葦原明倫館

――とある休日のツァンダ。
　常日頃忙しい契約者達は貴重な休日を思い思いに過ごしていた……筈なのですが、とある広場にて皆揃って正座させられていました。

「……さぁて」
　額に青筋を立てたキロス・コンモドゥス（きろす・こんもどぅす）が正座の一同を見回し、口を開きます。

「そろそろ誰か白状してもらおうか……オレを殴ったリア充は誰かをな！」

――事の発端は今から少し前。
　他の契約者達同様、休日という事でニルヴァーナから戻っていたキロスは街ゆく女性をナンパして過ごしていました。
「……ちっ、今日はついてねーな」
　しかし成果に関しては芳しくなく、声をかけても逃げられてしまいます。
　そんな事を何回か繰り返していた時でした。
「さて、次はあっちに声をかけるか」
　次の目標を見つけ、声をかけようとした時です。
「――がッ！？」
　キロスの後頭部に激痛が走り、意識を失ってしまいます。
　目を覚ましたのは暫くしてから。周囲には誰も居ませんが、一つ解る事があります。それは誰かがキロスの後頭部を殴った、という事です。
（一体何処のどいつがオレを殴った……そもそも、何故オレが殴られなきゃならねーんだ？）
　痛む頭を押さえつつ、キロスは考えを巡らせます。
　色々となんやかんや考えた結果、キロスはある結論に辿りつきました。

「そうか……全てはリア充が悪いのか！」

「そういうわけで、リア充っぽいお前らを集めた……一体どいつだ？　俺を殴ったリア充は！」
　一同に再度キロスが言います。
『いや何処どう考えればその結論に行き着くんだよアホかオメー』と皆思いますが口にはできません。口にしたらどうなるか、容易に想像がつくからです。

「あら？」
　その光景を、同じように休日を過ごしていた夏來　香菜（なつき・かな）が目にします。
「また何かやってるのね……」
　香菜が呆れた様な溜息を吐きました。
「全く……何かあったらさっきみたいに一発お仕置きしないと」
　そう言って香菜は持っていた鞄を構えます。

――先程、キロスがナンパをしている光景を香菜は見かけていました。
「また迷惑かけてる」
　その光景からそう判断した香菜は、
「こら！　一般人に迷惑かけない！」と、声をかけようとしているキロスの後頭部を鞄で一撃。
「全く！　少しは反省しなさい！」
　そう言って気絶したキロスを放置したのでした。

「……でもみんなと一緒なら大丈夫かしら？」
　そう判断すると、今回の元凶である香菜は何処かへと行ってしまいました。

　濡れ衣を着せられた契約者達に、痺れを切らしたようにキロスが言います。
「……よし、なら自分がリア充ではない、という事を証明してみせろ。証明出来たら見逃してやる」

――こうして、自分の命を懸けた証明が始まるのでした。

　初めましての方は初めまして。そうでない方はまたお遭いしましたね。高久高久です。どうぞよろしくお願い致します。

　今回皆様はキロスにより濡れ衣を着せられた状態にあります。
　勿論皆様には身に覚えのない事です。犯人は香菜なので。
　しかし皆様はそんな事知りませんし、知っていたとしても頭に血の上ったキロスに通用しません。
　このままでは酷い目に合されるのは確定的に明らか。
　それを避ける方法は一つ。自分がリア充ではない、ということを証明するのです。
　以下はアクション例となります。

■自分がリア充でないことをアピールする
　自分自身がリア充でないことをキロスにアピールします。アピール方法は自由です。

　例：一般的なリア充の特徴を挙げ、自分は違うという事をアピール
　　　非リアエピソードを語り、違う事をアピール


■他の者がリア充である事をアピールする
　攻撃こそ最大の防御、と言う様に他参加者をリア充扱いしキロスの目を自分から反らします。

　例：適当な特徴を挙げ、該当者がリア充であるとキロスに力説する
　　　リア充的行動を指摘し、該当者を贄として差し出す

　このリア充の判定基準は独断と偏見で行われます。多少強引でも説得力があれば押し切れるかもしれません。
　逆に説得力が無ければ常識的な事でもアウトになります。
　リア充の人数は特に何人と決めていないので、最悪全滅の可能性もあります。
　ちなみに私はリア充爆発しやがれ派です。

■ＮＰＣに関して
　今回登場するＮＰＣは以下の通りです。

・キロス・コンモドゥス：皆様をリア充と判断したら血祭りにあげてくれるでしょう。

・夏來　香菜：ある意味今回の元凶。その辺りをうろついています。

■注意
　今回皆様はキロスの独断と偏見によりとっ捕まったリア充疑惑の容疑者です。
　その為『キロスと知り合いだから』『友人だから』といった理由で血祭りに上げる側になる、見逃してもらうといった別行動はできない物と思ってください。
　簡単に逃げられると思ったら大間違いです。

　それでは皆様のアクションをお待ちしております。
　

・自分がリア充でないことをアピールする

・他にリア充が居る事をアピールする