波羅蜜多実業高等学校

「いっちねんせーになったーらー♪」
「……なに、その歌」
「このあいダ、教えてモラったの」
　嬉しそうにノートを揃えるカルマ・タシガン（かるま・たしがん）に、レモ・タシガン（れも・たしがん）は微苦笑をこぼしました。
　一応、カルマも薔薇の学舎の生徒という扱いではありましたが、まだ人間のカタチに慣れることが先決で、きちんと生徒として学ぶのはこの春からです。
　レモはというと、突然の飛び級です。もっとも、薔薇の学舎の場合、きっちり小学校・中学校にわかれているというよりも、本人の資質によって学べるようにはなっているので、問題はないといえばないのですが。
　それよりも、心のどこかで、これからの人生について、より深くレモは考えるようになっていました。
　今までずっと、過去や自分自身と向き合うばかりだった自覚はあります。
　タシガンのために生きていく、ということは決めたものの、その具体的な案については未だ茫洋としたままです。
「……なにがしたいか。なにを、すべきか。それから……なにが、できるのか」
　その三つは近いようで、全てバラバラなものなのです。
　焦ることはない、とルドルフ・メンデルスゾーン（るどるふ・めんでるすぞーん）は言ってくれます。
（ジェイダス様にも、ご相談したい気はするけど。お忙しいだろうしなぁ）
　ようやくタシガンに戻って来たジェイダス・観世院（じぇいだす・かんぜいん）とは、挨拶と報告はしたものの、改めて話す機会はないままでした。
「今度、伺おうかな」
　レモはそう思いながら、窓の外の夜空を見上げました。


「学校……ですか」
　タングートの料理人　花魄（たんぐーとのりょうりにん・かはく）は、ぽつりと呟きました。
　タングートでは、薔薇の学舎の協力のもと、一つの学校が作られることになりました。『真珠舎』と名付けられた、当然、女子校です。
　生徒募集に関して、今のところ大きな制限はなく、テストと実技（特技）のみで入学が許されます。
　花魄は、師匠である鼠白の強い奨めで、入学を決意しました。
　とはいえ、生まれてこの方、修行はかかさなくとも、勉強などということはしたことがない花魄にとっては、不安の多いスタートではあります。
「しっかり、頑張らないと、いけませんよね」
　鼠白の顔に泥を塗るようなことだけはできません。勉強とお店の二足のわらじにはなりますが、花魄はしっかりと、気合をいれるのでした。


　そんな風に、誰のもとにも、春が訪れようとしていました。
　貴方にとっての、新たな目標は、なんでしょうか？

　今回は、「新学期」ということで……それぞれの新しい生活や目標、あるいはそれ以外のお話です。

　なお、真珠舎は教員・生徒ともに募集中です。タングート在住でなくてもかまいません。生徒の場合、『聴講生』扱いになります。ただし、外見は女性に限られます（女装は可です）。

　登場ＮＰＣは、薔薇の学舎関連と、私のＮＰＣ（マスターページをご参照ください）に限らせていただきます。ご了承ください。
　その他は、自由度の高いシナリオですので、お気軽にご参加ください。

以下は、ご注意とお願いです。

・ほのぼのシナリオですので、政治や戦闘関係のアクションをいただいても、不満足な結果になるかと思われます。
・ダブルアクションはご遠慮ください。必ずひとつの行動で、アプローチをお願いします。
・このシナリオでは、同性愛描写がある場合があります。ご了承ください。

・喫茶室で話す

・真珠舎にいってみる