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紅き閃光の断末魔 ─後編─

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シナリオガイド

論争の果てにあるものは? 凄惨なる事件の真相を暴け!
シナリオ名:紅き閃光の断末魔 ─後編─ / 担当マスター: 水無月へる

「今回の軍事裁判は、通例とは異なり大々的に開廷するものとする」

 金 鋭峰(じん・るいふぉん)は、捜査隊より届いた報告書を読み終えると、そう宣言しました。
 彼の判断に、羅 英照(ろー・いんざお)も賛同します。

「明らかに普通の事件ではありませんな。
 ならばこちらも例外的な解決策で挑むという、ジンの意見は上策かと」

 羅英照の言う事件とは、ある機構の解析が行われていた研究所で、職員ら10名が殺害された事件のことです。
 事件後、その機構が完全に破壊されていたことから、犯人の目的はまさにその機構を破壊することだったと見られています。
 そして……この残虐な事件の犯人は、まだ捕まっていません。
 犯行後の状況から、内部犯と外部犯がいた可能性が高いことはわかっているものの、
 非常に特殊なケースの事件であるため、捜査はいつもより難航していました。

「私の推測でしかないが、この事件を起こした犯人の後ろには、
 もっと強大な黒幕がいる可能性が高いと見ているのだよ」
「その意見には賛成だ……組織によって意図された犯行だったなら、動機も見えてくる。
 あの機構には、解析されたくない何かが眠っていたのであろうな」

 羅英照の言葉を受け止めつつ、遠くを見やるような仕草で、事件の背景を演算する金鋭峰。
 しばらくそのままの沈黙が続きましたが、やがて思い出したように羅英照が疑問を口にしました。

「大々的に開廷と言いましたな。具体的にはどうするつもりで?」
アトラスの古傷では、教導団員と他校の契約者達による作戦が大きな成功を収めた。
 今回も彼らの力を借り、事件の早期解決を計るのだよ」

 そこで、羅英照は少し眉をひそめます。

「ジン。支援を受け続ける事は、教導団の面子に関わってくるであろう。その点はどう考えている?」
「……君の言うことももっともだが、一連の事件は、当初の作戦の延長線上で起きている。
 引き続き協力する事も、筋としては通るであろう」
「それはそうだが、教導団の管轄下で起きた事件でもある。
 関係者はヒラニプラの技士達が多かったようだが、教導団の管理不足を指摘される事態は避けられないぞ」

 金鋭峰は、羅英照の言い分を理解していましたが、今回の件に関しては実際に管理不足だったのです。
 実際に研究に携わった人物には、今回狙われたあの機構の価値がわかっていました。
 人為的に組まれた倫理回路。無駄のないエネルギー変換効率。巨獣を操るほどの、規格外のスペック。
 金鋭峰はひとつ息をついて、

「もし、私が機晶技術の専門知識を持ち合わせていたなら、セキュリティ面を装置だけに頼ったりしなかった。
 あの機構には、精鋭部隊を専属させても良いくらいの価値があったのだよ」

 此度の管理体制を例えるなら、世界にひとつしか無い貴重な宝石を、ポケットに入れて持ち歩いていたようなもの。
 金鋭峰は、その事を認めているからこそ、こういった判断を下しているのです。

「過ちは認めねばなるまい。そして、これ以上の不祥事を避けるためには、我々は全力で事に臨むほかないのだよ」
「……ジンがそう決めたのなら私は従うのみ。ただ、公募は慎重に行った方が良いであろうな」
「そうだな。犯人の後ろに黒幕がいたとして、裁判の結果がそこまで知れ渡ってしまうのは避けたい。
 契約者達から裁判員を募る際は、守秘義務を徹底するよう呼びかけるとしよう」



■□■□■



 こうして、各学校の生徒に通知が行き渡りました。
 公募に応じたあなたは、教導団より捜査結果の情報を得て、真犯人に繋がる推理を重ねます。

 ―――そして当日。
 あなたは裁判員として本事件の裁判に出席するべく、裁判場へと足を踏み入れます。
 すると、既に裁判場には、あなたと同じ裁判員となる契約者達が集まっていました。
 他にも、教導団の裁判官として出席する金 鋭峰(じん・るいふぉん)羅 英照(ろー・いんざお)金元 ななな(かねもと・ななな)らの姿があり、
 室内中央の窪地には、容疑者となる5名の人物も集まっています。
 ……この中に、犯人がいる―――?


