葦原明倫館

　「うわああああああああああああああああああ！？」

　イルミンスール魔法学校の校長室に、初老の男性の絶叫が響きました。

　「いったい何事ですかぁ？　セバスチャン？」

　イルミンスール魔法学校校長エリザベート・ワルプルギス（えりざべーと・わるぷるぎす）が、
　いつものようなのんびりした口調で訊ねます。
　
　セバスチャンと呼ばれた老眼鏡の執事は、温厚そうな顔をこわばらせて震えています。

　「ア、アーデルハイト様が……し、死んでいます！！
　　し、しかも、２人も！！」

　セバスチャンの指し示すとおり、
　校長室の床には、
　エリザベートのパートナーの魔女アーデルハイト・ワルプルギス（あーでるはいと・わるぷるぎす）の死体が
　２体転がっていたのです！！

　アーデルハイトの死体には、それぞれ、胸と背中に銃痕がありました。

　「なーんだ、たししたことじゃないのですぅ。
　　超ババ様に何かあったら、パートナーのわたしもただではすまないのですぅ」

　エリザベートは平然と言い放ちます。
　そのとき、校長室の扉が勢いよく開け放たれました。

　「私を殺すとは……しかも、２回も殺すとは許せん！　絶対捕まえて処刑するのじゃ！！」

　校長室に入ってきたのは、アーデルハイト本人でした。
　
　「ええ！？　アーデルハイト様！？」

　「こんなこともあろうかと、予備の身体を用意していたから良かったものの、
　　その場で復活したら、至近距離からまた撃たれたのじゃ！！」

　アーデルハイトが派手に殺されても平然と復活するという噂は本当だったのです。

　もちろん、不死の存在とはいえ、
　魔女がその場で復活するなどということは、通常では決してありえません。
　強大な魔力を持つ、特別な存在である、アーデルハイトだからこそなしえている、
　アーデルハイトの特殊能力です。　


　「よし、絶対に犯人を捕まえてやるぜ！　ファイヤー！！」

　「犯人をぶっ飛ばしてぶっ殺してやるざんす！！」
　
　魔法学校の熱血男子生徒、ジャック・サンマーと、
　ザンスカールの森の精、ざんすかは、事件を前にやる気です。

　「超ババ様、いったい誰に恨みを買ったんですかぁ？」

　「そんな覚えはない！　
　　犯人の姿は見えなかったが、
　　『あたいのチャンを……チャンを返せ！！』と、言っておった。
　　どうやら父親について恨みがあるらしいが……。
　　私にはまったく身に覚えがないのじゃ！！」

　エリザベートの問いに、アーデルハイトは不愉快そうに断言します。

　「こういう事件の場合、一番疑わしいのは第一発見者ざんす！！
　　というわけで、セバスチャンをぶっ飛ばすざんす！！」

　「え？　ええっ！？」

　「お、おい、ざんすか、さすがにそれは……ゲフッ！？」

　ざんすかからセバスチャンをかばったジャックは、ラリアットで思いっきりぶっ飛ばされました。

　「ああっ、大ババ様あ！？」

　その隙に、アーデルハイトはまたしても殺されていました。
　何者かが、至近距離から発砲したようです。

　「２度ならず３度までも……絶対に許さんぞ！！」
　
　またしても、復活したアーデルハイトが走ってきて叫びました。


　この事件を解決できるかどうかは、皆さんの手にかかっているのです！！

　このシナリオは、前後編で全２回の１回目です。
　前編のみ、後編のみのご参加も大歓迎です。

　イルミンスール魔法学校のシナリオですが、他校の生徒も特に制限なくご参加いただけます。
　（抽選では、イルミンスール魔法学校が有利となります）
　気軽に事件に介入してください。
　どの学校の方でも大歓迎です。

　このシナリオはコメディです。
　
　『蒼空のフロンティア』のシナリオジャンルにはミステリーもありますが、
　このシナリオはコメディです。

　アクションに迷ったときは、シナリオガイドを読み直してノリを再確認したり、
　よりはっちゃけた選択をされるのがよいかと思います。
　自分も楽しみつつ、他のプレイヤーさんも楽しませることができるアクションが良いアクションです！

　皆様の楽しいアクションをお待ちしております！

・アーデルハイトの護衛をする

・第一発見者のセバスチャンを疑う

・乱暴でアーデルハイトを殴ったことのあるざんすかを疑う

・「俺が犯人だ！」と、アーデルハイトを殺そうとする

・アーデルハイトたんの検死をしますハアハア