葦原明倫館

　ハイ・ブラゼル地方、花妖精の村――。

「ひとまず、こんなところか」
　高円寺　海（こうえんじ・かい）は、このハイ・ブラゼル地方の調査内容のまとめを行なっていました。
「お疲れ様です」
　そこへ、ドロシー・リデル（どろしー・りでる）がお茶を運んできました。
「少し休憩されてはいかがですか？」
　
　海の傍らには、多くの書物が積まれていました。
　それは、ドロシーが記した『おとぎばなし』の数々です。

（「大いなるもの」との戦い、せめてそれがいつ起こったのかが分かればいいんだが……）
　彼は、四つの世界と「大いなるもの」に関する真実を、その中から探していました。
　単位としての時間の概念がないこの村では、過去の出来事が何年前に起こったものかを知る術がありません。
　そのため、おとぎ話の内容から推定していくしかないのです。

「あとで、遺跡群も直接見てみるか。何か新しい発見があるかもしれないしな」

　この村そのものにも、まだ何らかの手掛かりが残されている可能性はあります。

「考えに行き詰ったら、子供達と話してみるのもいいと思いますよ。時々、あの子達には私も驚かされるんですよ」

　村で花妖精の子供達と交流を深める中で、話をするのもいいかもしれません。
　また、各世界の調査から戻ってきた人達を交えて情報交換することで、見えてくるものもあるでしょう。

　海を始めとした調査団の面々は、各々この村での行動を始めました。

　初めましての方は初めまして。そうでない方はまたお会いしましたね。高久高久でございます。

　【重層世界のフェアリーテイル】の番外編シナリオです。
　番外編につき、こちらのシナリオに関しては本編のような参加制限はございません。

　花妖精の村で、自由に行動することが可能となっております。
　具体的には、グランドシナリオ内で知り得たＰＣ視点でしか分からない情報の共有を行なったり、ピオニア・マリーのような花妖精やドロシーと交流を深めたり、ゆっくり庭園を眺めながらくつろいだり、村の各所を調査したりといったことです。

　また、村にはドロシーが生活している小屋だけでなく、彼女が記した「おとぎばなし」が収められている書庫のある小屋があります。
　海はそこで作業を行なっており、ドロシーに申し出ればそこにある書物は自由に読むことが出来ます。

■花妖精の村について
・電気やガスはありません。熱源は薪火、夜の部屋の灯りはろうそくを使用しています。
・広さは遺跡群まで含めた村全体で１０ｈａほどです。
・ドロシーが手入れを行なっている花壇や庭園以外にも、野生の植物も多く生えており、薬草や茶葉として使えるものも多くあります。
・かつては「大いなるもの」との戦いで荒廃していたが、長い年月を経て緑豊かな土地になりました。
・その当時を知る者は、動植物含めていないとされています（ドロシー談）
・また、村には子供しかおらず、ドロシーが保護者となっています。
・ドロシーのおとぎ話は彼女の創作もあるが、実際の出来事を元にしたものが多いとのことです。

　それでは宜しくお願い致します。

・花妖精の子供と遊ぶ。

・『おとぎばなし』の本を読む。

・遺跡の調査がてら、散策する。