葦原明倫館

　海の城に契約者達が閉じ込められたというアクアマリン事件から、数日経ったある晴れの日の昼下がり。
　空京のとある女性向け大型ショッピングモールに、少女達が楽しそうに買い物をしている姿がありました。
　そんな少女の一人ジゼルには、常識から外れた部分が多々ありました。

　その一つが、下着。

　海底で生まれ育ち、下半身が魚の尾の状態が本来の姿である彼女は、
　生まれてこのかた下着というものを身につけた事が無かったのです。
　それを聞いてとても驚き慌てた友人の雅羅・サンダース三世（まさら・さんだーすざさーど）は、
　とりあえずにと自分のお古でも良ければとジゼルに下着をあげたのですが……、
「でもね、雅羅の下着は私には大きかったみたい。
　この下に履いてる……ぱんつは大丈夫なんだけど、ぶらじゃーがスカスカするのよ。
　つまり雅羅は胸が大きいのね！！」
「そそそんな事大きな声で言わないで！！！」
　慌てる雅羅の隣では、ジゼルに出来た新しい友人泉　美緒（いずみ・みお）が何やら目を潤ませながら下着を手にしています。
「これも……この花柄も……ああ！　こちらのうさぎちゃんまで！！
　雅羅様見て下さい！　ここのお店、わたくしのサイズも有りますわ！」
「よ……良かったわね」
　限界突破とも言えるような豊かな胸を震わせ感動している美緒を見て、ジゼルは首を捻って商品を物色します。
「むー……寄せて上げるプッシュアップタイプか……
　これにしたら雅羅や美緒みたいに大きく見えるかしら。
　ね、アリサ！！」　
　満面の笑みを向けられ、アリサ・ダリン（ありさ・だりん）は顔を引き攣らせます。
「そ、そうだな……」
　そしてこっそり自分の胸をチラリと見てはがっくり項垂れてしまいました。
「……レースにドット、イチゴぱんつ、しましまぱんつ……下着って色々なものがあるのね」
「まぁここは美緒のサイズもあるくらいだから特別よ。
　ワンフロア全部下着売り場で男子禁制の女の園。遠慮無しに選び放題。ちょっとしたものなのよ」
「ふぅん。本当にすごいのね。あれなんて宝石がついてるし」
　そう言ってジゼルが指差すのは店内の中央に飾られている商品です。
　驚く事にブラジャーのストラップやレース生地の上に、そして極めつけには中央部分にまで
　大小様々な大きさのダイヤモンドが散りばめられていたのです。
「お気に召されましたか？　こちらは人気ブランドのヴィクトリーシークレット５周年記念モデルなんですよ」
「あのでもこんな高いもの私達には……」
「いえいえ、こちらはキャンペーン中で記念に皆様にご自由にご試着頂いているんですよ。
　お客様達も宜しかったらあちらで……」
「なんだか面白そうね、着てみましょうよジゼル。
　手伝ってあげるからついでにこのおソロの色のスリップと……私も何か試着ちゃおうかな」
「わたくしもこれを着てみますわ」
　珍しく自分のサイズで可愛いものを見つけうきうきと足取りの軽い美緒、それに密かに”盛り盛りアップブラ”を握りしめたアリサ、
　こうして四人はそれぞれの思いを胸に更衣室へ向かいました。


