シナリオガイド
邪竜アスター目覚める! 幻の〈黄金の都〉とは……!?
シナリオ名:幻夢の都(第1回/全2回) / 担当マスター:
夜光ヤナギ
かつて魔獣ガオルヴとしてツァンダの森を恐怖に陥れていた男は、いまや一人の獣人となり放浪の旅へと出ていました。
その名はガウル・シアード(がうる・しあーど)。
金髪の間から覗くのは焦げ茶の狼の耳であり、背中には大剣を一本担いでいます。
それは彼がかつて魔獣となる際に袂を分かった親友が残した形見の品でした。
これまではその親友の孫が担いでいたものですが、彼女から受け渡されたいま、大剣はガウルとともにあります。
それを武器として使う気はありませんでしたが、親友とともに少しでも旅が出来れば……世界を一緒に見られればと彼は思っていたのでした。
同時に、自分が何者であるのかを彼は疑問に思わざる得ませんでした。
旅はそのためのものでもあります。これまでの自分の過去を清算するかのように、ガウルは必死でただ当てもない旅を続けていたのでした。
そして、そんなある日のこと――
彼が訪れたのは、ヒラニプラ南の平原にある静かな町でした。
それだけならなんら他と変わりはないでしょう。
見た目は平凡な町です。むしろ、少しは賑わっているといって良いぐらいの規模がある町でした。
ですが――町には誰もいなかったのです。
「どういうことだ……?」
不気味なくらいに、人っ子ひとり見当たりません。
宿屋らしき場所を覗いても、カウンターも部屋ももぬけの殻。
民家に入っても、それまで誰かが生活していた跡はあるのに、誰一人姿を見ません。
武器屋に入っても同じ。装備品だけはやけに揃っているのに、やっぱりカウンターには誰もいないのでした。
おかしい……
ガウルはそう思いました。
打ち捨てられた町? いや、そんなものではありません。つい先ほどまで誰かがいた。そう感じざる得ないほど、町には生活感だけは残されているのです。
と、その時でした。
女の子の泣き声が聞こえたのは。
ガウルは急いでその場所に向かいました。
民家を何軒か過ぎて、一軒の家に入ります。玄関もリビングも誰もおらず、二階に上がります。泣き声は近いです。いくつか部屋を見て回り、そしてようやく、子供部屋らしき部屋に入りました。そこも一見すると誰もいませんでしたが、かすかな泣き声は……
ガウルはバッとクローゼットを開けました。
すると、そこにいたのは一人の少女でした。
「…………お、おじちゃん……誰……?」
「私はおじちゃんじゃない。それより、君は?」
「わたし、ユフィ……」
「ユフィはどうしてここに一人でいるんだい?」
「みんな……いなくなっちゃったの……幻の町に……行っちゃったの……」
「幻の町?」
くすんくすんと泣きながら、少女はガウルに言いました。
ある日、町の空に不思議な竜の姿が見えたのだそうです。その竜は自らをアスターと名乗り、彼らを〈黄金の都〉に招待すると言ったのだとか。
それからは徐々に、でした。まるでどこかに誘われていくように、町の人々は少しずつふらふらと町の外へ消えていったのです。彼らは口々に“黄金の都”という名を口にしていたという話でした。
向かった先は、町からほど近い場所にある小高い山の洞窟です。少女が語るには、そこからは誰も戻ってこないという話でした。
(アスター……)
ガウルは記憶を探りました。
聞いたことがあります。確か幻と夢の力を操ることが出来ると言われている邪悪な竜です。いくつかの文献にも邪竜アスターという呼び名で記されていました。本当にいるのかどうかも定かではなく、いまは眠りについているという話でしたが――まさか、本物だったとは。
「おかあさんも……おとうさんも……か、かえってこないよ……」
少女は心細さから涙が止まらないようでした。
そんな彼女の肩に、ガウルはそっと手を置きました。
「大丈夫だ。私に任せてくれ」
「おじちゃん……に……」
「こういうときに心強い連中も知ってる。必ず……君のお父さんお母さんも連れ戻してみせるさ」
ガウルの力強い声が嘘ではないと少女に伝わったのでしょうか。
彼女は涙を止めて、ゆっくりとうなずきました。
まずは仲間を募るか――。
