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聖戦のオラトリオ ~転生~ 第2回

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聖戦のオラトリオ ~転生~ 第2回

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シナリオガイド【イコン参加可】

蝕むモノ、抗う者
シナリオ名:聖戦のオラトリオ ~転生~ 第2回 / 担当マスター: 識上 蒼


――お願い、戻ってきて!


 2021年3月。
 天御柱学院は独立武装勢力対策軍「F.R.A.G(フラッグ)」との共闘により、鏖殺寺院の最大拠点と目されていたウクライナの基地の制圧に成功した。
 しかし、同時に明らかになった、第一.五世代機『レイヴン』の異常性。
 学院の生徒により、暴走した烏丸・桐山の搭乗していた機体を無力化し、F.R.A.G側に被害を出さずに済んだ。
 下手をすれば、それが戦争の火種に成りかねない事態。
 F.R.A.Gは事情聴取のため、学院生徒数名の同行を求め、彼らと共に本部へと帰っていった。

 一方、シャンバラでも学校勢力が集い、鏖殺寺院の基地を制圧した。
 だが、そこには所属不明の謎の青いイコン、そしてそれを追うカミロ・ベックマンの駆るシュバルツ・フリーゲの姿もあった。
 青いイコンの超能力を用いていると思しき圧倒的な力の前に苦戦を強いられるも、白金のイコン【ナイチンゲール】による絶対防御領域の力もあり、なんとか退けることに成功した。

 力への執着。抗えぬ衝動。
 争いを好まずとも、まるで「争いを起こさせようという意志」がこの世界を支配しており、それが多くの人間を巻き込もうとしている――そんな空気が、F.R.A.Gや学院の前線で戦う者達の間に流れている。

* * *


「データの解析は?」
「完了しました。イコンシミュレーターにも導入済みで、これから最終チェックです」
「ではよろしく頼む。今は辛うじて均衡を保っているからいいものの、万が一に備えて相手の力を知っておく必要があるからな」
 天御柱学院パイロット科の科長室。
 パイロット科長イズミ・サトーは、報告書に目を通していました。
(圧倒的だな。これでも全てをさらけ出した分けではない、となれば……ぞっとしないな)
 そこへ、教官長五月田 真治が入ってきます。
「五月田、こいつをどう思う?」
「にわかには信じがたいが、ウクライナでの戦闘が元になっている以上、疑いようがないだろう。
 クルキアータ一機は、学院のイコンの一個小隊に匹敵する。覚醒を使えばその限りではないが……それでも厳しい相手に変わりはない」
 ヨーロッパ同時多発テロの際、鏖殺寺院イコン十機を単機で全滅させるほどの強さです。
 実際に戦闘データを見た二人は唖然としたくらいです。
「だが、こちらにも第二世代機がある――ブルースロートだ。まだ試験段階で機体数もないが、データはシミュレーターに反映済みとのことだ」
 そして、科長はある資料を五月田に提示しました。
「……対F.R.A.Gを想定したシミュレーター訓練か」
「そうだ。万が一に備え、今の時点でF.R.A.Gとどこまで戦えるか知っておく必要がある。
 ……戦わずに済めばいいが、残念ながら我々だけではどうにもならないことだってあるからな」
 今とは別の「F.R.A.G」を知っている科長や五月田にとっては、思うところがあるのでしょう。
 その顔には、どこか物憂げなものがありました。
「それと、レイヴンについてだが……」
 科長の懸念はその機体にもあります
「烏丸の一件があるにも関わらず、『レイヴン』の搭乗許可を得ようとする者が少なくない。今回のシミュレーター訓練は、そういった希望者の適性を見極めるということも念頭に入れておかねばならない」
「あの機体の運用を継続するのか?」
「テストパイロット達のこともある。それに、ホワイトスノー博士の言葉も気になる。それに、シミュレーターならば異常が起こった際、強制終了を掛けられるからな」
 そして小さく呟きました。
「『力に飲まれるならその程度でしかない』か。だが人間、皆そこまで強くはないんだよ、博士」
 それでも、教え子達にはこの試練を乗り越えて欲しいと、そう願っているかのようでした。

