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震える森:E.V.H.

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シナリオガイド

本当の敵は、どいつだ?
シナリオ名:震える森:E.V.H. / 担当マスター: 革酎

 イルミンスールの広大な森の奥深く。
 その一角で、激しく連続する爆発音に続き、幾つもの火柱が黒煙を伴って大空へ舞い上がります。

「スタークス少佐! 第二ラインでの戦線が維持出来ません! 至急、増援もしくは空爆での援護を!」
『残念だがダンドリオン中尉、本部と第二ライン間に横たわる非戦防護空域はザンスカール家との協定により、戦術兵器は通過出来ない。第四陸戦隊をそちらにまわす。それまで専守防衛に徹するよう』
「了解! 復唱します! これより第四陸戦隊到着まで、第二ラインを専守防衛します! 以上!」
 そこかしこを飛び交う銃弾の雨の中で、レオン・ダンドリオン(れおん・たんどりおん)中尉は無線機からの素っ気無い応答に対し、半ば吼えるような勢いで復唱を返した後、不機嫌そうに奥歯を噛み鳴らしました。
 爆音、銃撃音、そして各兵站間を飛び交う怒鳴り声の数々。
 レオン率いる第二ライン防衛小隊は辛うじて包囲を免れてはいるものの、圧倒的な火力と兵力を誇る敵戦力に相当手を焼いていました。


 数日前――鏖殺寺院内の一グループである『パニッシュ・コープス』がこのイルミンスールの森の奥地に、一個師団に匹敵する兵力を結集しつつあるとの情報を、シャンバラ教導団のパニッシュ・コープス対策部局が極秘裏に入手しました。
 そして当部局の責任者レブロン・スタークス少佐は事の真相を確かめようと、一個中隊規模の捜索団を派遣したのです。
 ところがこの捜索団がイルミンスールの森の奥地に足を踏み入れ、当該捜索地域に到着した直後、三個中隊に匹敵するのではないかと思われる兵力と遭遇し、慣れない森林戦を強いられる破目に陥っていたのです。
 しかも今回の捜索に際しては、ただ単純にパニッシュ・コープスの兵力を調査するという意味合いだけでは終わらない問題が、同時に浮上していました。


     * * *


 レオン率いる第二ライン防衛小隊が、敵兵力と遭遇するほんの三十分程前のこと。
 後方の指令本部で指揮を執るスタークス少佐から、妙な指示がもたらされていました。
「巨大な影、でありますか?」
『そうだ。レーダーでは捕捉不能な巨大物体が、第二ライン周辺で目撃されたとの情報が飛び込んできている。視認可能かどうか、確認して貰いたい』
 更に曰く、その巨だな影から放出される特殊な電磁波が、ニルヴァーナでコントラクター達を大いに苦しめているイレイザーのそれに、極めてよく似ているというのです。
 この連絡を受けた時、レオンは流石に信じ難いといった様子で、幾分呆れた表情を浮かべました。
「パラミタにイレイザーが出現するなど、有り得ないとは思うのですが……しかし、命令とあらば従います。早々に哨戒班を編成し、確認に当たります」
 そこで指令本部との通信は一旦終了し、レオンは宣言通り、哨戒班を編成して巨大物体の有無について確認しようとしたのです。
 ところが、その哨戒班が不運にも、同じエリア内で移動していた敵兵力三個中隊相当と遭遇してしまい、現在の苦境に陥るきっかけを作ってしまいました。
 しかし、この遭遇戦はある意味、幸運であるともいえます。
 何故ならば、パニッシュ・コープスが戦力を結集しつつあるという情報が、極めて精確だったと立証出来たのですから。
 尤も、その結果として生きて帰れるかどうか分からない程の激戦に発展してしまう、というおまけまで付随していたのは完全に不運そのものではありましたが。


     * * *


 ところ変わって、カフェ・ディオニウス。
 美人三姉妹のひとりシェリエ・ディオニウス(しぇりえ・でぃおにうす)はいつものように、姉と妹と一緒にカフェを切り盛りしていましたが、ある日、見慣れない女性客が、鋼鉄製のマスクを被った屈強な男を伴って、店内に姿を現しました。
「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりですか?」
 シェリエはその女性客――ジェニー・ザ・ビッチに内心で訝しげに小首を傾げながら、声をかけました。
 ところが応じたのは女性客の方ではなく、同伴したマスクの男――デーモンガスの方でした。
「コーヒーをふたつ……ところで、今日はクリス・ライオネルはまだ来ていないのか」
 やや不機嫌そうな渋い声音に、シェリエは不思議そうな面持ちをマスクの男に向けました。
 クリス・ライオネルという人物は、ここ半年程、カフェ・ディオニウスに通っている常連客のひとりだったのです。
 クリスにこのふたりのような知人が居るなどという話は聞いたこともなかったシェリエですが、客のプライベートにそこまで首を突っ込むのもどうかと考え、あれこれ詮索するのはやめることにしました。
「クリスさんなら、いつもお昼頃にいらっしゃいますよ」
 ふたりにそう告げると、オーダーを受けたシェリエはキッチンへと引き返していきます。
 ところがその途中、カウンターに座っていたひとりの巨漢が、シェリエが通り過ぎるのを待ってから、ストゥールを回転させてジェニーとデーモンガスに端正な面を向けてきました。
「あんたら、ジェリ……やなくて、クリスのお友達でっかいな」
 コーラを飲み干しつつあるその人物――若崎 源次郎(わかざき げんじろう)からの呼びかけに、ジェニーとデーモンガスは訝しげな様子で、顔を見合わせました。
 一方、シェリエはふたりの新規客に声をかけている源次郎の顔を横目で見やりながら、内心で小さく唸っています。
(あの顔……どこかで見た覚えがあるんだけど、どこだったかなぁ?)

担当マスターより

▼担当マスター

革酎

▼マスターコメント

 本シナリオガイドをお読みくださり、ありがとうございます。

 本シナリオは過去のヘッドマッシャーシリーズの続編という位置づけになっておりますが、どなた様でも問題なくご参加頂けます。

 今回のアクション内容例としましては、
  ・イルミンスールの森でパニッシュ・コープスと戦う
  ・謎の巨大物体を捜索する
  ・カフェ・ディオニウスの面々に絡む
 といったところでしょうか。

 レオン達は慣れない森林戦で苦戦しています。
 イメージ的には、少し意味合いが異なりますが、ベトナム戦争に於いて緒戦の森林戦でベトコンに翻弄された米兵といった辺りを想像して頂ければ宜しいかと。

 それでは、皆様からの素敵なアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・イルミンスールの森の奥地での戦闘に参加する。

・イルミンスールの森に出現した謎の巨大な影を追う。

・カフェ・ディオニウスの客達と接する。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年02月28日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年03月01日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年03月05日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年03月19日


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