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【カナン再生記】 砂蝕の大地に挑む勇者たち (第3回/全3回)

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【カナン再生記】 砂蝕の大地に挑む勇者たち (第3回/全3回)

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シナリオガイド

襲来する試練と仕組まれた罠 <民を愛し愛される領主「マルドゥーク」>
シナリオ名:【カナン再生記】 砂蝕の大地に挑む勇者たち (第3回/全3回) / 担当マスター: 古戝 正規

 ―――西カナン。再開拓地中央部。

 古代戦艦ルミナスヴァルキリーの甲板上から西カナン領主、マルドゥークは、
「聞け我が軍兵よ!! そして民よ!!」と高らかに雄声を投げました。
「我々はネルガルによって荒廃させられた大地の再生を試みた。カナンの地は必ず甦る、我々の手で女神イナンナの力を取り戻す、そう信じてきた、しかし!! ネルガルはまたしても全てを砂で埋め、そして奪っていった」
 イナンナの力を悪用した『降砂の力』。西カナンの広域へ民を放ち、コントラクターと共に大地の再生と開拓を行う、そうすることで局地降砂の被害を最小限に抑え、イナンナの力を蘇らせる事が出来ると踏んでの策でしたが、ネルガルは多座標に向けて一度に『降砂』を起こすという驚技でこれを粉砕したのでした。
 マルドゥークの読み違い、そして、ネルガルはおそらく封印した女神イナンナの身体に残った力を絞り出して使ったことが考えられます。もはやネルガルを倒さずしてカナンの復興はないことは誰の目にも明らかでした。
「これ以上、奴の横暴を許すわけにはいかない! 兵力も整いつつある!! 今こそ決起の時である!!!」
 現在の軍兵は500人強、各地に散っていた民も集まりつつある。今ならば軍をあげて兵を起こせる。
「ここに帰還したアイアルと勇敢なる我が軍兵の活躍により、我々は遂に! ドラセナ砦の奪還に成功した!!!」
 地響きにも似た歓声が沸き、アイアルはこれに片手を振って応えました。
「道は開かれた!! 今こそ、我が城を取り戻す時である!!!」
 割れんばかりの歓声は兵士からも、また民からも上がっています。居城奪還への士気は一致のもとに高まってるようです。
「マウロ、留守は任せたぞ」
「はい、お任せください」
 マルドゥークが部下の一人マウロが力強く応えました。マルドゥークはそれに頷いて答えると、イナンナへと向き直りて、
「女神イナンナも、どうかお気をつけて」
「うん。大丈夫、必ず手に入れてくるわ」
 マルドゥークの居城奪還、そしてその次に狙うは神聖都キシュへの進軍。
 キシュに攻め入れば、ネルガルは代々の神官長に伝わるイコンエンキドゥを使ってくることが予想されます。エンキドゥに対抗する手段の一つとして、ギルガメッシュを手に入れるべく、彼女は『試練の塔』の攻略を目指すといいます。
「やはり誰か、我が軍の者を帯同させた方が……」
「ううん、試練の事を考えると人数は少ない方が良いわ。それに―――」
 そう言ってこの国の女神はシャンバラの生徒たちへと瞳を向けました。
「みんながついて来てくれるから」
 未だ幼き姿のままの女神でしたが、彼女の大きな瞳には強い決意が滲み輝いていました。
 生徒たちに向けられた淡い笑みには、信頼と期待が込められているようでした。