* * *


 それからすぐに、パイロット科を中心にイコンシミュレーター訓練を行う旨の知らせが届きました。
 
・シャンバラの学生であれば、希望申請することでシミュレーター訓練を許可する。
・訓練プログラムは、対F.R.A.Gを想定したものがメインとなるが、パイロットとしての技量に不安がある場合は、基本的な訓練を受けることも可能。
・今回、シミュレーターには第二世代機ブルースロートと第一.五世代機レイヴンが導入されるため、天御柱学院の生徒であればこちらの機体も搭乗可能。

 転入組や、まだイコンに乗って日が浅い人は、無理に第二世代機と戦わなくてもいい、ということです。
 また、バージョンアップしたイコンシミュレーターには自機のデータが完全に反映されるため、実際の機体とそこまで変わらない感覚で機体の操縦を行えるとのことです。
 
* * *


「どうしたんだ、ヴェロニカ?」
 学院本校舎内。
 辻永 翔(つじなが・しょう)は、窓の外を眺めて佇むヴェロニカ・シュルツ(べろにか・しゅるつ)を見つけました。
「あ、ううん……なんでもない。ちょっと考えごとをしてただけ」
 シャンバラでの初陣以降、ヴェロニカはこうして一人で空を見つめていることが度々ありました。
 また、彼女は他の生徒と一緒には対F.R.A.Gのシミュレーター訓練に参加出来ないとのことです。
「わたし達がいると、『女神の祝福』への甘えが出るかもしれないから、って科長さんは言ってたわね」
 そんな翔達の背後から、ニュクス・ナイチンゲール(にゅくす・ないちんげーる)が声を発しました。
「けれど、『女神の祝福』――絶対防御領域は完全なものではないわ。起動に際して、リスクも伴うのよ。あくまでもあれは切り札。それは忘れないで欲しいわ」
 もちろん、それだけではありません。
「あと、まだ私はみんなほど上手く乗りこなせていないから。ニュクスにばっかり頼ってもいられないからね」
 ヴェロニカの操縦技術は、まだ初心者レベルです。それもあって、ちゃんとニュクスや【ナイチンゲール】と息が合わせられるようにしたい、という思いもあるようです。
 そうして翔は二人と別れました。

「何をぼーっとしてるんだ、翔?」
 アリサ・ダリン(ありさ・だりん)が翔に声を掛けました。
「アリサか。いや、ヴェロニカのことだけどな。なんだか、無理してるように見えてさ」
「珍しいな、お前が誰かを気に掛けるなんて」
「そうでもないだろ」
「ただ、何か人に言えないものを抱え込んでいる風には見えるな。原初のイコンのパイロットというプレッシャーではなく、もっと別の……」

 二人はまだ、謎の青いイコンに彼女の兄とも言える人物である、エヴァン・ロッテンマイヤーが乗っていたということは知りませんでした。

* * *


 その頃、F.R.A.Gでは。
「一応、概ねの事情は分かった。今のところそちらに敵対の意思がないことも」
 第一部隊隊長ダリア・エルナージは本部に連れ帰った天御柱学院のパイロット、平等院鳳凰堂 レオ(びょうどういんほうおうどう・れお)星渡 智宏(ほしわたり・ともひろ)、そして二人のパートナー達から『レイヴン』についての説明を受けました。
「ただ、申し訳ないがもう一人会ってもらう人がいる。聖カテリーナアカデミーの校長だ」
 聖カテリーナアカデミーとは、イタリアにある契約者育成のための専門学校です。そこはF.R.A.Gと提携し、クルキアータのパイロット養成を行ってもいるとのことでした。
「今から移動する。付いてきて欲しい」

 移動中、本部内で天学生達は奇妙な人影を発見しました。
「仮面の、女?」
 仮面で顔を隠した、白いドレスの女性でした。
「……悪いことは言わない。『特務』には関わろうとするな」
 ダリアの顔には恐れの色が浮かんでいます。
「ウクライナで、白いクルキアータの姿は見ただろう。あれのパイロットだ。
 ――F.R.A.G第一特務ミス・アンブレラ。あの仮面の下の顔を知るのは、猊下と、これから会うことになる校長だけだと言われている」
 仮面の女性パイロットが、彼女達を静かに見つめていました。
「はっきり言って、彼女も含め特務の三人は只者じゃない。同じ人間とは思えないほどにな……」
 