ガウルは心の中で、頼りにしている仲間たちのことを思い出しました。
邪竜アスターに囚われた町の人々を助けるために、ガウルが動き出します。ぜひ、皆さんの力を彼に貸してあげて下さい。
担当マスターより
▼担当マスター
夜光ヤナギ
▼マスターコメント
初めましての方は初めまして。
そうでない方はお世話になっております。
蒸し暑くなってきた毎日に夏を感じるMS、夜光ヤナギです。
【内容補足】
今回のシナリオは、獣人シリーズ第7弾となります。
しかしシナリオそのものは単独でリリースしているものです。
初心者の方もそうでない方も、お気軽にご参加くださいませ。
リーズ編に引き続き、獣人シリーズ(ガウル編)は今作で完結を予定しております(あくまで予定ですが)。
もしかしたらガウルも誰かと契約をするかもしれません。
ご了承くださいませ。
●邪竜アスター
文献に名を残す邪悪な竜です。
並の竜より強大な力を持っていると言われていますが、特に特徴的なのは夢や幻の力を操ることが出来るとされているところです。
故人の研究文献によると精神魔法の類だと分析されていますが、その本当の性質はいまのところ分かっておりません。
ミストドラゴンの“まやかしの霧”とも似ているため、実はミストドラゴンが変質したドラゴンなのではないか、という見解もあるようです。
ただいずれにせよどれも共通しているのは、夢や幻を操って他者にまやかしを見せるということ。そしてそれを利用して獲物を狩ったり、あるいは他者のエネルギーを吸い取って自らの力に変えるということです。
人間だけではなく他のどの種族に対しても敵対心を持つ、粗暴なドラゴンとされています。
●黄金の都
邪竜アスターの伝承に欠かせない伝説が〈黄金の都〉伝説です。
アスターは古来から、旧来の動物種が巣を作る代わりに、夢や幻で自らの町を生み出すとされています。その中でも〈黄金の都〉は最たるものです。文献によると、〈黄金の都〉は金銀財宝で出来たその名の通りの町であり、アスターの術にかかった人々は欲望に負けて誘惑されたままその都で一生を終えるとされています。徐々に衰弱していきながら、アスターのエネルギーとなるのです。
また、〈黄金の都〉は人に望む望まずに限らず数々の夢を見せると言われています。それは欲望の夢であったり、悲恋の夢であったり……心の中に抱えるものを浮き彫りにするまやかしなのです。
他者を惑わすまやかしの町。それこそが〈黄金の都〉の正体だ。
故人はそう語り継いでいます。
なお、黄金の都には不思議なモンスターも存在しているという話です。
金貨の形をした虫の金貨虫や、黄金の骨で出来たボーンナイト。
金銀財宝の中に隠れていることが多いため、どこに潜んでいるか分からないとされています。
●NPCについて
【ガウル・シアード】(獣人)
かつては魔獣ガオルヴとしてツァンダ東の森を恐怖に陥れていた。しかし、親友でもあり戦友であった男によって封印され、さらに復活を遂げたときにはその血を受け継ぐ少女によって討ち倒される。
魔獣の邪気から逃れ、一人の獣人として生きることを許されるが、自分が生きる意味と戦う意味を求めて放浪の旅に出る。
背中に担ぐ大剣は、親友の血を受け継ぐ少女より譲り受けた、親友の忘れ形見である。
※以上はアクションを考える上での参考情報です。あくまで参考となるものなので、必ずしもMCやLC自体がそれを知っている前提でなければならない、ということはありませんのでご安心下さい。(もちろん、周知を前提にされても結構です)
▼サンプルアクション
・ガウルの仲間として〈黄金の都〉に乗り込む
・町の人々と一緒に〈黄金の都〉に囚われていたため、脱出を図る
・〈黄金の都〉の噂を聞きつけて、お宝探しに来た
・名声を求め、邪竜アスター退治
▼予約受付締切日
(既に締切を迎えました)
2012年09月15日10:30まで
▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)
2012年09月16日10:30まで
▼アクション締切日(既に締切を迎えました)
2012年09月20日10:30まで
▼リアクション公開予定日(現在公開中です)
2012年10月12日