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シナリオガイド

そして2025年へ
シナリオ名:別れの曲 / 担当マスター: 東安曇

 プリーツスカートをひらめかせる風は冷たく、季節がすっかり冬になろうとしているのを感じさせる夕暮れ時――。
 白いニットセーターの袖から覗く指先を擦り合わせ、ジゼル・パルテノペー(じぜる・ぱるてのぺー)はスクールバッグから端末を取り出すと、受信したばかりのメール画面を開きます。
 送信者はミリツァ・ミロシェヴィッチ(みりつぁ・みろしぇゔぃっち)。来年の春に入学する学校を決めたのだという報告が書かれていました。
「やった、蒼空学園!」
 義姉が同窓になる嬉しさに声を漏らすと、『プラヴダ』の基地を目指してジゼルは空京の街を歩きます。



 ジゼルが食堂でその話題を出したのは、ミリツァと同居しているトゥリン・ユンサル(とぅりん・ゆんさる)スヴェトラーナ・ミロシェヴィッチ(すゔぇとらーな・みろしぇゔぃっち)の前でした。
「蒼空学園は、まあ無難な線だよね」
 トゥリンがぶっきらぼうに吐き捨てたのは、ミリツァが同じ学校へ通えない事を少し残念に思っているからでしょう。
「一番『学校』らしい雰囲気がありますからね。ミリツァは勉強なら今のままでも充分ですし、そういう部分を重視したみたいですよ」
 スヴェトラーナは自身の感想を交えながらミリツァから聞いた話しを伝え、ふとスプーンを持つ手を止めました。
「でも来年かぁ……。来年の今頃って、皆さんどうしてるんでしょうね」



「――僕等はきっと変わりないと思うよ」
 長い廊下をスヴァローグ・トリグラフ(すゔぁろーぐ・とりぐらふ)を目印に進むジゼルの歩調に合わせながら、ハインリヒ・ディーツゲン(はいんりひ・でぃーつげん)は妹へ微笑みかけます。
「連合所属の旅団としてのプラヴダは、今やっと安定してきたところだからね。
 一年か二年……まあ暫くはこのままだな。僕個人も、来年は大学が終わるくらいか」
「そっか…………」
「安心した?」
 少しはにかんで頷くジゼルの髪を、ハインリヒは軽くひと撫でしました。この組織だけでなく、ジゼルの家族は漸く穏やかな生活を手に入れられたばかりなのです。彼女の「今はまだこのままで居たい」という気持ちを、ハインリヒは理解して寄り添います。



 そうしてアレクサンダル四世・ミロシェヴィッチ(あれくさんだるちぇとゔるてぃ・みろしぇゔぃっち)のオフィスへ辿り着くと、扉を開けたジゼルはこの部屋では意外な顔を見かけて小首を傾げます。
 正面に立つキアラ・アルジェント(きあら・あるじぇんと)トーヴァ・スヴェンソン(とーゔぁ・すゔぇんそん)から視線を外したアレクは入室してきたジゼルを一瞥すると、そのままキアラと話しを続けました。
「――それで、親御さんには話したのか?」
「実はまだ……皆にはこれから話すつもりで、両親には出来ればホリデイで直接会った時に……」
「大丈夫、アタシも一緒に行って話すつもりよ。キアラがどれだけ頑張ってたかって!」
 ウィンクするトーヴァに、キアラは控えめに頷きます。
「そうするといい。結果が出たら改めて報告しなさい。
 無事に卒業した時に戻る意思が有ったなら、俺に出来る協力はしよう」
 上官へ礼を述べて、キアラはトーヴァと部屋を後にします。視線が絡んだその一瞬、彼女が友人へ残した寂しそうな笑顔に、ジゼルは違和感を覚えて、そわそわとアレクへ振り返りました。
「キアラ、どうしたの?」
「来年軍学校へ入学する予定で話を進めてる」
「えッ!?」
 予想だにしなかった答えにジゼルは思わず大声を上げてしまいますが、アレクは淡々と続けました。
「イタリアの高校は5学年までだが、義務教育過程は終えている。彼女は成績も優秀だからな、学院からの推薦も得られたそうだ」
「待って! それって、その……、キアラ地球に帰っちゃうの?!」
「地球人だからな」
 当たり前とばかりに言われ、ジゼルは茫然と立ち尽くしました。キアラが語った意思や抱負を軽く話すアレクの声が、頭をすり抜けて行きます。
「……ジゼル」
 腕にそっと触れた掌の感触に気持ちを落ち着けようとジゼルは唇をぎゅっと噛み締め、笑顔を作ります。
「皆で、いってらっしゃいって言わないと」