※マスターコメントの注意事項をよくお読み下さい

担当マスターより

▼担当マスター

識上 蒼

▼マスターコメント

 識上 蒼です。
 お待たせ致しました、天御柱学院キャンペーンシナリオの第二部「転生編」の第2回をお届けします。
 転生編は、
 「聖戦のオラトリオ 〜転生〜」(通称『無印』。イコン参加可。イコン搭乗前提のバトルサイド。天学の教官達、F.R.A.G関連NPCが登場予定)
 「聖戦のオラトリオ 〜転生〜 ―Apocalypse―」(通称『Ap』、イコン参加不可。研究・開発・超能力サイド。ホワイトスノー博士ら極東新大陸研究所組、風間、ノヴァ等が登場予定)
 の2分割構成になっており、こちらの『無印』第2回に参加された方は5月公開予定の『Apocalypse』第2回にはご参加頂けません。ご了承下さい。

 非常にシリアスな要素を含んでおり、場合によっては辛い展開(俗に言う鬱展開)が待ち受けることになるかもしれません。
 参加される場合、その点も覚悟の上でお願いいたします。

【アクション上の注意】
 基本的にイコン搭乗前提のシリーズですが、今回は必ずしもイコンに乗らなければいけない、というわけではありません。
 ただし、情報収集系のアクションは基本的にApの方で行って下さい。
 こちらでは傭兵集団時代のF.R.A.Gとヴェロニカの関係など、PL情報として示唆されている内容をPC情報に還元するためのアクションであれば許容可能です。
 しかし、開発中の第二世代や、イコンの謎、十人評議会については全てApの方でお願いします。
 また、カミロやヴィクター・ウェスト、及びF.R.A.G関連で動いている方に関してはこちら(無印)で行動可能です。

 Ap関連のアクションをかけられても、こちらでは採用出来ませんのでご了承ください。
 また、ダブルアクションにご注意下さい。
 今回を例に取りますと、「ヴェロニカと話す」と「訓練を受ける」がダブル扱いになります。これは、彼女が他の生徒とは別の訓練プログラムを受ける関係から、前回のように「一緒の場面に合流する」という過程がないためです(前回ですと、出撃準備の顔合わせという体で、戦闘前に絡むことが出来ていました)
 特に今回、イコンシミュレーターの仮想空間での訓練のため、事前の自機整備という過程を踏みませんので、その点にもお気を付け下さい。
(代わりにパイロットと機体データの読み込みと、外部からのシステム調整を行うことになるわけですが。実機の整備とは勝手が違うものです)

※整備アクションが掛けられないわけではありません。訓練に参加せず、整備科として普段通りイコン整備をしている、としてもおかしな部分はありませんので。

■イコンについて
 他校生に関しては、所有されているイコンでご参加下さい。

 天学生は所持イコンの他に、イーグリット、コームラントが選択可能です。その場合の追加オプションは以下の通りです(どちらの機体でも使用可)

・ビームシールド
・アサルトライフル(ビーム・実弾)
・実体剣
・汎用機関銃(ビーム式・実弾式)
・ビームランス
・長距離射程スナイパーライフル(ビーム・実弾)
・射出型ワイヤー(拘束可)

 ただし、所持イコンで参加した場合にオプションを使いたい場合は、装備欄を追加オプション分空けた状態にして下さい。
 武装(ウェポン)は最大四点までとなります。
 所持イコンではなく学院イコンを使う場合は、デフォルト装備+オプション二点となります。
 イーグリットのデフォルト武装はビームライフルとビームサーベル。
 コームラントのデフォルト武装は大型ビームキャノンとミサイルポッド。
 となっております(ミサイルに関してはオラトリオ第一部からの流れで搭載されてます)