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 ―――松毬の森、上空。

「って! ちょっと!! 聞いてる?!!」
 竜の背に乗るジバルラへ呼びかけるはフリューネ・ロスヴァイセ(ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ)でした。彼女は『ペガサス』エネフに跨りて竜の後を追い駆けていました。
「マルドゥークが兵を挙げるの! 居城に向けて進軍するの!! あなたも行くべきなんじゃないのって言ってるのよ!!!」
「うるせぇな! 聞こえてるっつんだよ!!」
「聞こえてるなら止まりなさいよ!! っていうか降りなさいよ!!」
「ごちゃごちゃうるせぇな、俺は行かねぇって言ってんだろ!!」
「どうしてよ!! ネルガル軍と戦うために新しい相棒を見つけたんでしょ! 今がその時じゃない!!」
「うるせぇ―――ってコラ! 踵を踏んだら旋回だって言ってんだろうが!!」
 彼を乗せたまま竜は太陽へ向けて急上昇していました。それは彼の命令に反したものだったようです。どうにか彼を『背に乗せて飛ぶ』までは躾たようですが、共に戦うというレベルにはまだまだ程遠いようです。
「タイミングを計ったかのような降砂に、集まる兵力、そして居城奪還ねぇ……」
 竜の首に巻かれた鞭を強く引き寄せて、彼はボソリと、
踊らされてなきゃ良いがな
「えっ? 何か言った?」
「何でもねぇよ」
 と呟き、再びに竜の躾を再開させたのでした。

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 ――神聖都キシュ、漆黒の神殿内。

「そうか! 動いたか!!」
 神官の報告を聞いたネルガルは王座から身を乗り出して声を跳ね踊らせました。
「ふっふっふっ、はぁーはっはっは!! そうか動いたか! 焦ったなマルドゥーク!!!」
 報告内容は西カナン南部の居城を目指し、マルドゥークが進軍を開始した、というものでした。それをネルガルは聞き喜んだのです。
「そこにマルドゥークは居るのですか?」
「アバドンか」
 ネルガルに付き従う女神官アバドン。彼女は優しげな笑みを浮かべながらにネルガルの元へと歩み寄っていました。
 彼女の問いにネルガルは「当然だ」と一蹴して応えました。
「自分の城を取り戻す戦いだ、来ない訳がない、アイツはそういう男だ」
「ずいぶんと、楽しそうですわね?」
「無駄口を……。そんな暇があれば今すぐに城へ向かえ」
「急がなくとも敵軍が到着するには、まだ時間がありますでしょう?」
 悠長に応えるアバドンネルガルは「主は居城より進軍して奴らを迎え討て、儂はこの地より軍を率いて出る」と笑み明かしました。
「挟み討つ、という訳ですか」
「ようやくマルドゥークが出てきたのだ、ここで奴を殺す。大地が砂に埋もれるのを目の当たりにした上に希望であるマルドゥークを失ったとあれば。ふっ、ふっふふふふふ、これでようやく西カナンの制圧は完了する」
 やはり楽しそうですわ、と思いながらも彼女はそれを口にはしませんでした。代わりに、
「無理に力を使った甲斐がありましたね」
 と言った所で「さっさと行かぬか」と突き放されてしまったようです。
 ドラセナ砦の陥落はネルガルにとっては誤算でした。しかし結果的にはそれすらもイナンナの力を使った多局地点降砂によって起こした心理誘導の加点となっていたのでした。
 決戦の地はドラセナ砦から居城へと向かう道程。マルドゥーク軍がネルガルの圧倒的兵力に挟み討たれるのは必至と相成るようでした。

担当マスターより

▼担当マスター

古戝 正規

▼マスターコメント

 おはようございます。ゲームマスターの古戝正規です。

 『【カナン再生記】 砂蝕の大地に挑む勇者たち』の第3回です。
 今回のシナリオでは「朝緋あきらマスター」のシナリオに登場した『マウロ』や「 野田内 廻マスター」のシナリオに登場した『アイアル』などが登場します。私のシナリオだけでなく両マスターのシナリオや【カナン再生記】シリーズをお読み頂く事でより楽しめるものになると思います。
 どうぞ最後までお付き合い頂ければ幸いです。


 ガイドの補足をさせて頂きます。

 イナンナが向かう『試練の塔』は60階建てとなっており、その最上階にはイコン・ギルガメッシュが眠っていると言われています。
 各階は一見すれば庭園のように見えますが、並ぶ土壁や樹壁の配置は迷路のように複雑に入り組んでいます。
 その構造が精神的に登頂者を惑わし、60階という階数は登頂者の体力を容赦なく削ることでしょう。
 ちなみに『小型飛空艇』やら『レッサーワイバーン』やらで塔外から最上階まで昇り、壁を壊して侵入するなどと言った方法はお勧めしません。最上階には『ギルガメッシュ』が眠っているという言い伝えの他に『塔の入口から入りて塔を登り、見事試練を乗り越えた者にのみ『ギルガメッシュ』は姿を現す』という言い伝えも残っているからです。
 また『登頂者にふりかかる試練の内容』は以下の通りです。

