葦原明倫館

　校長室の椅子に山葉　涼司（やまは・りょうじ）は仏頂面で座っていた。
　厄介な依頼を引き受けてしまったらしい。
「環菜と取り引きのあった地球上のとある大会社の御曹司が、お忍びでパラミタにやってくるんだ。その警護を頼まれたんだが……」
　御曹司の目的は花嫁を探すこと。地球上ではお眼鏡に適う女性が見つからないということだが……。
「問題点は３つだ」


　ひとつめの問題は、大会社の息子である為に結婚を快く思わない役員がいるらしく、花嫁探しを邪魔しようという者がいること。
　まさか命までは狙ってこないだろうが、邪魔する為には手段を選ばない可能性もある。
　パラミタでの花嫁探しの為にどんな相手が役員側に雇われ、邪魔をしてくるか予想も付かないことから、御曹司を常に守らなければいけないこと。


　ふたつめは、御曹司は特徴のある姿をしている為に、花嫁探しの場では仮面を付けた舞踏会を開くということ。しかもその会場はこの蒼空学園の体育館を使うらしい。
　その上で、彼の満足できる花嫁を「絶対に」見つけさせろというのだ。
　地球上を探しても見つからなかったのに、果たしてそう簡単に見つかるのか。


　そして最後の大きな問題として、御曹司自身が相当に変わった趣味を持っているらしい。
　美的感覚が人よりかなりずれていて、例を挙げれば猫や犬よりも蜘蛛やカマキリなどを可愛いと言ったりする。
　人に対しても同様で一般的な美人には興味がないどころか、鳥肌を立てる始末。そんな男の花嫁など見つかるのだろうか。


「環菜の古い付き合いらしいしな、適当な対応するわけにもいかねえし。ってことで、いっちょ頼むぜ、お前ら。ほら、これが会場の入場チケットだ」
　涼司本人は愚痴っていたが、実質すべてこちらに丸投げしようとしている。
　気は乗らないだろうが、今から開催される仮面舞踏会の会場に向かってほしい。
　面識もない御曹司の結婚相手、無事に見つかるといいが。
「一応、一般の奴らのお見合いも兼ねているパーティらしいが、恋人探しは程々に、任務優先で頼むぞ」

こんにちは。はじめての方は、はじめまして。
マスターの浮浪と申します。
少し間が空いてしまいました、マスターシナリオを今回で３度目の執筆となります、よろしくお願い致します。

今回はバトル要素が少ない、やや恋愛寄りのシナリオを選んでみました。
とは言っても、みなさんの選択次第では花嫁探しはそっちのけにバトル展開になってしまいますが。


大まかには「御曹司を守ること」「御曹司の花嫁を探すこと」が目的です。
補足しておきますと、御曹司を狙う輩は決して多くはありません。
あまり殺伐とせずに、仮面舞踏会を楽しんでいただけたら嬉しいです。
恋人を探してみるのもいいですね？

・御曹司の身を守る

・御曹司に見初められる

・他の異性とラブシチュエーション

・恋愛なんて許せない！