葦原明倫館

　
「帰りに少しよってみたけど……なんだか慌ただしいじゃん」
　ニルミナスの村。ちょっとした依頼をこなしてきた熾月　瑛菜（しづき・えいな）はその帰りにこの村に訪れていました。
「あ、ミナホちゃんだ」
　瑛菜のパートナーであるアテナ・リネア（あてな・りねあ）はこの村の村長である女性、ミナホを見つけて声を上げて手を振ります。
「あれ……？　瑛菜さんにアテナさん。もしかして依頼を受けてくれたんですか？」
　二人に気づき近づいたミナホはそう言います。
「？　依頼？　いや、あたしらは面倒事終わらせた帰りにちょっとよっただけだけど……なにか困ってんの？」
「実は森の再調査をしようと思ってるんです」
　森に生えている薬草を野盗たちに悪用されたりしたため、そのようなことを防ぐためにとミナホは言います。
「それと、村の開発を進めるにあたって、村周辺にある資源をまとめようと思っていて、森近くの鍾乳洞を調査することになっているんです」
　森の方の調査も悪用防止以外にそういった村興しの一環という側面があります。
「森と鍾乳洞の調査ね。人手が足りないんじゃないか？」
　ミナホの言葉に瑛菜はそう感想を言います。
「森の方は再調査になりますし、今は危険もほぼない状況ですが、鍾乳洞の方はほぼ手付かずですから……」
　そのために契約者たちに依頼を出していたとミナホは言います。
「すみません瑛菜さん。本当ならこの村をゆっくり案内して観光がてらに休養してもらいたかったんですけど……お構い出来ませんが宿の方は用意しますのでゆっくりお休みください」
「たまにはお前も休んだらどうじゃ。ミナホ」
　ゆっくりと歩いてきてそう言うのはミナホの父でもある前村長です。
「こっちで調査の方はやるから、お前は瑛菜さん達に村を案内して差し上げなさい」
「いいんですか？　お父さん」
　ミナホの言葉に前村長は頷きます。
「そういう事なので瑛菜さん。私にこの村を案内させてもらえませんか？」
　そうミナホは提案します。
「いや、村の案内はありがたいけど、別に調査が終わってからでも――」
「――いいんじゃないかな。瑛菜おねえちゃん。案内してもらったら」
「アテナ？」
「森のほうだったらアテナだけでも大丈夫だから、瑛菜おねえちゃんはゆっくり休むといいんだよ」
「アテナがあたしから離れて行動するとか言うなんて……熱でもあるんじゃないか？」
　甘えん坊のアテナにしては珍しいと瑛菜は言います。
「むぅ……瑛菜おねえちゃんにはゆっくり休んで欲しいし、村には早く大きくなって欲しいだけだもん」
　そう頬をふくらませてアテナは言います。
「……ま、いいか。たまには。ミナホ。よろしく」
「はい。こちらこそよろしくお願いします。……森はアテナさんが担当してくれるとして、問題は鍾乳洞の方ですね」
「そっちは他の契約者に頼むしかないな」
　こうして、瑛菜はミナホに村の案内。アテナは森の再調査に向かうことになりました。

初めての方ははじめまして、前回参加してくれた方はお久しぶりです。河上誤停です。
今回より、いよいよニルミナスの村興しが始まります。皆さんのアイディアもどんどん採用していきたいと思いますので、よろしくお願いします。
村と森の方はニルミナスの現状の説明になります。鍾乳洞の方は新たに参加したり、冒険したいという方向けの内容になると思います。
ニルミナスの現状を知ることで、新たなアイディアが出てくるかもしれません。

■探索について
森には街道などもあり、基本的には危険はありません。ただ、薬草が生えているところではモンスターに襲われるので注意が必要です。
鍾乳洞は吸血コウモリや大蜘蛛などが生息しています。暗がりであり地形も安定していないため一般的な洞窟探検の用意はあったほうがいいです。


■調査について
森の方は、生息しているモンスターの強さ・規模。植生している植物（特に薬草）について調査しまとめることが目的です。
鍾乳洞の方は景観や取れそうな資源、出来る範囲でのマッピングを依頼しています。

■村の案内について
瑛菜だけでなくほかのPCも一緒にミナホに村を案内してもらうことができます。

※村興しの一環としてニルミナスを拠点に活動してくれるPCを募集しています。

・村の観光

・モンスターたちの調査

・鍾乳洞の調査