担当マスターより

▼担当マスター

水無月へる

▼マスターコメント

■ご挨拶
初めての方は初めまして。前編などでご参加頂いた皆様はお久しぶりです。
ゲームマスターの水無月へる(みなづきへる)です。

本シナリオは前編・後編から成るノーマルシナリオ(ミステリー)の後編です。
参加PCは前編にて導き出された捜査結果を元に、真犯人を突き止めるべく裁判的なものに出席する事になります。
若干のルールがございますので、アクションをお送りになる前に、以降のマスターコメントをご一読くださるようお願いします。
ではでは、後編もよろしくお願い致します。


■ご案内
シナリオガイドにもあるように大々的に行われる裁判となりますので、
学校に所属する契約者であれば、誰でも問題なくご参加頂けます!
ただ、続きモノで更に推理モノなので、前編を読んでいないと話が全くわからないと思いますので、
後編からのご参加となる場合は、お先に 『紅き閃光の断末魔 ―前編―』をお読みください。

※本シナリオにおける裁判は一般でいうところの裁判とは違い、とにかく事件の真相を暴くため、裁判風の形式を取っているというものです。
 参加者全員に発言権があり、容疑者自身も互いの矛盾や怪しい点を指摘したりします。
 検察官やら弁護士やらの堅苦しいやりとりが延々と続くイメージではなく、ルール無用の論争合戦をイメージして頂けると幸いです。


■容疑者のNPC達

★トマス・クラーク
シャンバラ教導団技術科所属の男性。
これまで様々な機晶技術研究に携わり、結果を残してきた。
その功績から、今回の機構解析においてリーダー役に就任した。
外見的に頼りない印象を受けがちだが、人当たりがよく研究員達から信頼を得ている。
契約者であるが、戦闘方面は得意ではなくからっきし。
殺された副所長とは教導団での同期である。

★アメリー・フラット
ヒラニプラ所属の女性。
単にヒラニプラ市街地で活動する技術士というだけで、首長家とは関係ない。
機晶技術の腕は確かだが弱気な性格が災いして、あまり成果に結びつかない。
契約者ではないため、スキルは使用できない。
レベッカの上司に当たる。

★レベッカ・チッコリーニ
ヒラニプラ所属の女性。
単にヒラニプラ市街地で活動する技術士補というだけで、首長家とは関係ない。
勝気な性格で、普段は中々踏ん切りのつかない上司のアメリーを引っ張る役である。
今回の仕事では同じ研究員という立場であるため、その傾向が顕著。
契約者ではないため、スキルは使用できない。

★早川 透
民間軍事会社ラインハート所属の男性。
最近になって入社したばかりの新人である。
契約者だが扱えるスキルは多くない。戦闘力はそれなり。
デュオの部下に当たり、彼を慕っている。

★デュオ
民間軍事会社ラインハート所属の男性。本名は不明である。
孤児であり、幼い頃から地球で戦場を渡り歩いてきた戦闘のプロ。
その技術を見込んだLH社が、雇用を条件に契約相手を紹介した。
よって現在は契約者で、多種多様なスキルを持つ。
双剣術を得意とすることから、社内での通称がデュオという。


■アクションのルール
本シナリオは、前編の事件の謎を解き明かすことが目的となりますので、
基本的には前編で明かされた情報を元に、真相へ近づくための推理をアクションとしてください。

ただ、あまりに簡単に決着してしまってもつまらないぜ……という変わり者な方もいるかもしれません。
そういった場合は、あえて他PCとの対立を狙い、議論を盛り上げる等のアクションも大歓迎です! お話的にはその方が燃えるかも(ぉ)
他にも、後述の{▼擁護と追求}のシステムを使えば、MCとLC間で争ってみたりと、一味違ったアクションをとることも可能です。
ただ、やり過ぎると攪乱者として教導団に目を付けられる可能性があります……その点はお気をつけください。

