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争乱の葦原島(前編)

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争乱の葦原島(前編)

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シナリオガイド

葦原島で起きた反乱。敵は民衆。ハイナはどうする!?
シナリオ名:争乱の葦原島(前編) / 担当マスター: 泉 楽

「これは一体……!?」
 ゲイル・フォード(げいる・ふぉーど)は呆然として呟きました。
 彼の目の前では今、ごく普通の人々が手に手に武器を取り、葦原藩士たちとぶつかり合っているのです。藩士も民も共に目は血走り、親の仇のように相手へと襲い掛かります。
 中には正気を保った者もおり、自制を呼びかけますが周囲の人間は聞く耳を持ちません。倒れたその人物をゲイルは抱き起こし、大丈夫かと尋ねました。
「皆を止めなければ!」
「落ち着け。何があった!?」
 それは葦原藩士でした。
「わ、分かりませぬ。暴動が起きたという報告を受け、鎮圧に来たのですが、ご覧の通り、皆、あのように……ああ! 止めなければ!」
「よせ、貴殿も巻き込まれる!!」
 ゲイルはその藩士を気絶させると、彼の体を抱きかかえ、騒動に巻き込まれぬよう立ち去りました。
「ここも……一体、葦原島に何が起こっていると……!?」
 ゲイルの問いに答えられる者は、誰もいませんでした……。

   

*   *   *


 葦原島のあちこちで暴動が起きているという報告があったのは、五日前のことです。侍でもない、ただの民が手に手に武器を取り、暴れ回っているというのです。
 ハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)が各地へ部下たちを飛ばした結果、それは紛れもない事実であることが判明しました。また、鎮圧するために派遣された藩士たちも、必要以上に暴力的になっているという話です。
「おかしな話でありんすね……まるで、『妖怪の山』と同じような……」
「妖怪の山」での探索の結果、妖怪たちが反乱を起こしたのは何者かが「何か」を持ち込んだことが理由だと分かっています。また、漁火(いさりび)が何か企んでいるらしいことも。
 二つの事実から、漁火が「妖怪の山」で「何か」をした結果、妖怪たちが反乱を起こしたのだろうとハイナたちは考えていました。
 しかし、詳しいことは何一つ分かっていません。漁火やシャムシエル・サビク(しゃむしえる・さびく)の行方も杳として掴めていませんでした。その矢先の、暴動です。
「漁火が絡んでいるのでしょうか……?」
 葦原 房姫(あしはらの・ふさひめ)が不安げに呟きました。今回、彼女の「御筆先」は何も語ってくれません。
「そう考えるのが妥当でありんしょうね」
 漁火の持つ「何か」の影響で、人々が暴れ回っているのだろうとハイナは考えました。しかしそれが何であるかは分かりません。
 その時、真田 佐保(さなだ・さほ)が駆け込んできました。
「申し上げます! 城下町にて、暴動が起きたでござる!!」
 ハイナの顔色がすうっと変わりました。

   
*   *   *


「ハイナ・ウィルソンに天誅を!!」
 男が叫ぶと、周囲にいた人々は「おお!」と呼応し、拳を突き上げました。
「目指すは葦原城! ハイナの首一つ!!」
 男――九十九 雷火(つくも・らいか)を先頭に、人々は明倫館に向かい始めたのでした……。

   
*   *   *

 
 北門 平太(ほくもん・へいた)は木刀、バール、ハンドガン、小型ナイフとありとあらゆる武器を身につけました。――が、
「う、動けない……」
「何をやってるんだ、おまえは」
 丹羽 匡壱(にわ・きょういち)は呆れたように言うと、中腰のまま身動きできない平太の体から一つずつ武器を剥がしていきました。
「鎮圧に参加するつもりか? やめておけ、おまえには無理だ」
「で、でもベルがいるかもしれないですし……」
 平太のパートナー、ベルナデット・オッド(べるなでっと・おっど)は今、漁火に体を乗っ取られているのです。助けるためには、「妖怪の山」の「神さま」であるオルカムイの下へ彼女を連れていかなければなりません。
「大体、どこに漁火がいるかも分からないのに、どうする気だ?」
「う゛」
「まずは漁火を見つけ、捕える。話はそれからだ」
「――あの」
「何だ?」
「もしベルが先輩たちの前に現れても、殺さないでくださいね……」
 匡壱は、一瞬、返事に詰まりました。平太のことを考えれば、無論、そんな真似はできません。しかし、漁火を無傷で捕えることは非常に困難であると匡壱は考えていました。
「――努力する」
 匡壱は、ただ、そう答えました。

