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聖戦のオラトリオ ~覚醒~(第2回/全3回)

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聖戦のオラトリオ ~覚醒~(第2回/全3回)

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海上要塞を制圧せよ!
シナリオ名:聖戦のオラトリオ ~覚醒~(第2回/全3回) / 担当マスター: 識上 蒼


 彼女は謂った。「聖像は、ただ戦争に使うための道具じゃない」と。
                    ――シャンバラ地方に伝わる伝承より――



 サロゲート・エイコーン製造プラントを確保し、二日が経ちました。
「どういうことだよ、教官!」
 教官室で、山葉 聡は声を張り上げました。
「ベトナムへの救出隊の派遣は許可出来ない。上の決定だ。明日の鏖殺寺院の要塞急襲作戦にはパイロット科所属の生徒を、可能な限り動員することになっている」
「まだ死んだって決まったわけじゃないだろ? 教官、あんたは自分の仲間を見捨てるのか!?」
「お前も、偵察部隊が必死の思いで持ち帰ったデータを見たはずだ。あれで生きているはずがない。それに、仮に出撃許可が出たところで、あの化物相手ではむざむざ死にに行くだけだ」
 ベトナムで撃墜された偵察部隊の安否を確認し、生きていれば助けたい。聡はそう考え教官に訴えかけているようです。しかし、学院側は「全員死亡」で結論を出していました。
「だけど――」
「くどい! 無理なものは無理だ。お前も、明日の出撃に備えろ。今度はお前も部隊に入っているのだからな」
「……あんただけはそんな人じゃないと思ってた。見損なったぜ、教官」
 歯を噛み締め、聡は教官に一言だけ吐き捨てていきました。
(私にはどうする事も出来ない。恨みたければ、いくらでも恨んでくれて構わない。だが……絶対に死ぬなよ)

「どうした、聡?」
 辻永 翔(つじなが・しょう)は教官室から出てきた聡と顔を合わせました。
「なあ、翔。俺達って、何のために戦ってるんだろうな?」
 聡らしからぬ問いに、翔は戸惑いを覚えます。
 パイロットとしてイコンを駆り、シャンバラを守るために鏖殺寺院と戦う。
 だけど、それは本当に自分達の意思で行っていることなのだろうか、と。
「…………」
 沈黙が続き、
「おっと、悪かったな。急に聞いたって答えなんて出ないよな。それに、俺らしくなかったぜ」
 と、聡はいつもの調子に戻った。
「明日の戦い、無事に帰れるように頑張ろうぜ!」
 そう言って、聡は去っていきました。

「どうした、思い詰めたような顔をして?」
 聡と会った後、少し様子がおかしくなった翔に対し、アリサ・ダリン(ありさ・だりん)が尋ねます。
「考えてただけだ。何のために俺達は戦っているのかを」
「翔。何があったかは知らないが、私達は学院の駒ではない。思い出せ、お前は自分の意思で決めただろう?」
 今は亡き御神楽 環菜(みかぐら・かんな)に導かれ、パラミタに行くと決めた時のことを思い出す。自分の眼でパラミタを確かめ、決めたのではなかったか。
「迷うなとは言わない。だが、戦うべき時は覚悟を決めろ。明日の戦いから戻ったら、お前の泣き言くらい、いくらでも聞いてやる」

 そして翌日、東シャンバラの鏖殺寺院拠点襲撃のため、イコン部隊が出撃しました。
 加えて、天御柱学院は超能力部隊、並びに契約者を持たない強化人間だけで構成された強化人間部隊も出動させています。
 さらに、東西シャンバラの各学校から集められた制圧部隊もまた、送り込まれます。
 現地部隊との情報交換は、空京大学のパラミタ先進技術研究機構(PASD)の情報管理部が担当。
 情報管理部長のロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)と、部長代行を務めていたアレン・マックスがその指揮を執る予定になっています。


 パラミタ内海に浮かぶ、小さな孤島。その島全体が海上要塞と化した、敵の拠点です。
 本来ならば、西シャンバラから東シャンバラへの武力介入は認められたものではありません。
 しかし、プラント攻防において敵が襲撃したのはPASD――東西の中立組織です。
 その点を強調する事で、東西シャンバラ両政府が、今回の作戦許可を連名で出しました。
 また表向き、エリュシオン帝国は鏖殺寺院との繋がりを否定しているため、これを抑圧する事が出来ません。

 さらに、プラント攻防からほとんど期間を空けていない事から、敵にとっては寝耳に水に違いありません。
 製造プラントの確保により、前の戦いで損傷した分を賄えたのが大きいと言えるでしょう。

 しかしこの時、敵は既に襲撃を知り、部隊を展開しているなどとは、東西シャンバラは知りませんでした――

* * *


「カミロ様、敵イコン部隊がトワイライトベルトを越えました」
「ミスターテンジュの情報は本当だったか。各小隊、防衛ラインを張れ!」
 カミロ・ベックマンは、防衛体制を布き始めます。
 弧島の周囲に展開することにより、歩兵の海路からの侵入にも対処するつもりです。
 
