天御柱学院。
「ヴァーチャルシミュレーターが暴走?」
(タチの悪いバグが発生したようだ)
コリマ・ユカギール校長が、辻永 翔にテレパシーで伝えてきます。
(戦術・戦略研究用のシミュレーターが暴走し、
訓練中だった天御柱や他校の契約者の意識が、バグに取り込まれてしまっている。
中には、兵法を研究中だったハイナ・ウィルソン校長も居る……。
このまま放っておけば、彼らは二度とこちらへ戻ってこれなくなるだろう。
既に各校にも応援を要請している――
契約者が揃い次第、救出作戦を開始する予定だ)
「了解。……って、なんか前にもこんな事があったような気が――」
ともかく、しばらくの後。
集まった契約者たちはヴァーチャルシュミレーター装置に乗り込んでいました。
(これより、お前たちにはバグが構築したヴァーチャル世界へと乗り込んでもらう。
バグのコアを破壊することが出来れば、シミュレーターは正常な機能を取り戻し、全ての生徒は解放される。
行き先は戦場だ。
このシミュレーターに集められた地球上の名将たちに見事討ち勝つのだ。
一本の矢は容易く折れるが、その矢が束になれば、いずれイコンの一撃にも耐えられよう)
「……言いたい事はなんとなく分かるけど……」
(行け、戦乱の覇者たちよ。
敵本陣に居る魔王・織田信長こそがバグのコアだ。
地球の歴史に残る名将たちを討ち破り、信長を討ち倒すのだ)
ヴンッ、と装置が作動して、契約者たちの意識はヴァーチャル世界へと入り込んでいったのでした。
■■■
鳴り響く鬨の声。
轟く足音と何千という雄叫び。
空に弧を描く無数の矢。
鋼鉄を纏う騎士団、騎士団に立ち向かう矛兵団、刀一本で戦場に舞う一騎当千の猛将――
そこは、確かに戦場でした。
「良く来てくれた。感謝するでありんすよ」
シャンバラ軍の大将ハイナは、早速あなたに1000の兵を与えました。
「和洋中の名将が与する織田軍の兵力は、わっちらシャンバラ軍の約3倍。
圧倒的に不利な状況でありんすが――
この戦、絶対に負けるわけにはいかない。
兵を率いて戦場を制し、信長を討つでありんすよ!!」