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老魔導師がまもるもの 後編

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シナリオガイド

きみの手を、僕の血が汚さぬように。 立ち向かうべきは、解かれし呪いのいざなう悲劇。
シナリオ名:老魔導師がまもるもの 後編 / 担当マスター: 640

 その瞬間、詩壇 彩夜(しだん・あや)が見たもの。虚空へと飛び散るその紅の飛沫は、年老いた魔導師の身体から溢れ出る鮮血でした。

「お婆ちゃんっ!!」

 くずおれ、倒れ伏す老魔導師に彩夜は駆けより、彼女を抱き起こします。
 老婆の差し出す、震える右手を握り返し、彩夜は必死になって助けを呼びました。
 誰か。──誰か、お婆ちゃんに、手当てを。

「彩夜っ!!」
「先輩、お婆ちゃんが、お婆ちゃんが……っ!!」

 彼女の声に気付いた雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)が駆け寄ってくるその戦場は、まさに地獄絵図としか言いようのない光景が広がっています。
 機晶姫が、魔鎧が、剣の花嫁が。そのパートナーたちに刃を向け襲いかかり、刃と刃の応酬を繰り広げる。ほんの数刻前まで穏やかな憩いの場所であった教会は、そんな目を覆うような状況へと変貌を遂げていたのです。

 これが、呪い。穢された霊脈によって生み出されし、混乱。
 どうすればいいかを知るお婆ちゃんも、わたしを庇って──……おろおろと、老婆を抱えたまま狼狽える彩夜を、雅羅が叱責します。


「落ち着いて!! あなたがしっかりしなくてどうするの!! こんな傷、すぐに……っ!?」

 暴走した魔鎧と、そのパートナーの鍔迫り合い。その末弾かれた剣が避けようのない速度で回転をしながら、老婆の手当てにしゃがんだ雅羅たちのもとへと向かってきます。
 ああもう、よりにもよってこんなときに。──いけない。この子たちを、守らないと。とっさに後輩と老婆とを抱き寄せ、雅羅は彼女たちを庇います。
 避ければ、ふたりに当たる。避けるわけにはいかない。それゆえ痛みと、最悪の状況を覚悟しながら。

 しかし。

「大丈夫ですか?」 

 剣は、彼女たちを襲いはしませんでした。

 間一髪、三人へと迫る刃を、駆けつけた遠藤 寿子(えんどう・ひさこ)の杖が弾き飛ばします。彼女に続き、武装した面々が剣戟ぶつかりあうその場に次々と躍り込んできます。
 どうやら、救援がきたようです。
 暴走させられた仲間たちを、止めるため。まだ完全には封印の解けていない、呪いを抑え込むため。
 老婆の守ってきた場所を、壊さないために。

「詳しい事情はわからないけど、後続もすぐに来てくれるって聞きましたっ!!」

 寿子の声に雅羅も頷きます。そして、ヒールの準備に専念します。

「いい、彩夜。この場所や、子どもたちや。ツァンダじゅうを呪いから守るためにも、みんなの力をあわせないといけないの」

 きっと、なにか方法があるはず。言い聞かせる雅羅に、彩夜も息を呑み、首を上下させました。

 さあ、パートナーたちの絆を守るために皆さんの力を、貸してください。

担当マスターより

▼担当マスター

640

▼マスターコメント

 ごきげんよう。ゲームマスターの640です。シナリオガイド『老魔導師のまもるもの』後編をお送りします。

 さて、前編において解かれてしまった──正確には「解けかけている」封印、それは『生命ならざるモノへの呪律』と呼ばれるものでした。
 教会地下の霊脈にかけられたこの呪いは機晶姫や、魔鎧や、剣の花嫁といった「人間や悪魔といった他者の手によって命を与えられた、本来命を持つことのないもの」あるいは「ヒトの手によって造り出されたもの」であるパートナーたちの自我を奪い、その者の「最も信頼する相手」を「最も忌むべき相手」として敵と認識し殺意を与え、排除させる恐ろしい呪いです。
 ですが現段階では封印は完全には解けておらず、そのためレベルが70以上であれば、襲いかかる身体は止められないまでも自我を保つことはできます。
 レベルが90以上ならば、全精力を傾ければどうにか振り下ろそうとする剣を押しとどめることができるかもしれません。無論個人差はある程度、出てくるでしょうが。
 ともあれなんにせよ、放っておけばいずれそういった人々も自我を失っていきます。また呪いに支配されたその精神は負荷に耐えきれず、そのうちに崩壊してしまうでしょう。この呪いの封印が完全に解けきり、ツァンダじゅうの霊脈へと広がる前になんとかしなくてはなりません。

 前回の、前編より参加されている方々は引き続きこの教会にて事件に巻き込まれるかたちとなります。
 また今回より参加される方々は夜の客としてであったり、田舎のフィールドワークの最中に巻き込まれたり。あるいは、教会と霊脈に発生した異変に、その様子をモニターしていた蒼空学園より依頼を受け救援・再封印のためのチームとして教会を訪れる人もいるでしょう。

 そんな皆さんのとるべき行動は、数多く分かれています。
 完全に封印が解けきる前に負傷した老魔導師を助け、彼女の指示の通りに再び、教会の四方へと魔力(SP)を打ち込み、霊脈を遮断すること。そして、封印を張りなおすこと。
 暴走する各々のパートナーを食い止め、信頼しあう者同士が刃を向けあう状況を止めること。
 孤児院の子どもたちを、避難させること。
 封印を破壊したテロリストたちを追い、捕らえること。

 今回、NPCとしては夏來 香菜はこの場を離脱したため、参戦しません。代わりに、救援チームとして派遣されたメンバーの一員として遠藤 寿子が加わります。
 雅羅と彩夜は老魔導師や負傷者の治療に当たり、その後雅羅は負傷者や子どもたちの避難へと、彩夜は封印の作業にまわるようです。
 
 それでは、皆さんの参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・呪いを遮断し、霊脈を再封印する。

・暴走したパートナーを止める。

・パートナーに襲われた人々の助けに入る。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2012年06月27日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2012年06月28日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2012年07月02日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2012年07月17日


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