  1)今までのシナリオで倒してきた敵との戦闘
  2)見知ったNPC(マルドゥークやフリューネ)との戦闘
  3)自分の大切な人との戦闘

 アクションには上記の中から一つを選択し、『心情』『葛藤』『手段』『勝敗』などを記載いただければと思います。
 また、私の過去のシナリオに登場したNPCや場面であれば描写は可能ですが、他マスターのシナリオに登場するNPCなどを相手に選ぶ際には適切な描写が出来ない可能性もございます事をご了承いただけると幸いです。
 どの階層の、どのタイミングで試練が襲い来るかはランダムですが、試練が始まればその者は突然に気を失い倒れ込みます。 
 そして戦いに敗れた場合48時間は目を覚まさず、例え登頂を再開した場合にも再び試練に襲われると言われていますが、本シナリオでは基本的には日を跨がない予定ですので、戦いに敗れた時点でリタイアだと思っていただければと思います。
 試練を乗り越えた者には以降試練が襲い来る事はありません。あとはただ最上階を目指すのみです。思うがまま進めであります。


 次にネルガルの進軍およびアバドンの操る兵力についてです。
 ネルガルは神聖都キシュから兵を『吊浮箱』に詰めて運びます。一つの箱には100名の神官戦士が収容され、それを10体の『ワイバーン』が吊り上げて運びます。今回はこれを8つほど用意して進軍します。

 マルドゥークの居城は現在、女神官アバドンの支配下にあります。居城内には20名ほどの神官兵が在中、他に神官戦士が100名ほど在中しているようです。
 神官兵は主に居城内および敷地内の警備を担当していますが、攻め入る敵など居ませんので居城内でギャンブルや酒を呑んで過ごしています。今回、生徒たちが居城内に侵入し戦いになった時には居城を盾に戦いを優位に進めようと脅すといった事はしてくると考えられます。
 神官戦士たちは主に居城外部の警備を担当しています。一人一人が『砂鯱』や『サンドドルフィン』に乗り操り、装した『ハルバード』で襲い来ます。アバドンは彼らの事を『泳砂部隊』と呼び、絶対の信頼を寄せています。
 居城外部では現在もマルドゥークの部下である『メルカルト』が30名程の部下と共に居城への侵入を試みていますが、これら『泳砂部隊』に阻まれ続けているという状況です。
 また今回ネルガルより『居城からの進軍』を命じられたアバドンは90名の『泳砂部隊』を引きつれてマルドゥーク軍を迎え討つようです。


 マルドゥーク軍は基本的に『パラミタホース』などにより陸走進軍を行います。ドラセナ砦から居城に向かう兵も同様だとお考え下さい。
 ドラセナ砦の現兵力は400名強、そこから300名がマルドゥーク軍に加わる予定となっています。ただし一般兵の戦闘能力は、神官戦士とはどうにか一対一で戦えるようですが、『砂鯱』や『ワイバーン』などとは5〜10名がかりでようやく戦えるといった所です。兵力・勢力攻勢判断の一要素としていただければと思います。


 最後に『カナン再生記』開拓スレッドにて展開中の開拓企画ですが、完成した施設や建物についての詳細をリアクションに反映させる事はできません。ご了承下さい。

 激戦が予想されますが、勝敗の行方は皆さまのアクション次第であります。
 個性的なアクションを是非とも積極熱烈歓迎致します。
 みなさんと一緒に【カナン再生記】の物語を紡いでゆきましょう。

▼サンプルアクション

・居城に侵入する

・試練の塔を登る

・ジバルラを説得する

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年03月26日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年03月27日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年03月31日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年04月24日


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