奇異な噂話、下世話なゴシップ等を集め、よりエログロに滑稽に大袈裟に書き立てたものです。
 この書によって名誉を傷つけられたり、世間の笑い者になったり、最悪弾圧の中心だった当局に目をつけられたりした者も少なからずあり、そのために姐さんは、力ある魔術師たちを敵に回して本格的に抹消を図られたりもしたという話でした。
 そして、失われた書物を出来る限り集めたこの図書館の蔵書の中に、そういった姐さんの敵である魔術師たちの著書が入っていることは大いに考えられる話です。

「もし、そういった書に、著作者の敵意や怨恨が乗り移っていたら……もしくは、書が作者の敵意を受け継いでいたら……
 ここは書物の意思が形になる場所。
 何者かが、彼女に危害を加えようとしていると考えられます……」

 図書館の地下庫は未整理の蔵書で埋もれ、半ば迷宮と化している空間です。そこに姐さんたちもいるはずですが、地下庫は広く、蔵書は膨大で、また企みを持つ本があるならその企みをなす術も顕現している事が考えられ……
 簡単には見つかりそうもありません。

 姐さんと一緒に来たはずの揺籃(「匿典『暗黒の揺籃』」)は、姐さんと行動を共にしているから行方不明なのか、それとも彼自身いっとき終末思想に関する書物のカリスマ的な立場であったことが災いしているのか……定かではありません。

担当マスターより

▼担当マスター

YAM

▼マスターコメント

 こんにちは、YAMです。よろしくお願いします。
 以前のシナリオで登場したアレクサンドリア夢幻図書館での作業のお手伝い&行方不明の魔道書探しがメインのシナリオになります。
 当方の魔道書NPCたちも総出でわちゃわちゃする予定です。
 魔道書NPCの詳細はマスターページも参照してください。

 【非実存の境】は、現実世界の人間とは夢で繋がっている世界です。
 特に確実に繋がるの魔道書の夢だとされています。
 参加していただく皆様は、基本的にはイルミンスールの魔道書達の夢を利用して目的地に到達したというていで始めて頂きます。
 が、前のシナリオで「夢幻図書館に利用者登録をした」ことを示す称号をお持ちの方は、これを装備していると自力で到達したというていで始められます。
(前のシナリオに参加はしていないけれどパートナーが称号を持っているというLCさんなら、そのパートナーに先導されて到達したという格好になります)

 また、この称号を付けている方は、夢幻図書館の蔵書の信頼を得られやすくなります。


【薬草園の造園】
 庭の一角に様々な薬草を植えて庭園を造ります。
 主だった薬草は、このパートに参加する魔道書達が用意してきますが、PC様が各自判断で「こんなものも」と持参していただければ植えさせていただきます。
 このパートには『ネミ』、『キカミ』、『お嬢』、『リシ』が参加します。

【蔵書の整理・修繕】
 場所は館内1階の広間で、地下から蔵書を運んできての作業です。
 図書館司書の代表的なお仕事ですが、ここの書物は正確には霊的存在なので、普通の修繕以外に、ヒーリングスキルも有用です。
(人間に慣れなかったり反発したり心荒んだりしている蔵書の心を和ませる、という形で)
 このパートには『オッサン』、『騾馬』、『リピカ』、『爺さん』が参加します。
 また、クラヴァートも(展開によっては場所を移動することもありますが)基本的にはここにいます。整理して目録を作ろうとしています。

【姐さんと揺籃】
 クラヴァートの話では、2人は「蔵書に興味を持っていて、蔵書庫を見に行った」らしいということです。
 地下の未整理の蔵書庫のどこかにいると思われますが、姐さんを敵視している書物が力のある禁書だった場合、魔法的な手段を使い周囲から見えないようにしている隠れている可能性もあります。
 姐さんが狙われる理由は本文の通りですが、揺籃が姿を消している理由は分かりません。

 揺籃は、己の分身として「黒い獣」を出すことができます。
 この獣は揺籃が戦闘意志を持つ場合、敵意を持って向かってきた者の恐怖心を反映して「その者が最も恐れる者」の姿を取ります。
 が、彼に戦闘意志がなくこちらも危害を加える意志がない場合は、ただの大きな黒い四足の獣です。
 2人の失踪の謎を探る場合、この獣がどこかに潜んでいないか探すというのも手の一つでしょう。

 このパートには『ベスティ』、『ヴァニ』に加え、パレットと鷹勢(+お供の山犬・白颯)が参加します。


【その他】
 以前のシナリオに参加された方は覚えていらっしゃるかもしれませんが、この【非現実の境】の大地には、夢を見て辿りついた人の幻影がふらりと現れては消えます。
 そしてこの世界は、現実世界の時の流れと連携していません。
 つまり、現実世界ではもういない人の意識が、偶然ふらりと現れる可能性があります。
 もちろん、都合よく会えるという可能性は決して高くはないですし、会えたとしても向こうは夢の中なので意識の揺らぎですぐ消えてしまいますし、邂逅できたとしても長い時間ではありません。
 が……奇跡的なこともひょっとしたらあるかもしれません。

▼サンプルアクション

・薬草園の造園・整備

・蔵書の整理・修繕

・行方不明の魔道書を捜す

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年06月26日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年06月27日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年07月01日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年07月11日


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