葦原明倫館

　それはパラミタの郊外にある小さな、とてもミクロな木造の一軒屋での事でした。
「ねぇ、母上……バテレン・サンタさんは本当にいるのかな？」
「……いるわよ。権兵衛が良い子にしていたらね」
「本当！？　じゃあ、僕、良い子にしてるぅぅぅーゥゥＲＵゥゥッ！」
「うん……」
　権兵衛の母である柳生吉子は大粒の涙を浮かべました。

　実は柳生家はすでに没落していたのです。
「哀しいけどコレ、戦争なのよね」
「あなたぁー！！？」
　権兵衛の父である柳生のん兵衛はそう言って、ドラゴン退治に出向き、ついに戻ってきませんでした。
「見せてもらおうか！　パラミタに生息するスライムの性能とやらを！」
「八兵衛ぇー！！？」
　権兵衛の兄である八兵衛もそう言って、スライム退治に出向き、ついに戻っては……
「見える！　見えるわ！　私にも敵が見えるわ！！」
「芳恵〜！！？」
　権兵衛の姉である芳恵もゴーストの手に…………

　残されたのは吉子と幼い権兵衛でした。
　しかも、権兵衛は不治の病にかかり歩けなくなってしまったのです。
　そんな権兵衛が心のよりどころにしていたのは一冊の本でした。


　☆　　　　　☆　　　　　☆


【　聖なる夜にサンタはやってくる　】

　心優しい少年の元にやってくる暖かいサンタさん。
　サンタが大きな袋から取り出したのは本当の幸せでした。
　本ではそれが何かと言う事は書かれてはいません。
　幼い権兵衛少年はその幸せの袋の中身が気になっていたのです。
　もちろん、彼の家に今年はサンタはやってきません。
　柳生家は全てを失っていたのです――

　それを小耳に挟んだのは【蒼空学園理事長兼校長兼生徒会長】の御神楽　環菜（みかぐら・かんな）でした。
　『シャンバラ王国復興運動』の事で頭を悩ませていた彼女は、それを聞いて思わず叫んでしまったのです。

『とにかく楽しいパーティーを開きなさい！！』

　生徒達に激震が走りました。
　もちろん、環菜のパートナーのルミーナ・レバレッジ（るみーな・ればれっじ）にもです。
「楽しいパーティ…………って、何？」
　生徒達は目を点にしていましたが、当の本人はすでに部屋に帰ってしまったようです。

　丸投げかよッ！！！？

　楽しいパーティーにルールは不要です。
　さて、どんなパーティーになるのでしょうか？

　何というか、サナアナです。
　蒼空学園のコメディ系お祭りシナリオです。
　忘年会的なクリスマス予定です。

　聖なる夜にサンタはやってくるのでしょうか？
　☆★☆　それは皆様のアクション次第です　☆★☆
　それでは、このシナリオを存分に楽しんでくださいね！

・仲間でチームを作ってパーティーに参加する。

・くほほっ、我が輩がサンタさんだよ。

・口説き落とすしかねーだろ？

・ヒャッハー！　モンスター退治だぜ！