 要塞内部へ地上部隊が侵入出来るかは、天御柱学院のイコン部隊にかかっています。

「愚かな。力の差が埋まっていないのにまた挑んでくるか」
「こっちが弱ってるからって勝てるわけじゃねーのに、よくやるぜ。もっとも、機体性能の七割までしか使えねーからって、負けるとは思えねーけどよ」
 グエナ・ダールトンとエヴァン・ロッテンマイヤーもまた、防衛のために出ていました。
 部隊の中でも、飛び抜けた実力を持つ者彼らもまた、天御柱学院の行く手を阻む大きな障害となる事でしょう。

 しかし、敵は万が一の事態も見越し、周辺地域から傭兵を雇っていました。シャンバラの学校を離れた契約者もいるようです。
 そして、要塞の中では敵の総督ともう一人が対面していました。
「十人評議会からの差し金か。期待しているぞ」
「お任せ下さい、総督殿」
 鏖殺寺院だけでなく、地球を裏で操る「十人評議会」の一人、総帥の代理人であるローゼンクロイツです。
 要塞内部の切り札として、戦いに出てくる事でしょう。


 果たして、この要塞を攻略する事が出来るのでしょうか。

* * *


 ベトナム。
「なんとか撒けたな」
 謎の青いイコンに撃墜されるも辛うじて生き残っていたベトナム偵察部隊の教官、五月田 真治はそう言うと、小隊の生徒を見渡しました。
 オリガ・カラーシュニコフ(おりが・からーしゅにこふ)榊 孝明(さかき・たかあき)桐生 景勝(きりゅう・かげかつ)御剣 紫音(みつるぎ・しおん)とそのパートナー達です。
 密林の中を、彼らは三日間黒い装甲服の兵士達から逃れ続けていました。
「もうすぐ敵の基地のあたりだ」

 密林の中には、ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)グロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー(ぐろりあーならいざ・ぶーりんてゅーだー)エリシュカ・ルツィア・ニーナ・ハシェコヴァ(えりしゅかるつぃあ・にーなはしぇこう゛ぁ)の三人の姿もありました。
 極東新大陸研究所海京分所のイワン・モロゾフの依頼もあり、三日前に現地入りを果たしていたのです。
 彼女達は基地を探しながら、人影を発見しました。
 それは偵察部隊か、それとも敵なのか……

 しかし、この時そのモロゾフ氏と、ジール・ホワイトスノー博士がベトナムに降り立った事など、ベトナムにいる者達が知る由もありませんでした――


担当マスターより

▼担当マスター

識上 蒼

▼マスターコメント

 識上 蒼です。
 天御柱学院キャンペーンの第2回です。
 前回プラントを確保する事に成功し、学院側は東西シャンバラ政府に協力を仰ぎ、一気に敵拠点を叩こうとしています。
 しかし、どういうわけかそれは敵に知られてしまっています。学院のパイロットには厳しい戦いになりそうです。
 一部のPCの名前が出ていますが、参加は強制ではありません。

【アクション上の注意】

■PC側のイコン搭乗について
 現在搭乗可能なイコンは、以下の二種類+αです。

・イーグリット(近接型)
装備:ビームライフル
  :ビームサーベル
  :頭部バルカン
巡航速度:1.2Ma
最高速度:1.8Ma

・コームラント(遠距離支援型)
装備:大型ビームキャノン
  :頭部バルカン
  :ミサイルポッド(肩部)
巡航速度:0.7Ma
最高速度:1.0Ma

 コームラントのデフォルト装備にミサイルポッドがデフォルト装備に加わりました。
 ここからは、オプションの追加武装になります。

・ビームシールド(イーグリット用)
・アサルトライフル(イーグリット用、ビーム・実弾)
・実体剣(コームラント用)

 また、前回の汎用機関銃(ビーム式・実弾式)が両機対応になりました。
 加えて、イーグリットはビームライフルを二挺まで持つ事が出来ます。ただし、二門一セットのコームラントのビームキャノンとは異なりますので、上手く扱うには二挺拳銃、並びにそれに準ずるスキル(二刀の構え、両手利き)が必要となります。

 オプションは最大二つまで選択可能ですが、多くなればその分機体の機動力は落ちますし、戦いながらの装備変更も容易でなくなります。


 搭乗機体はアクションに明記するようお願いします(機体略称:イーグリット→E、コームラント→C)

 また今後追加して欲しい装備に関して、リクエストは引き続き受付けます。条件に変更はありません。
 希望のある方はアクション欄に併せてお書き添え下さいませ。

■鏖殺寺院情報(こちらはPL情報になります)
 鏖殺寺院の戦力はシュメッターリング32機+シュバルツ・フリ―ゲ8機です。今回もフリーゲの数が小隊の数になります。
 敵は全機をニ十機ずつの中隊規模でも分けており、
・ベックマン中隊(指揮官:カミロ・ベックマン)
・ダールトン中隊(指揮官:グエナ・ダールトン)
 となっています。
 総指揮官はもちろん、カミロです。