担当マスターより

▼担当マスター

泉 楽

▼マスターコメント

「争乱の葦原島(前編)」シナリオガイドをお届けします。
今回の話は前後編です。前編では葦原島各地で起きている暴動を鎮圧し、漁火を捕えるところまでを予定しています。無論、皆さんのアクション次第で話が変わってしまう可能性大です。

今回の舞台は主に二か所で、城下町と葦原島東部の夜加洲(やかす)という地域です。ただし、この二か所以外でも暴動やいざこざは起きています。アクションや流れによっては、葦原島の他の地域が出てくることがあるかもしれません。

また、妖怪の山でアクションをかけることも可能です。こちらは現在、ハイナの命令で立ち入り禁止となっています。妖怪たちは今まで以上に殺気立っており、話し合いは難しいかもしれません。オルカムイのいる頂上を目指すことは可能ですが、妖怪たちの妨害があること、また頂上ではスキルの類が使えないことをご了承ください。

暴動に関して、基本的に契約者は影響を受けないものとお考えください。ただし、「自分は精神力が弱いから影響を受けるかも」というPCさんは、その旨をアクションにお書きください。
上記の理由、もしくは別の動機で反乱に参加することも可能です。


以下、NPCの情報と公表できる行動です。
▼ハイナ・ウィルソン:明倫館で、城下町や各地の暴動鎮圧の指揮を執っています。状況次第では前線に出るかもしれません。自分がン狙われていることは、ガイドの段階では知りません。

▼真田 佐保&丹羽 匡壱:城下町で、ハイナの指揮の元、暴動の鎮圧を行います。

▼ゲイル・フォード:夜加洲(やかす)地方で暴動の鎮圧を行っています。事実上の指揮官です。

▼北門 平太:ゲイルの手伝いで夜加洲地方へ向かう予定です。が、PCさんのアクション次第で行動が変わることもあります。

▼オルカムイ:「妖怪の山」の頂上にいる「神さま」です(詳しくは、「魔の山へ飛べ」P13〜14をお読みください)。漁火に乗っ取られたベルナデットを助けるため、頂上に(生きて)漁火を連れてくるよう平太に命じました。

▼漁火:何やらあれこれ画策しているようです。彼女に会いたいPCさんは、その理由と方法をアクションに書いてください。ただし<漁火の仲間>の称号を持つPCさんは、すんなり会うことが出来ます(逆に称号を付けていない場合、会えない可能性もあります)。
漁火の目的は、葦原島の本体であるミシャグジを蘇らせることです。「自分を殺せば、止められるだろう」と発言しており、この内容はPCさん全員が知っているものとします。

▼シャムシエル・サビク:漁火のボディーガードとして、彼女と共に行動しています。ただし、必要があれば彼女の傍を離れることもあります。

▼九十九 雷火:「狙われた少年」「ご落胤騒動」に登場したNPCです。読んでいなくても全く問題はありませんが、詳しいことをお知りになりたい方はそちらをお読みください。現在は浪人で、「何か」の影響でハイナへの恨みを募らせ、城下町の暴徒のリーダーとなっています。


また今回は、<漁火の欠片>を使用することが出来ます。詳しい効果はマスターページをご参照ください。
他の欠片も使用できますが、効果は「別の欠片を持っている相手を知ることが出来る」のみです。(例:<超獣の欠片>を持っていると、<漁火の欠片>が近づいたときに分かる)
称号に欠片の名前を付けてご参加ください。称号がついていれば、自動的に「持っているもの」と判断します。(逆についていない場合、持っていないと判断することもあります。ご注意ください)


それでは皆様のご参加をお待ちしております!

▼サンプルアクション

・ハイナの指揮の元、城下町の暴動を鎮圧する

・ゲイルと共に、夜加洲での暴動を鎮圧する

・漁火たちを探す

・「妖怪の山」へ行ってみる

・反乱軍に参加する

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年06月20日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年06月21日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年06月25日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年07月11日


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