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第三回葦原明倫館御前試合

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シナリオガイド

妖怪の山へ行こう! 遠征部隊選抜試験!
シナリオ名:第三回葦原明倫館御前試合 / 担当マスター: 泉 楽

 葦原 房姫(あしはらの・ふさひめ)ハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)の執務室へ赴くと、パートナーが難しい顔をして書類を睨んでいました。
「何かまた問題がありましたか?」
 次から次へ降りかかる難題に、ハイナはよくやっている――と房姫は思います。つい最近も、「妖怪の山」で一部の妖怪たちが人々を襲うという事件が起きたばかりです。それも解決したわけではありません。
「大変なことに気付きんした」
 ハイナの眉間には深い皺が刻まれています。房姫も緊張した声で尋ねました。
「何があったのです?」
「御前試合を忘れていたでありんす!!」
「…………ああ」
 毎年――といっても、まだ二回しか行っていませんが――梅の季節に、明倫館では武道大会を開きます。しかし、ここしばらくの騒動でそれどころではありませんでした。
 房姫はやや拍子抜けしましたが、ハイナの声には熱が籠っています。
「年度末にその年の成長を確かめる非常に大切な行事でありんす!」
 そんな意味合いがあったことを、房姫は初めて知りました。彼女の記憶が正しければ、時代劇の影響を受けて、開催が決定されたはずです。
「急いで準備するでありんす! 仕方がないので今年は、新年度に行うでありんすよ!――ところで房姫は、何の用でありんすか?」

「御筆先がありました」
「何と! 内容は!?」
「『妖(あやかし)の集いし山に、答えはある』――と」
「それは『妖怪の山』のことでありんすか? 答え? 何の?」
「分かりません。しかし――伝えてきたのは、彼の者と思われます」
 五ヶ月ほど前、葦原島はある大きな“もの”に飲み込まれそうになりました。その時も、何者かが島を救うための情報を房姫に伝えてきたのです。それが誰であるか、そもそも人であるか、いや生き物であるかすらも分かりませんが、ハイナと房姫は「彼の者」と呼んでいます。
「では今回も、オーソン漁火(いさりび)が関わっていると?」
「分かりません。しかし、彼の者が伝えてきたことです。従う価値はあるでしょう。御前試合など――」
 している暇はありませんよ、と言いかけた房姫ですが、ハイナがにやりと笑ったのを見て口を噤みました。
「良い口実でありんす。今回の御前試合は、『妖怪の山』への遠征部隊選抜試験を兼ねるでありんすよ!!」
 結局のところ、試合を見たいだけなのですねと房姫は思ったものの、それを口にしない分別を彼女は持ち合わせていました。


 ぱしぃっ、と後頭部をはたかれ、北門 平太(ほくもん・へいた)は目の前のラーメンどんぶりに顔を突っ込みそうになりました。
「いつまで食ってるんだよ? のびるぞ?」
「ああ……うん、そうだね」
 仁科 耀助(にしな・ようすけ)は嘆息しながら、平太の前に腰かけました。耀助の皿は既に空になっており、食堂を出る途中でした。
「お前ね、何ヶ月そうやってぼーっとしているつもりだ?」
「そんなこと、分かんないよ……」
 平太のパートナー、ベルナデット・オッド(べるなでっと・おっど)が謎の女・漁火に体を乗っ取られてから五ヶ月が経ちます。その後、ニルヴァーナで彼女らしき目撃情報もありましたが、足取りは掴めていません。平太はどうしたらいいか全く分からず、日々を過ごしていました。
「ま、お前がそうやって無事なところを見ると、ベルも無事なんだろうけどな」
 そこで、耀助はふっと言葉を切りました。
「お前、『妖怪の山』は知ってるか?」
「妖怪がいっぱい住んでるとこでしょ? この前、そこの妖怪が暴れて大変だったっていう」
「あそこな、その騒ぎが起きる前の話なんだけど、『何でも願い事を叶えてくれる神さま』がいるんだそうだ」
「何、それ」
 平太は胡散臭そうに眉を寄せました。
「いや、これまじで。願い事を叶えてもらった女の子もいるらしい」
 逆に酷い目に合った人間もいるのだが、それは言いません。
「それでまさか、僕にそこへ行けって言うの? ベルを取り戻してもらうの? 無茶言わないでよ」
「溺れる者は、って言うだろ? ここで来年までぼーっとしているより、いいだろうし」
「でもあの山、今、立ち入り制限もされてるって聞いたよ」
 フフフ、と耀助は笑い、ポケットから四つに折った紙を取り出しました。
「御前試合……? まさかこれに参加しろっての!?」
「活躍すれば、堂々と入山できる」
「僕の実技の成績知ってるでしょ!?」
「だからさ、ホラ、こういう時こそあの奈落人」
「――あ」
 平太には、ベルナデットともう一人、パートナーがいます。剣術の腕は相当なものなのですが、いかんせん、気が向かなければ一切表に出てきません。
「腕試しとなれば、出てくるんじゃないか?」
「……かもしれない、けど」
「物は試しだ。な?」
 尚も渋る平太の代わりに、耀助はさっさと申込書を提出してしまいました。