担当マスターより

▼担当マスター

東安曇

▼マスターコメント

 シナリオガイドをご覧頂き有り難う御座います、東安曇です。
 こちらのシナリオは内容がフリーになり、以下の3パターンからひとつアクションをかけることが出来ます。

1・現在のみを描写
2・現在をメインで描写、ラストに未来を軽く説明
3・未来のみを描写

 描写出来る未来は、2024年10月から一年後(2025年10月)までです。詳しくはサンプルアクションをご参照下さい。
 また、余りに非現実的な希望や判定し難いものは、リアクションに反映されませんのでご注意下さい。
 こちらのシナリオでは結婚式をあげるアクションも可能ですが、苗字変更などは行いません。現在の企画で変更を行えますのでそちらをご利用下さい
 (なお、キャラクター登録されていない家族などは「会場に家族もきていた」程度で描写されます。)


▼NPC
 東のマスターNPCであれば(存命の)キャラクターはほぼ登場させる事が可能です。複数人を登場させる事も可能ですが、人数が多すぎると一人一人の描写が薄くなる可能性が高いです。また、呼び出したNPCによっては別のNPCを同伴して登場する場合も有ります。メインキャラクターは以下の欄をご参考にアクションをおかけ下さい。
 公式NPCは東執筆のリアクションに三回以上登場したキャラクターのみ執筆致します。

 NPCの行動はアクションで確定出来ません。彼等の意思によっては、要望を断られたり別の行動を取られる場合がございます。予めご了承下さい。

▽NPC行動
『アレク』
 2025年まで大きく変動はありません。プライベートな時間は空京の自宅に、それ以外は空京のプラヴダ基地に居ます。

『ジゼル』
 2025年まで大きく変動はありません。プライベートな時間は空京の自宅に、それ以外は蒼空学園に居るか、定食屋・あおぞらで働いています。

『ハインツ』
 2025年で修士課程を終える為、春からは大学を離れます。『トリグラフ』と共にプライベートな時間はツライッツと暮らす空京の自宅に、それ以外は空京のプラヴダ基地に居ます。

『キアラ』
 2025年の春から地球の軍学校へ進学を決めました。入学までは百合園学院やコーヒーショップのヴァイシャリーと空京店舗で働いています。2025年春からのアクションは、彼女が大きな休みの日という扱いになります。(夏休みをお薦めします。)

『トーヴァ』
 2025年の春から、パートナーのキアラと離れてパラミタに残留します。夜は空京のバーで働いている事が多いです。

『トゥリン』
 パートナーの『スヴェータ』共に2025年まで大きく変動はありません。プライベートな時間は葦原の自宅に、その他は葦原明倫館に居るか、プラヴダの基地に居ます。

『ミリツァ』
 2025年の春から蒼空学園へ入学を決めました。それにともない一人暮らしも始める予定です(場所は探している途中のようです)。プライベートな時間以外は蒼空学園に居るか、定食屋・あおぞらで働いています。

『兄タロウ』
 着々と増殖しています。何処にでも現れます。


 それでは、皆様のアクションをお待ちしております!


▼こちらのリアクションは11月中の公開予定となります。

▼サンプルアクション

・1・現在のみを描写

・2・現在をメインで描写

・3・未来のみを描写

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年09月30日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年10月01日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年10月05日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年11月30日


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