ちなみに、今回はダブルアクションを気にせず存分に推理を書いて頂いてOKです。
全てが採用されるわけではありませんが、複数ある推理は、真相に近づくものほど採用されやすいといった処理になります。
点ではなく面で攻めた方が、お得になるわけです。

以降は特殊ルールについてです。


▼擁護と追求
本シナリオのアクションでは、擁護NPCと追求NPCを必ず指定して頂きます。
それぞれ、トマス・クラーク、アメリー・フラット、レベッカ・チッコリーニ、早川 透、デュオの5名の中から選択してください。
指定が無い場合はアクションが無効となってしまいますので、ご注意ください。

【擁護NPC】……あなたが最も怪しくないと思うNPCを、1名指定してください。
           PCは選んだ擁護NPCの味方として、裁判に臨みます。
           他のPCによって、選んだ擁護NPCが追求されると、あなたは反論して切り返す事になります(論争が起きる)。
           擁護NPCの指定は、MCとLCで共通の1名までとなります。

【追求NPC】……あなたが怪しいと思うNPCを、共犯の疑いを含め最大5名まで指定してください。
           裁判の流れにおいて、選んだ追求NPCに嫌疑が及んだ時、あなたは論題に乗って追求を行う事になります。
           ただし、追求NPCの数が増えるほど追求力は分散し、他のPCに反論されやすくなります。
           追求NPCの指定は、MCとLCで異なる人物を指定できます。
           もちろん、追求を行うPCが増えるほど、反論を突破しやすくなるので、MCとLCで共通の指定にするのも全然アリです。

この2つを指定した上で、それらの根拠となるあなたの推理をお書きください。
擁護においても追求においても、マスター側で行われる成否の判定は、あなたの推理が最重要となります。
その際、推理の裏付けとなる情報名を明確に記しておくと、論争で優位に立つことができるかも……(詳細は{■情報について}の項目にて)。
この説明だけではわかりにくいと思うので、よろしければサンプルアクションを参考にしてください。


▼スキルについて
裁判に影響を与えると思われる2種類のスキルについて、独自に定義させて頂きます。
アクションで使用される場合は、ご注意ください。

【嘘感知】……有効です。
         ただし万能ではなく、誰かを騙すことを第一目的とした嘘のみ看破できます。
         例えば「お前が犯人なんだろ!」という発言に対し、犯人が「ち、違いますよぉ!」と答えた場合、
         この嘘の第一目的は自分を守るためとなり、【嘘感知】では看破する事ができません。
         また、スキル【存じ上げません】を相手が習得している場合も、【嘘感知】で嘘を看破できなくなります。
         ぶっちゃけあまりアテにしない方がいいかも!

【ナゾ究明】……有効です。
          議論において擁護NPCが追い詰められ、反論できるPCが不在になってしまった時に効果を発揮します。
          ただし、PCの知らない情報による解決はできませんので、本当に反論の余地が無い場合は無効となります。
          一応、本シナリオはプレイヤー自身による推理対決が醍醐味ですので、ご利用は計画的に!


■情報について
全ての参加PCに、前編で明かされた情報は周知されています。
情報を見直したい時は、 『紅き閃光の断末魔 ―前編―』の最終ページに獲得情報一覧がありますので、そちらの内容をご確認ください。
アクションにおいて、獲得情報一覧から情報を引用する場合は、情報名を<>で括って記してください。
この引用を使って展開された推理は強力な裏付けがありますので、論争において優位に立ちやすくなります。

例:<爆音について>にもあるように、爆発があったのは22時10分で間違いない。


▼サンプルアクション

・トマスが怪しい!

・アメリーさんとレベッカさんが怪しい!

・早川さんとデュオさんが怪しい!

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年01月14日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年01月15日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年01月19日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年01月30日


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