 また、今回は『レイヴンのテストパイロットの称号を持っている方』以外も、該当の機体に搭乗する事が可能です。
「レイヴンってなんぞ?」って方に一言で表すと、超能力者用のイコンです。
 ただし、シンクロ率はテストパイロットの方で最大30%、そうでない方は安全面から10%までしか許可されませんのでご了承下さい。
 また、武装はベースになっている機体のデフォルト武装+上記オプション二点まで選択可能です。
 特徴として、サイコキネシスなどの超能力スキルを一部機体に搭乗したまま使用可能というのがあります(どのパーセンテージでどの程度まで使えるかの目安は、前回、前々回のリアクションを参照)

 さらに、天学第二世代機のブルースロートにも搭乗可能です。
 「防御特化型」で、【ナイチンゲール】をベースに量産した機体となります。
 仕様としては、

・エネルギーシールドの生成(最大一小隊分が適用範囲。自機+4機まで)
・ジャミング機能(要スキル:情報撹乱)
・敵機体への干渉(数秒程度なら機体のコントロールを乱すことが出来る)

 といった感じです。また、センサーやレーダーが既存の機体より強化されています。
 加えて、ジャミング機能を上手く使えれば完全なステルス効果を生み出すことも可能です。
 ただし、兵装の扱いにおいてメインパイロット以上にサブパイロットに高い情報処理能力が求められる機体です。
 また、攻撃用の武装は、自衛用のビームライフルのみでオプション武装は使用不可ですのでご注意下さい。
 小隊単位における防御支援機、とお考え下さい。

 これらに加えて、天学生は『覚醒』が使用可能です。ロボットミッションのアクティブアビリティのようなものです。使用する事で格段に性能が向上しますが、その分上手くコントロールするのが難しくなります。
 非常に強力ですが、覚醒状態に移行すると稼働時間が約15分〜20分程度となります(エネルギーの消費が早くなるため)

■稼動時間
 イコンの稼動時間の目安としては、
 ・通常状態で約12時間程度
 ・戦闘時で約1〜2時間程度(教導団のイコンは約2〜3時間)

■F.R.A.G(フラッグ)
 今回の対F.R.A.G戦を想定した訓練プログラムでは、
 クルキアータ(一般機)×8
 クルキアータ(指揮官機)×2

 10機2小隊が相手になります。

 部隊長専用機『七つの大罪』はいませんが、ガイド本分にある通り、一般機で天学の一小隊と同等の強さです(覚醒なしの場合)
 指揮官機に関しては、「下手に接近戦を挑めば一撃で撃墜される」くらいに思っておいた方がいいかもしれません。
 ただし、これはウクライナの戦闘データが元になっているため、実際のF.R.A.Gはもっと強い可能性があります。
 また、イコンシミュレーターのため、敵はAIです。
 それでも、これまでで最も手強い相手と言えるでしょう。

 また、まだイコン操縦に慣れてない(イコン戦闘アクションを書き慣れていない)という方は、普通に訓練を行うことも出来ます。

■参考情報:聖カテリーナアカデミーについて
・2012年に設立された、イタリアの契約者育成校。
・地中海に浮かぶとある島が所在地。
・元々は旧教系の学校で、日本の天御柱学院設立に触発される形で組織改編が行われた。
・パートナー種族は守護天使と英霊が多くを占める。また、クラスはプリースト、ナイトが多く、上級生にはパラディンに成る者も。
・反面、魔女や吸血鬼はほとんどいない(ゼロではない)
・ヨーロッパ同時多発テロの少し前に、クルキアータのパイロット養成を教会(というよりマヌエル枢機卿)の命により引き受ける。
・現在はF.R.A.Gと提携。
・校長は修道女でもあるシスター・エルザという女性。
・パラミタに渡った人にはここの卒業生もいる。反シャンバラ勢力内にあるが、生徒が全員そういうわけではない。
・端的に言うと、『欧州版天御柱学院』


 それでは今回も宜しくお願い致します。

▼サンプルアクション

・クルキアータと戦う

・訓練を受ける

・イコンの整備を行う

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2011年04月25日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年04月26日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年04月30日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年05月28日


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