　しかしフロアの影ではそんな彼女達を密かに覗き見て居る者達が居たのです。
「店ん中から通信だ、例のものは女子高生のグループが試着しているらしい」
「これで何度目の試着だよ。このままじゃ何時まで経っても手に入らないぜ」
　怪しげな男たちに気付いた警備員がこちらへやってきます。
「お客様？　失礼ですけれど、このフロアは男性のご入場をお断り頂いているのですが」
　仲間たちと目配せをした男の一人は、突然立ち上がると警備員を殴りつけました。
「もうこうなったら自棄だ！！
　片っぱしから女をひんむいて例のもんを見つけたらダイヤモンドごと盗んじまえ！！」
　叫びながら店に飛び込んだ怪しい男たちは、強盗団のメンバーでした。
　拳銃を手にしたまま下着売り場へズカズカと進んで行きます。
「きゃああああああ変態よ！！！」
「銃を持ってるわ！」
『お客様にお知らせ致します。只今館内に武器を所持した強盗団らしき集団が侵入し……』
　館内放送が流れる中、
　フロア内はキャミソールやブラジャーのままの女性客達があちらへこちらへと逃げ回り一瞬にして大パニックになってしまいました。
　勿論同じ様に放送を聞いて四人は試着室の中から隣の試着室に向かって小さな声で話し合います。
「皆様ご無事ですの！？」
「皆どうしよう、私商品の下着着たままだし……」
「兎に角いいから上にスリップだけでも着て出てしまえ」
「ホラ、私たちも逃げるのよ！！」
　下着姿の雅羅、美緒、アリサ、そして強盗団の狙う下着を着たままのジゼルは試着室から逃げ出しました。

※こちらのシナリオは「夢見月のアクアマリン」の続編に当たりますが、
　ヒロインが同一であるという以外は殆ど関係無い内容ですので、前回参加頂いていないお客様もご参加頂けます。

　皆様こんにちは、東安曇です。
　今回はショッピングモール（という名のほぼ下着売り場）でのドタバタ劇に参加して頂くシナリオです。
　強盗団の悪の手から雅羅達を守る。件の女子高生と間違われ事件に巻き込まれる。
　どさくさに紛れて下着姿の女の子においたをする。等など、コメディ的に楽しんで頂けると嬉しいです。
　また、前回同様オリジナルＮＰＣジゼルのプロフィールについては東のマスターページをご覧ください。

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【建物・ＮＰＣの行動】
　ショッピングモールは三階建て＋屋上の建物です。
　一階は食品売り場、二階は服や雑貨等ファンシーショップ系。ここまでは男性客が入る事は可能です。
　屋上は小さな遊園地。下着のフロアは三階で、二階迄の客達は放送を聞いてほぼ店外へ避難済みです。
　
　四人のうちジゼルと雅羅は一階に、美緒とアリサは二階に逃げました。


【強盗団】
　ダイヤモンドのブラジャーを狙う一団で、男性ばかりの３０名程度のグループです。
　何れもフロアの隅や下階に隠れて居た為、誰がダイヤモンドのブラジャーを付けて居るか気付いていません。
　そこで彼等は女装をして下着売り場に潜伏していた５人の情報を元に、
　雅羅達や女子高生風の女の子達を闇雲に追いかけてきます。


【注意】

※１
　キャラクターに対するセクハラ行為的行動は、あくまでギャグハプニングとして描写出来る程度にとどめて下さい。

※２
　配偶者や恋人関係外のＰＣさんにセクハラ的行動を取られてＯＫな方は、
　アクションに【どんとこい】とご記載ください。

　また、特定のお相手だけにセクハラを許す場合は、アクション欄に【ＰＣ名】をご記載ください。
　（サンプルアクションを参考になさってください）
　こちらの記載が無いＰＣへのセクハラアクションは失敗する場合が御座います。
　
※３
　パートナーの女性ＰＣさんが下着売り場にいる、
　という（外見や主だった内面が）男性ＰＣに限りまして、スタート時に別行動をとる事が可能です。
合流頂いた後は、再び分かれるとダブルアクションになってしまいますので、ご注意下さい。

※４
　見た目や心が女性のＰＣ、「我こそは！」と変態・覗き魔を自称する方以外は
　女性下着売り場フロアからのスタートはご遠慮下さい。

　また、下着売り場からスタートした女性ＰＣさんは下着姿での出演になります。
　不可の方は【下着不可】とアクション欄にご記載下さい。

・リベンジ！

・女の子を守る！

・強盗団と戦闘！

・館内暴走！