担当マスターより

▼担当マスター

泉 楽

▼マスターコメント

少し遅れましたが、恒例の(?)第三回葦原明倫館御前試合を開催いたします。
ガイド本文にもありますように、次回の「妖怪の山」遠征部隊の選抜試験を兼ねています。といっても、一回戦で負けても、参加していなくても、次回「妖怪の山」(タイトル未定)には参加できます。
ただし特典として、優勝〜第三位までのPCとそのパートナーは、北門 平太か真田 佐保 &丹羽 匡壱のどちらかと、優先的に行動を共に出来ることとします。もちろん、単独行動や別のPCさんと動きたい場合は、その限りではありません。

以下、試合についてのルールです。少々ややこしいので、よくお読みください。


・勝ち抜き制です。組み合わせは、適当に選びます。
・試合は一対一で行われます。MCとLC何人でも参加できますが、どこかでパートナーと戦うことになるかもしれません。
・勝負はじゃんけん方式です。二ポイント先取した方が勝ちとなります。

 「上段」「中段」「下段」「必殺技(攻撃系スキル)」「防御」の五つの内、好きなものを三つ選んでください。
 最初の三つは上段>中段>下段>上段>中段〜という力関係になります。
 「必殺技」は「防御」を無効としますが、力を溜めるため隙が出来るという理由で、「上段」「中段」「下段」には負けます。
 「防御」は「上段」「中段」「下段」全ての攻撃を防ぎます。しかし、「必殺技」には負けます。
 つまり(上段>中段>下段>上段〜)>必殺技>防御>(上段>中段>下段>上段〜)という力関係になります。
 「必殺技」と「防御」を選べるのは、それぞれ一度ずつです。二回以上選択していた場合、二度目は問答無用で相手のポイントとなります。

例:1.中段 2.必殺技(攻撃系スキルの名前を書く) 3.防御 または、1.下段 2.下段 3.中段 というように書いてください。

 選択肢が同じだった場合は相打ちとなります。

・引き分けだった場合、応援者がいるかどうか、もしくは応援者の数で勝敗を決します。ただし、一人のPCが応援できる相手は一人までとします。(パートナーを二人とも応援する、というのは不可とします)
・それでも引き分けだった場合は、挨拶掲示板で書き込んだ際のダイス目の合計で判定します。書き込まれない場合、平均値「5」として判定します。それでなお引き分けだった時は、二人とも次の試合に進出とします。
・武器はこちらで用意します。刀であれば木刀(殺傷力の低い物とします)、薙刀や槍は競技用を使用します。銃はコルク、手裏剣などの飛び道具もゴム製で致命傷を与えられない物としますので、得物(使用武器)をお書き下さい。記載がなければ、クラスから判断します。
・必殺技の決めゼリフや、勝った時、負けた時のセリフがあれば目立ちやすいです。同じように、補助系、回復系のスキルは、戦闘自体には関わりませんが、「回復しながら戦う」といったアクションであれば、描写される可能性もあります。
・審判はハイナや別のNPCが行う予定ですが、希望者がいれば採用します。
・優勝すると、「第三回葦原明倫館御前試合覇者」の称号がつきます。また、三位までの入賞者は、次回のシナリオで優先的にNPCと行動できます。
・第二回の上位入賞者はシード選手として一回戦免除となりますので、称号を付けてご参加ください。
・試合には北門平太も参加します。また、人数合わせで仁科耀助や龍杜那由他が参加するかもしれません。


なお、漁火は今回出てきませんが、関連する内容ということで「漁火の欠片」の使用を可とします。ただし、試合の判定で有利となることはありません。


それでは、皆様のご参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・御前試合に参加する

・御前試合を観戦or応援する

・審判をする

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年03月14日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年03月15日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年03月19日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年04月04日


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