葦原明倫館

「ヒャッハー！！！」


　パラ実の自称正義のヒーロー、ブレイズ・ブラス（ぶれいず・ぶらす）の叫び声がツァンダ付近の山中に響きました。それと同時に数体の魔物の姿をした動物が倒されます。ザナドゥから来た魔族がツァンダ近郊の山を占拠した事件から数ヶ月、山にはうっすらと瘴気が立ち込めて、凶暴な魔物のような動物や植物が増えていたのです。
　この山に住んでいる筈のツァンダ付近の山　カメリア（つぁんだふきんのやま・かめりあ）は、住処を失ったことをきっかけに諸国漫遊の旅に出ていました。ブレイズはその留守に山に住み込み、瘴気の影響で半魔物化した動植物を退治することで、修行を続けていました。

「おー、相変わらずでスノー。修行の調子はどうでスノー？」

　そこにのほほんと声をかけたのは、冬の精霊ウィンター・ウィンターです。
「おう、悪くねぇぜ！　けどよ……最近瘴気が濃くなってきたようで、半魔物の数が増えたな。修行にはちょうどいいんだけどよ」
　倒れた動物を眺めながら、ブレイズが呟きます。
　このまま瘴気が続けば山にも悪い影響が出てしまうでしょう。カメリアがいれば山を自然と浄化できるのでしょうが、主のいない状態ではそうもいきません。

「うん、その点は問題ないピョン。じきに解決するでピョン！！」

　ウィンターの仲間、春の精霊スプリング・スプリングが告げ、携帯電話のメールを見せました。ブレイズの寝袋を片付けるスプリングに、ブレイズは問います。
「……お？　ってことは――カメリアのやつ、帰ってくるのか？」
　ブレイズの呟きに、スプリングは大きく頷きました。
　その様子を見て、ウィンターは叫びます。
「ならば、パーティでスノー！！」
　カメリアが帰ってくることに便乗して、ウィンターはパーティをして騒ぎたいようです。
「パーティか！　そいつはいいな！！」
　基本的に脳がおめでたいブレイズは、ウィンターの提案に乗ってきたようです。
「カメリアがいない間に、ハロウィンとかクリスマスとか年越しカウントダウンとかお正月とか色々楽しいイベントが終わってしまったでスノー！！
　この際だから全部一気にやってしまうでスノー！！」
「うっひょー、そいつはすげぇ！　お前天才だな！！」

「いや……ハロウィンとかクリスマスとか、その時々の季節やイベントを楽しむものでピョン……。
　全部一気にやるとか意味がわからないでピョン……それにウィンターには冬の仕事があるでピョン……
　遊んでいる暇はとても……」

　スプリングの常識的な突っ込みも、すっかりお脳がホットになってしまった二人には届きません。ブレイズはすでに知り合いにメールを打ってパーティの告知を頼んでしまっていますし、ウィンターはどうやってパーティの料理やお菓子を調達しようか考え始めています。
「ま……いいか……困るのは私じゃないでピョン。ところでブレイズ、パーティ料理の食材とかはどうするでピョン？
　会場はこの山でやるにしても……料理やお菓子には材料費がかかるでピョン」
　スプリングの問いに、ブレイズは自信満々で答えました。

「ああ、任せな。こんなこともあろうかと実家の蔵から持ち出してきたアイテムがあるんだ！！」
　ブレイズは、荷物の中から銀色の剣と銀色の槍、その他にもいくつかの武器を取り出しました。どうやら、その武器で魔物化した動植物を倒すと、毒素や瘴気が抜けて普通の食材になり、食べられるようになるというのです。

「へぇ、それはすごいでピョン……って、それ……」
　スプリングは目を丸くしました。
　なぜなら、ブレイズが取り出した剣と槍、デリシャス・ブレイドとデリシャス・トライデントは、どう見てもただの巨大なナイフとフォークだったのです。

　みなさんこんにちは、まるよしと申します。
　今回が１４本目のシナリオになります。現在ＧＭ業務を休止中ですが、１月後半はわずかに時間を取れそうなので、急遽シナリオを担当させていただくことになりました、よろしくお願いします。
　今後も定期的な活動は未定ですが、忘れた頃にやってきてこっそりとイベントシナリオを担当することになると思います。

　今回は、『ザナドゥの方から来ました』から数ヶ月後のツァンダ付近の山が舞台になる、日常系パーティシナリオです。
　以前のシナリオを参照する必要はありません。
　『山の主であるカメリアが帰ってくるらしいので、便乗してパーティで騒ごうぜ』というのがシナリオの趣旨ですので、ＮＰＣに関わりのないＰＣであってもパーティを楽しむなどしてご参加いただけます。
　カメリアが帰ってくるのは、各校の掲示板にブレイズのパーティ告知が張り出された日から、２日後の夕方です。