 海上戦であり、随伴歩兵はいませんが、要塞から海路に対して狙撃、砲撃をしてくる兵士はいます。

 敵イコンスペックは以下の通りです(鏖殺寺院イコン解析資料集1より抜粋)
・シュバルツ・フリーゲ(
装備:汎用機関銃(実弾式)
  :頭部バルカン
巡航速度:1.1Ma
最高速度:1.5Ma

・シュメッターリング
装備:汎用機関銃(実弾式)
  :頭部バルカン
巡航速度:1.0Ma
最高速度:1.4Ma

 ただし、カミロ機はシールドを機体全体に展開し、ダメージを軽減する事が出来る仕様になっています。
 また、敵部隊の一人、エヴァンのシュメッターリングのみ実体剣持ちです。

 なお、今回敵は襲撃を予期していたとはいえ、パイロットの負傷、機体の損傷が著しいために「本来の七割の力」までしか出せません。

 ちなみに、イコンの装備の射程は以下のようになります。
 大型ビームキャノン>ビームライフル≧アサルトライフル≧機関銃>頭部バルカン>ビームサーベル=実体剣
 生身装備の機晶ロケットランチャーは、頭部バルカンと同じくらいの射程です。
 
■追加情報(イコン関係)
・天御柱学院の性質上、イコン部隊は複数の小隊編成(一小隊あたり4、5機)を必然的に組むことになります。が、GAを組むかはお任せします。
 単独アクションの場合も、適宜どこかの隊には組み込まれます。そのことをご了承下さい。
・TACネーム、コールサインもご自由に(基本はEー1、C―1、第1小隊といった番号での識別ですが、これまでのロボットシナリオで使用したものがあればそちらで構いません)
・現在の練度は、鏖殺イコン一機に対し二機で撃破出来るレベルのまま変わっていません。
 しかし、指揮官クラスだけは別格の強さであり(一小隊でなんとか倒せるレベル)、敵NPCの3人の強さは、
   
       カミロ>グエナ+エヴァン
 
 です。前回から名前が出た敵部隊トップクラスの二人ですが、二人合わせてもカミロには敵いません。

・機体は搭乗者に合うように「調整」は出来ますが、「強化」「改造」はPCではまだ出来ません。ご注意下さい。

※この他のルールについては、マスターシナリオ講座を参考にして下さい。

■追加情報(その他重要事項)
・他校生はイコンには搭乗出来ません。キャンペーンでは、イコン搭乗は天学生限定となります。
・今回はPASDの転送術者ノインによるテレポートはありません。敵基地の中に直接送り込めない要因が存在するようです。

・今回、イコン部隊の戦況でどれだけの人員が要塞内部に辿り着けるかが決まってきます。
・前回のシナリオとの間が三日しかありませんが、出撃前日時点におけるアクションをかける事が可能です。整備科の方は念頭に入れておくといいかもしれません。
・ベトナム救援部隊はありません。イコンに乗る際は敵拠点の攻撃要員に組み込まれます。出撃後、命令を無視して向かっても構いませんが、ペナルティは確実にあるでしょう。パイロットは貴重なので、退学はないと思いますが。
・敵は傭兵を雇っています。旧シャンバラ系寺院関係者でも関係なく受け入れています。ただし、こちらのアクションを掛けた場合、退学→パラ実送りになる可能性は高いでしょう(顔バレしたらアウトです)
・ちなみに、西シャンバラの各学校はこの傭兵募集の話を知りません。東シャンバラは把握しています。
・要塞内部の敵は、クローン強化人間(黒い装甲服)の兵士です。脅威的な身体能力と、超能力を有しています。さらに特殊迷彩を装備しているため、「隠れ身」の効果を持っている者もいます。また、致命傷を負ったり、捕虜になりかけると機密保持のために自爆します。即死の場合はその限りではありません。
・傭兵(モブ)はそれよりは弱いです。
・要塞内部には、拠点の主である総督がいます。彼を抑えれば、陥落となります。
・ローゼンクロイツはまだ正体不明ですが、寺院のトップと関わりがある以上、只者ではないでしょう。
・要塞内部はそれほど複雑な造りになっておらず、通路以外の主な場所としては「イコンハンガー」「指令室」「武器庫」があります。

 今回も情報量が多いですが、何卒宜しくお願いします。

▼サンプルアクション

・イコン部隊として、鏖殺寺院と戦う。(天学用)

・超能力部隊として要塞に乗り込む(天学用)

・要塞を制圧する(他校生)

・傭兵として雇われる(主に東シャンバラ所属の方向け)

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2010年11月04日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年11月05日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年11月09日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年12月14日


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