葦原明倫館

「皆さん、ごきげんよう。実は、少々手伝っていただきたいことがあってよ。お願いできるかしら？」
　ラズィーヤ・ヴァイシャリー（らずぃーや・う゛ぁいしゃりー）そんな文面から始まるメールが、届いたのはつい先程のことです。
　内容は、父の知り合いの娘である令嬢が、望まない結婚を強いられているということで、解決あたれる者を探していると言う内容でした。
　依頼の彼女はちょっとした貴族の一人娘で、彼女の父親が酔って『領地で暴れている賊を片付けた男となら、娘と結婚させてもいい』といい加減なことを言ってしまったのがきっかけでした。
　賊というのは、精鋭ばかりを集めた犯罪者集団で、これまで幾度も捕まえようとしましたが、なかなか捕まえることが出来なかったのです。
　しかし父親の発言後、武器商を営む一人の男が、親玉にこそ逃げられはしたものの、あっさりと解決してしまいました。
　その男は、約束通り娘と結婚させろと迫ってきたのです。
　確かに、あれほど頭を悩ませていた問題を数日で解決してしまう手腕と実力があれば、娘の結婚相手としては申し分ないのかも知れません。
　それに、この武器商の男、最近になり急激に利益を上げているやり手の人物です。
　しかし、あまりに話が上手すぎではないでしょうか？
　そんな疑問から、彼の身辺を調べて欲しいというのです。
「最近、よく深夜に出かけるそうよ。　後をつければ、何か出てくるんじゃなくって？　それと、もう一つ頼みたいのよ」
　更に、メールの文面には続きがありました。
　実は彼女、彼女に仕える執事と恋仲らしいのです。
　二人の立場上、父親には秘密にしていたらしいのですが、結婚の話が持ち上がってしまい、二人の関係を父親に認めさせることに決めました。
　執事は、逃げている賊の親玉を捕まえようというのです。
　親玉を捕まえることが出来れば、父親に自分たちの関係を話す良いきっかけになりますし、領民たちの安全も守れます。
「だから、ちょっと貴方達、この執事と一緒に賊をまとめていたリーダーを倒してちょうだい。彼自身、それなりには戦えるらしいけど、たった一人で敵に挑むのは無理よ」　
　男の申し出で、１週間後の結婚を前提にした婚約パーティが、今夜開かれることになっています。
「酔っていたとはいえ、有力な貴族や富豪たちが大勢集まる社交界の場での発言、理由なく約束を撤回すれば信用に関わりますわ、だから彼女の父親も簡単に撤回は出来なくってよ。皆さんの働きがなければ、彼女は結婚せざるえないでしょうね。だから、頑張ってちょうだいね」
　

　皆様こんにちわ。
　今回は武器商の男の身辺を調査し彼の腹黒い秘密を暴くこと、執事をサポートしながら見つけた賊のリーダーを倒すこと、が目的です。
　武器商は見た目は好青年ですが、実は女にだらしなく、女性が相手だと警戒心が薄れるようです。
　街を荒らしまわっていた賊の親玉は、赤髪と眼帯がトレードマークの『女王様』な女性です。
　この武器商、賊と結託しています。
　捕まった賊は腕っ節が強いだけのどうでもいい手下ばかり、実は精鋭の幹部はそのまま残り、潜伏しているだけなのです。
　この悪者たち、実は結婚後、父親もろとも娘を殺して、地位と財産すべて横取りする事を企んでいます。
　そして執事は、見た目こそ平凡ですが、人格的にも能力的にも優れた人物です。
　いろいろな手段で情報と証拠を集め、執事をサポートしながら賊を倒し、二人が幸せになるよう導いてあげてください。

・パーティ会場で武器商を見張る

・武器商の屋敷に潜入

・武器商を尾行

・執事のサポート