　現在、ツァンダ付近の山は麓の湖にある魔界の宮殿の残骸からあふれ出す瘴気の影響で、魔物化した動植物がはびこる魔の山になりかかっています。ブレイズが貸し出す『デリシャスウェポン』シリーズを用いて、魔物化した動植物を退治すると同時に食材を確保し、パーティ料理やお菓子作りを楽しんでください。また、パーティの趣旨に関わらず『こんなパーティやゲームをやりたい』という提案をして遊ぶこともできます。
　代表的な楽しみ方としては、以下のようになります。

　・狩りや修行を楽しむ。
　ブレイズの持ち込んだアイテム『デリシャスウェポン』シリーズを使い、魔物化した動植物を狩って、食材の確保に協力してください。『デリシャスウェポン』の名称・武器のジャンルなどはＰＣの手持ち武器にあわせて適当に変更してかまいません。自分の手持ちの武器を使いたい場合は、敵を倒した後でブレイズが無毒化していくこともできますので、『デリシャスウェポン』を無理に使う必要はありません。
　ブレイズ本人は、ここしばらく決着のつかなかった巨大なサーペント『湖のヌシ』との決着をつけたいようです。ブレイズのように山の魔物たちと戦って修行を積むのもアリです。

　・パーティを楽しむ。
　せっかくなので、客としてパーティの雰囲気や企画を楽しむ。
　友達とワイワイ騒いでも良し、一人でのんびり過ごすのもいいでしょう。他の方が提案したパーティ企画に自動的に参加する可能性もあることをご了承下さい。

　・俺が料理人だ。
　パーティの裏方として、ブレイズたちが調達した食材や、自分で持ち込んだ食材を料理し、パーティの料理やお菓子などを提供します。
　またはメイドやパーティの司会役など、スタッフ的な役割を楽しむこともできるでしょう。

　・俺がパーティだ。
　せっかく人数が集まるパーティですので、ハロウィンや年越しにこだわらないオリジナル企画を提案することができます。
　皆で楽しいひと時を過ごすための、ステキな企画をお待ちしています。基本的にはどのような企画も実現はしますが、『実現した結果、失敗した（参加者がいない、提案者が総スカンを喰う）』などの現象が起こる可能性はあります。

　・俺が食材だ。
　瘴気の影響で山の動物や植物が魔物化していますが、中には山にいるＰＣ（シナリオ参加ＰＣに限ります）にそっくりな姿形をした動植物もいます。これらの動植物は倒すと元の姿に戻りますが、それまではＰＣの姿をしています。アクション内で自分にそっくりな動植物がどのような行動をしているのかを明記してください。指定できるのは、そのアクションをかける本人のみです。
　あくまで姿がＰＣなだけの動植物ですので、能力としては凶暴になっただけの動植物です。装備、服装はアクション内で自由に設定して構いません。本当は何の動植物なのかは、特に指定しなくても構いません（こちらで適当に決定します）。また、数は１体とは限りませんが、１ＰＣにつき１種類に限ります。山中の様々な動植物を１ＰＣの姿で埋め尽くすことはできません。サイズは任意で指定できます。
　ＰＣの姿をしている動植物の例。
　ＰＣの姿をしている熊……外見はＰＣの姿ですが、戦闘能力はあくまで凶暴化した熊です。人間を見ると襲い掛かります。
　ＰＣの姿をしているキノコ……ＰＣの姿で地面から群生しています。食べると毒があったりしますので、きっちり倒して無毒化してください。
　能力は基本的に動植物のものですが、そのＰＣの声で喋ることはできるものとします。その動植物がどういう行動を取っているかは、アクション内で指定してください。

　また、魔法的な影響でこの姿になっていますので、倒した瞬間に元の動植物の姿に戻ります。あくまでコメディシナリオですので、ギャグの範疇を逸脱してＰＣの姿のまま調理されたり食べられたりする、いわゆる『グロ描写』的な描写は行なわれませんので、ご了承下さい。

　武装・スキルはアクションを投稿時の装備がダイレクトに反映されますので、アクション内で装備やスキルを使う場合にはご注意ください。
　残念ながら他ＧＭ様のシナリオやグランドシナリオは基本的に参照できませんのでご了承下さい。キャラの関係などをアクション内で『〜ということがあったので』と説明がある場合はその範囲内で表現したいと思います。
　公序良俗に反するアクションは採用できませんのでご注意下さい。

　ＮＰＣは、まるよしの管理下にある以下のＮＰＣに限ります。アクションがかからなかった場合、リアクションに登場しないことはあります。
　詳細につきましては、お手数ですがマスターページをご参照下さい。

・ツァンダ付近の山　カメリア（地祇）
・ブレイズ・ブラス（シャンバラ人）
・冬の精霊　ウィンター・ウィンター（精霊）
・春の精霊　スプリング・スプリング（精霊）
・四葉　恋歌（地球人）
・機晶姫　ウド（機晶姫）
・バルログ　リッパー（悪魔）
・狐の獣人　カガミ（獣人）
・狸の獣人　フトリ（獣人）
・山羊　メェ（山羊）

　それでは、よろしくお願いいたします。

・狩りや修行を楽しむ

・パーティを楽しむ

・俺が料理人だ

・俺がパーティだ

・俺が食材だ