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終身名誉魔法少女豊美ちゃん! 2『今のボクを誰も抜けないんだな』

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終身名誉魔法少女豊美ちゃん! 2『今のボクを誰も抜けないんだな』

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シナリオガイド

族を率いて夜の街を爆走するモップス、魔法少女はこの事件をどう解決する?
シナリオ名:終身名誉魔法少女豊美ちゃん! 2『今のボクを誰も抜けないんだな』 / 担当マスター: 猫宮烈



●夕方:空京

「はぁ……これで今日の買い物はおしまいなんだな。
 いい加減リンネも、ボクに家事の全部を任せるんじゃなく、自分でやってほしいんだな」

 賑やかな空京の街を歩く、両手に買い物袋を抱えた彼、モップス・ベアー(もっぷす・べあー)
 今日も今日とて、リンネ・アシュリング(りんね・あしゅりんぐ)に頼まれた雑用をこなしていたモップスが、はぁ、と空に向けてため息を吐きます。

「はぁ……ボクの人生、このままでいいのかな」

 若い頃はそれなりに、夢や希望を抱いていたはずなのに。
 気付けば人生(彼はゆる族だが)も折り返しを過ぎ、これといった成功もなく、毎日をパートナーの使い魔という名の下僕として過ごす。
 別に、その生活が不満なわけじゃない。……だけど、ふと「これでよかったのだろうか」と思うことはある。

『あなた、悩みを抱えているようね。
 それも明確なものでない、漫然とした悩みを』


 どこからか聞こえてきた声に、モップスは足を止め辺りを伺います。
「だ、誰なんだな!?」
『ふふふ……こっちよ、こっち』

 建物の隙間から、ふわり、と黒髪がなびき、陰の向こうへ消えます。
「あなたは心の奥底で望んでいる。自分の思い通りに力の及ぶ居場所を。
 そこでのあなたは、そう、自由。何をしても咎められない、何でもすることが出来る。……違うかしら?」
「…………」
 声だけの相手に、モップスは本能的に危険であると感じながら、言葉を否定することは出来ませんでした。

「私の元に来なさい。そうすればあなたに、あなたが望む居場所をあげる。
 あなたが自由に振る舞うことの出来る場所をね」

「…………」

 どさ、と買い物袋が地面に落ち。
 モップスの姿が、陰の向こうに消えます――。


●朝:豊浦宮

「おはようございますー」
「おはようございますー」
 元気な声で挨拶をする飛鳥 豊美(あすかの・とよみ)鵜野 讃良に対し、飛鳥 馬宿はひどく不機嫌な様子でした。
 よく見れば目元にはクマが出来ており、あまり眠れていないようです。
「ウマヤド、どうしたんですか?」
「ええ……どうも近頃、よく眠れないのです。どうやら街を暴走する族が出現しているようなのです」
 馬宿の耳は『十人の話を一度に聞き取れる』ほど良いため、族の発する音が耳障りで眠れないでいたのでした。
「そうだったんですかー。うーん、それは街の皆さんに迷惑ですねー。
 魔穂香さんと六兵衛さんにも話をして、止めていただくようにしてみましょうー」
「……実力行使はなるべく控えて下さいよ、おば……豊美ちゃん」
「失礼ですねー、いきなりそんなことはしませんよー」
 そんな会話をしていると――。

「豊美ちゃん! 大変、モップスが!」

 随分と慌てた顔をして、リンネが飛び込んできました。手には何やら手紙のようなものを持っています。
「モップスが、この置き手紙を残していったの。これが本当なら、今モップス、暴走族のリーダーになってるみたい!」
 渡された手紙に一行が目を通すと、外見からはあまり想像もつかない綺麗な字で、しかし内容は日々の恨みつらみを延々と書き殴った挙句、仲間のゆる族と共に族を結成した旨が綴られ、「ボクは今日から自由になるんだな。誰もボクの邪魔をさせないんだな」と締めくくられていました。
「ウマヤド、もしかしてこれって……」
「ええ、おそらく街に出現した族は、モップスさんが率いていると見ていいでしょう。これは我々が動く必要がありますね」
「分かりました、皆さんに事情を説明しておきましょう。
 ……ところでリンネさん、モップスさんに家事のほとんどを任せているというのは本当ですか?」
 豊美ちゃんの問いに、リンネはバツが悪そうに頷きます。モップスが変貌してしまった原因は定かではありませんが、リンネがモップスをこき使っていたのは事実のようです。
「モップスさんのしていることは良くないことです。ですが、モップスさんにお仕置きをしても本当の解決にはならないと思います。
 リンネさんには少しずつでも、家事が出来るようになってもらう必要があると思います」
「う、うん……確かに必要だって思うけど、でも、どうやったらいいか分かんないし……」
 弱気な表情のリンネに、豊美ちゃんが優しく微笑みかけます。
「大丈夫です、私、心強い味方を知ってますから。それに、皆さんも力を貸してくれるはずです。
 ……そうです、教室を開くのはどうでしょう。参加者の皆さんで料理や掃除、洗濯などの家事を楽しみながら学ぶんです」
 どうでしょう? と尋ねるような視線を向けられ、馬宿は苦笑しつつ答えます。
「場所がイルミンスールであれば、空京よりは手続きが楽でしょうね。讃良様にとっても良い経験になるでしょう」
「そうですねー。ではウマヤド、お願いできますか?
 讃良ちゃん、お母さんと一緒にお出かけしましょうー」
「わーい!」

 その後、豊美ちゃんの言う『心強い味方』、ミリア・フォレスト(みりあ・ふぉれすと)の協力を得て、カフェテリア『宿り樹に果実』での『家事教室』が開催される運びとなったのでした。
 その一方で、街を騒がせている族に対しては――。

