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狙われた少年

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シナリオガイド

謎の忍び集団に追われた少年を巡ってのチャンバラだ!
シナリオ名:狙われた少年 / 担当マスター: 泉 楽

 麗らかな日差しの中、真田 佐保(さなだ・さほ)はほころび始めた桜の蕾を見上げました。
「もう、春でござるな」
 うーん、と佐保は背伸びをしました。
「春は眠くなるでござる」
「春は曙だっけ?」
 丹羽 匡壱(にわ・きょういち)が尋ねます。
「それを言うなら、春眠暁を覚えず、でござるよ」
「お、そうか。ま、それはともかく、続きだ続き。修行中だぞ、俺たちは」
 春休み。地球に帰った者たちもいますが、佐保は残り、修行に明け暮れています。
 二人が向かい合った時、ハッと佐保が振り返りました。
「どうした?」
「気配が……」
 ここは明倫館の野外訓練場ですから、誰かがいても不思議はありません。ですが佐保が不審に思ったのは、その気配が急に現れ、そしてフッと途切れたからです。
「どこだ?」
 匡壱は訓練用の木刀を握り、佐保が指差す先に近づきました。
 訓練場と外部との間には小さな林があります。その林の外れに、少年が倒れていました。
「おい! 大丈夫か!?」
 慌てて抱き起こそうとした匡壱でしたが、次の瞬間、佐保の声に身構えます。
「そこ!」
 匡壱は咄嗟に少年を抱きかかえ、後方へ飛び下がりました。そして、つい今しがたまで二人がいた場所に、手裏剣が突き刺さったのです。
「誰だ!?」
「あそこ!」
 佐保の指差した先、人影が遠ざかっていきます。動きからして、忍びに間違いありません。
「後は任せたでござる!」
 そう言い捨てて、佐保はその謎の影を追っていきました。
 匡壱は頷き、そして意識のない少年の身体をぐっと抱きしめました。その体中に擦り傷がついていました。


 葦原明倫館の治療室で目を覚ました少年は、最初、自分がどこにいるか分からずにパニックを起こし、逃げ出そうとしました。プリーストである医者がどうにか押さえつけ、ここは安全だと説くと、納得してまた意識を失ってしまいました。今度は眠っているだけだ、と医者は言いました。
 三時間後、ようやく覚醒した少年は当麻(とうま)と名乗りました。年は十歳です。
「何があった?」
「よく分かりません……」
 女の子のように可愛らしい声で、当麻はかぶりを振りました。
「神社で遊んでいたら、見たこともない侍たちが襲ってきて……」
 その時の恐怖を思い出したのか、当麻はごくりと喉を鳴らしました。
「よく逃げられたな……」
「通りがかりの忍者が助けてくれたんです。多分、ここの学校の人だと思います」
「その、襲ってきた侍に心当たりはあるか?」
 当麻はかぶりを振りました。生まれてからずっと母親と二人暮らし。母は毎日、一膳飯屋に働きに出ていると言います。店に侍が来ることはあっても、当麻が狙われるとは考えられません。
 一体どういうことなのか、匡壱は佐保の帰りを待つことにしました。


 程なく佐保が戻ってきました。
 忍者を追っていくと、連中は一人の侍と合流したといいます。当麻を襲った侍たちの一味、おそらくは頭目でしょう。羽織袴のきちんとした姿だったことから、佐保はどこかの家中の者に違いないと当たりをつけました。
 連中の話を聞こうとしましたが、その時、頭目の侍に気づかれてその場を離れるしかありませんでした。
 そのサムライの人相風体を聞いた匡壱は、おやと思いました。彼の記憶に間違いがなければ、その男は九十九 雷火(つくも・らいか)という諏訪家に仕える侍です。
 諏訪家は丹羽家と同じく、葦原藩の古い家柄です。
 そこにゲイル・フォード(げいる・ふぉーど)がやってきました。
「あ、忍者さん!」
「おお、無事だったか」
 どうやら当麻を助けたのはゲイルだったようです。ゲイルは当麻を逃がした後、侍たちを追い、彼らが甲斐家に入るのを見届けました。
「なるほどな」
と、匡壱は頷きました。
 甲斐家もまた、葦原藩の家臣です。当主は甲斐 主膳(かい・しゅぜん)。病気がちで早くに跡目を息子に譲りましたが、その息子も昨年死去。再び彼が当主となっています。そしてその奥方の実家が、諏訪家なのです。
「つまり、甲斐家の奥方が、実家を使ってこの子を狙ったということでござるか?」
「何のために?」
「さあ? そこまでは?」
 匡壱は首を傾げました。


 さあ、当麻はなぜ狙われたのか。
 甲斐家の奥方の狙いは?
 次にどんな手を打ってくる?
 匡壱たちはどうする?

担当マスターより

▼担当マスター

泉 楽

▼マスターコメント

 こんにちは。泉 楽です。
 今回のシナリオは、当麻という子供を助ける話です。甲斐家の奥方が実家の諏訪家の力を借りて、当麻を誘拐しようとしました。理由は分かりませんが、このままでは、また狙われます。何とかしてあげなければ。というわけで、何とかしてあげましょう。ジャンルは一応冒険ですが、謎解き(ミステリー?)も少し入っているかもしれませんね。
 忍者集団は甲斐家のお抱えです。侍は諏訪家の人間ですが、九十九雷火は、主に忍者といます。でも場合によっては諏訪家にも現れます。両家の連絡係も兼ねていると思ってください。ちなみに強いです。
 甲斐家の当主に会うには、それなりの手段を取らなければいけません。諏訪家も同様です。その際、「丹羽家のコネを使う」ことは不可とします。
 ちょっとした時代劇のような話です。チャンバラおっけー、隠密行動おっけー。楽しんでください。
 なお、葦原明倫館以外の生徒は、どんな理由でやってきたか、例「観光に」「友達に会いに」等々書いておいてください。適当な理由で結構ですので。
 それでは皆様のご参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・甲斐家の当主に会う。

・諏訪家に忍び込む。

・当麻の母親を訪ねる。

・九十九の味方になる。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2011年03月19日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2011年03月20日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2011年03月24日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2011年04月07日


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