寒さに凍えるイルミンスール魔法学校に、軽やかなメロディーが流れました。
「あけましておめでとうですぅ〜!」
いきなり一カ月ほど遅れた新年のあいさつをするのは校長のエリザベート・ワルプルギス。
「新年を祝って、あなた達生徒にお年玉をプレゼントするですぅ〜」
スピーカーから放たれた言葉に、生徒達が歓喜の声を上げました。しかし、それを聞いたかのようにエリザベート・ワルプルギスは笑います。
「た・だ・し、タダではあげませんよぅ〜?」
一拍間を置いてから、彼女は続けました。
「空京にばらまいたお年玉を、紙ペットを使って探すですぅ〜!!」
そう言って、楽しそうにエリザベート・ワルプルギスは語り始めました。
彼女の言ったことは、次の通りです。
・お年玉は、空京内の湖畔と荒野に、宝箱に入って埋まっています。
・お年玉を探しには、エリザベート・ワルプルギスの作りだした紙ペットを使用してください。
・紙ペットとは、魔法紙で作られた小さな動物のことです。形状を指定すればエリザベート・ワルプルギスがその形に変えます。
・紙ペットは単体で一つ宝箱を探すことができます。
・紙ペットは他の紙ペットと接触することで、新たな宝を見つけることができます。
・宝箱は三つまで開けられます。
・トレジャーセンスは使用禁止です。
「争奪も協力も自由ですぅ〜。あなた達の力で、お年玉を勝ち取るですぅ〜!」
悪戯っぽく笑った彼女は、ぱちんと手を叩きました。
「それと、宝箱の中にボロ布が入っていたら、わたしに渡しに来るですぅ〜。イイものあげるですぅ〜」
思い出したように付け足して、エリザベート・ワルプルギスは締めくくりました。
紙ペットを使用して探さなければならない、という手間はありますが、お年玉がもらえるのは本当のようです。
イルミンスール魔法学校の生徒以外も、エリザベート・ワルプルギスへのお土産を持参すれば参加させてくれるようです。
なお、湖畔も荒野も安全ではありません。魔物による妨害も想定してください。
手間はありますが、どうぞ皆様、遅れたお年玉を得られるよう、紙ペットと共にお宝探しに向かってください。
新年の運だめしにも、是非どうぞ。