●夜:空京

 車通りの無くなった道の向こうから、重厚なエンジン音を響かせながら一台のバイクがやって来ました。その背後を無数の、派手な電装を施してあったりノボリをつけたバイクが追従します。
 道を我が物顔で走り抜ける彼らこそ、モップスが結成した族、『ビッグ・ベアー』でした。

「今のボクは自由なんだな! 誰もボクの邪魔はできないんだな!」
 叫ぶようにエンジンをふかし、サングラスをかけたモップスはどことなく、生き生きとしているようでした。
(うふふ……ゆる族の者は主人にこき使われ、鬱憤が溜まっている。私はそれを解放してあげる代わりに、力を貸すよう取引をした。
 戦力としては頼りなく見えるけど、今や彼らは私の忠実な下僕。このまま多くのゆる族を取り込んで、魔法少女なんか轢殺してあげる!)
 その隣、サイドカーに乗車する少女、姫子は自身の立てた計画が見事にハマっていくことに喜びを覚えていました。

「そこまでッスよ! これ以上の悪事は現代最強魔法少女、まほか☆マギカが許さない――」
「勝手に名乗りあげないでよ! それにその魔法少女名、どうみたってアウトじゃない!」

 えっへん、と胸を張って名乗りを(自分のではなく魔穂香の)あげた馬口 六兵衛を蹴り飛ばし、馬口 魔穂香が乗ってきた箒を銃に変え、モップスに向けます。
「……私のネトゲ時間を妨害した罪は、重いわ。今から謝ってももう遅いの、覚悟して頂戴」
 魔法少女の使命というよりはとても個人的なように思える理由で対峙する魔穂香に、モップスは口元を歪めます。

「正面から殴り合った所で、ボクたちに勝ち目はない……けれどボクたちには『愛機』がいる!
 魔法少女、バイクレースで勝負なんだな!」


 高らかにモップスが宣言すると、辺りの景色が変わり、チューブのような空間がどこまでも続く場所へと移動させられていました。
「キミたちの誰か一人でも、ボクの前に出たら勝ちなんだな。キミたちが勝てばボクたちはこの街から出ていくんだな。
 だけどボクたちが勝てば、キミたちがこの街から出ていくんだな!」

 波乱の展開が予想されるバイクレース、果たして魔法少女たちはこの事件をどう解決するのでしょうか――。

担当マスターより

▼担当マスター

猫宮烈

▼マスターコメント

バイクはそれなりに好きですが、ヘルメットが入りません。
……猫宮烈です。

『終身名誉魔法少女豊美ちゃん!』第2回、前回の最後で示したように姫子がモップス(とゆる族)を引き込み、バイクレースで魔法少女に戦いを挑んできました。
一方、モップスが変貌してしまったのには、リンネが家事をモップスに任せきりにしていたのが背景にあるかもしれないと考えた豊美ちゃんは、ミリアに協力を頼み家事教室なるものを開くことに決めました。
カフェテリアでの和気あいあいとした時間と、ハチャメチャな展開が予想されるバイクレース。
さあ、魔法少女の出番です。

●シナリオについて
大まかに、家事教室パートとバイクレースパートに分かれています。

家事教室パートは、豊美ちゃんと馬宿、讚良ちゃん、ミリアと一緒に家事教室への参加、がメインとなります。
『豊浦宮』(もしくは『INQB』)所属の魔法少女はこのイベントのことを事前に知らされています。
今回はカフェテリア『宿り樹に果実』が舞台なので、イルミンスール生徒も教室のことを耳にしているでしょう。

パートナーと一緒に家事をしてみる、あるいは普段家事をしないパートナーに家事を覚えさせる。
讃良ちゃんにお手本を示してあげたり、豊美ちゃんと馬宿とではやっぱり馬宿が家事担当なのか聞いてみたりしてみてください。


バイクレースパートは、魔穂香と六兵衛と共にバイクレースに参加、がメインとなります。
場所は空京になります。街を訪れていたら巻き込まれた、あるいは魔法少女として、ハチャメチャなバイクレースを体験しましょう。
以下、バイクレースのルールを説明します。

・必ず、『乗り物』に分類されるアイテムを装備しましょう。
 高性能な乗り物はアクションが相応でないと、『乗りこなせてない』と判定されるかも。
・コースは一本道、チューブ状になっています。地面を走るタイプも、天井を普通に走れちゃいます。
・ハチャメチャなので、もちろん走るだけじゃなく攻撃オッケー。
 というか相手、派手なバイクを駆るゆる族たちもバカスカ攻撃してきますのでご注意を。
・速度(回避力)重視か、攻撃力防御力重視か、ネタ重視か。
 アクション次第でネタカーが思わぬ結果を叩き出す……かも。
・モップスが姫子に力を与えられているように、ゆる族が姫子側に加わる場合、同様に力を与えられます。
 いつも踏みつけられている(あくまで姫子の想像ですが)腹いせに、魔法少女をコテンパンにしてやりましょう。
・取り巻きのゆる族からの攻撃をかいくぐり、モップスと姫子の乗るバイクより前に出るか、何らかの手段でバイクを止めれば勝ちです。
 勝てばモップスの支配も解けます、が、もし負けた場合は……?

あ、家事教室とバイクレース、両方に参加しようとするのは流石に欲張りですよ?
どちらか1つにしてくださいね。

それでは、どうぞよろしくお願いいたします。

▼サンプルアクション

・魔法少女として、家事教室に参加する

・家事教室に参加する

・魔法少女として、バイクレースでモップスに勝利する!

・バイクレースに参加して(巻き込まれて)みる

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年03月18日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年03月19日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年03月23日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年04月06日


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