波羅蜜多実業高等学校

世間がクリスマスのムードで浮かれているなか、小倉珠代（おぐら・たまよ）は違う意味で興奮していました。


「祭りなのよ、祭り。『ユールの祝祭日』！
　弱っていた古き神々が、生贄によって新しい力を得る日なの！」

ユールの日というのは冬至のころに行われたゲルマン系の祭りです。
冬至を期に昼が長くなっていくため、『弱ってきた太陽が再生する』として祝ったのがユールの祭りであり、クリスマスの前身なのです。

「この祭りの日なら、英霊に本来の力を発揮させることができるはず！」

パラミタの英霊の多くは、かつての力を失った状態にあります。
珠代はユールの日のもつ『再生の呪力』を用いて、英霊たちに本来の力を蘇らせた上で、
その英霊同士の死闘を自分の目で見たいと思っていたのです。

珠代はさほど歴史に興味はありません。
しかし英霊という

『歴史にその名を刻み、人類に影響を及ぼすほどの命と魂』

がぶつかり合うさまを見る機会だと思うと、体中の血液が沸騰するほどの興奮を覚えずにはいられないのでした。


珠代は鼻歌交じりに手紙を書き、それを封筒に入れて、わざわざ封蝋で封をしました。
そうやって何十通、あるいは百通以上もの手紙を仕上げると、郵便局にもっていったのです。

それはシャンバラの主だった英霊たちに向けられた挑戦状でした。


　　　　　●　●　●

歴史が伝える所が事実であるならば、軍を滅ぼし、国を興し、あるいは天地鳴動させてきた英霊諸君。
その力が事実であったというのであれば、この機会に証明されたし。
世界各国、古今東西の英霊が一堂に会するこの舞台で、その力を存分に奮われるとよい。
勝者にはそれに見合う栄誉が与えられよう。
居合わせたすべての英霊が証人である。
空京、シャンバラ宮殿にて諸君を待つ。

　　　　　●　●　●


相手によって異なるものの、おおよそそういう内容の手紙でありました。

この手紙を見て、シャンバラ各地の英霊が集結を始めました。
教導団の関羽・雲長（かんう・うんちょう）までもが愛馬である赤兎馬の支度をさせたとの報が流れたほどです。

「英霊として現世に戻り久しいが、我が青龍偃月刀に相応しい好敵手といえば、
　ドージェ・カイラスの他にこれといっていなかった。
　しばしヒラニプラを離れるぞ」

関羽はそう言い残し、赤兎馬を駆って空京に向かいました。


珠代の計画は存外うまく行っていましたが、ひとつ想定外のことがありました。
珠代のパートナー、ペルシャ王　ダレイオス１世（ぺるしゃおう・だれいおすいっせい）もまた英霊であり、ダレイオスは意外なほど乗り気だったということです……

英霊同士の対決をメインとするシナリオです。しかし「俺は歴史に名を刻む！」という英霊以外の種族でも参加可能です。
シナリオガイドにもあるとおり、このシナリオでは英霊が普段よりもパワーアップしています。せっかくの機会ですので、

「俺は英霊クセルクセスなので部下１００万人で攻撃する（テルモピュライの戦い）」

などの破天荒なアクションをかけてみてください。


戦いは基本的に１対１のトーナメント形式で行います。組み合わせはランダムで決めますが、「この英霊と戦いたい！」などとアクションに記入してある場合は考慮いたします。
また特定英霊との対戦希望者が多かった場合には、３人以上で戦うこともあります。

戦いに参加できるのは１アカウントにつき１キャラクターのみです。英霊以外のＬＣを追加しても構いませんが、観戦程度のことしかできません。

戦闘に参加するキャラクターは、アクションの最初に、○×△の３種類の記号を、好きな組み合わせで３つ記入してください。

例：◯◯◯、○××、△○×など

この記号はじゃんけんのグー、チョキ、パーのようなもので、この組み合わせで勝敗を決します。
たとえば○がグー、×がチョキ、△がパーだった場合に、英霊１（○×△）が英霊２（△××）と対戦したら、英霊１は負け、引き分け、負けとなり、２敗１引き分けで勝負に負けます。

さらに、英霊の必殺技もカウントされます。


●特殊ルール『英霊の晴れ舞台』

このシナリオでは英霊のキャラクターのみ、その英霊のエピソードに基づく必殺技を決め、アクションに書くことができます。
普通のシナリオではまず認められないような行為であっても、それらしいエピソードがあればこのシナリオに限り許可します。
ただし来歴が不明な英霊の場合には、このルールを用いることはできません。
またその英霊とまったく関係ないエピソードの場合、無効とします。


必殺技の例：
英霊　源義経「生存戦術」：倒されても英霊チンギス・ハーンとなって復活する。
英霊　マゼラン「世界一周航海」：パラミタを一周して敵の背後を取る。
英霊　ダイダロス「ダイダロス攻撃」：イコン（青銅巨人タロス）で攻撃する


英霊の必殺が有効そうである場合、あるいはマスターが驚いたり感心した場合には、その英霊に（○×△勝負での勝敗に）１〜２勝を加えます。

適切なクラスだったり、アイテムやスキルを装備している場合には有利な要素として勘案しますが、そうでなくても必殺技は使って構いません。


なお、知名度の低い英霊の場合はエピソードを調べるのが難しいことがありますので、できるかぎり具体的にお書き下さい。
インターネットで検索しても見当たらない場合、無効とすることがあります。予め御了承ください。

必殺技は最大３つまで記入できますが、一回の戦いではひとつしか使いません。



またイコン使用可となっていますが、これは「もともとは艦隊を率いていたが、代わりに大型飛空艇をもってきた！」などという雰囲気作りのためにご利用ください。
イコンを使えば有利になるというものではありません。


ＮＰＣからは以下の英霊が参戦する予定ですが、人数調整で増減の可能性があります。

・関羽雲長
・ペルシャ王　ダレイオス１世
・董卓　仲穎
・アルバ・フレスカ
・アキレウス・プティーア


優勝者には「シャンバラ最強の英霊」の称号をお送りします（英霊以外が優勝した場合はなにか別の称号となります）。


それでは皆さんの参加をお待ちしております。

・戦いで優勝する

・戦いで優勝する

・１回やってみたかったんで……