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リア充爆発しろ! ~クリスマス・テロのお知らせ~

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シナリオガイド

呪われし聖夜に震えて眠れリア充どもよ。いや、一緒に眠ろう、俺たちと。サンタは悪夢を持ってやってくる!?
シナリオ名:リア充爆発しろ! ~クリスマス・テロのお知らせ~ / 担当マスター: 車 修理

「おのれ、けしからんミニスカサンタめ。オレから職を奪いやがって」

 それは、クリスマスイブを前日に控えた空京でのことでした。
 街は、クリスマスの飾りつけが施され人々は待ち遠しそうに聖なる夜を待っています。
 店先のミニスカサンタだけでなく客たちまでが楽しそうです。
 恋人たちが幸せそうな表情で通り過ぎていきます。

 そんな寒空の下、行きかう人々の姿を淀んだ眼で見つめてながらブツブツと文句を言っているのは、空京の自称“カリスマニート”のトニー・ビーン(♂)という男でした。
 彼は、ようやくありついたサンタのバイトを仕事をする前にクビになってしまったのです。トニー・ビーンがニートなビンボーに戻ってしまったのです。まあ、いつものことですが。

「ちょっとムラムラして前を開けて見せただけで警察に通報してくれるとは、オレの表現の自由を侵害する許されざる暴挙だ」

 警察帰りのトニーは、バイト先から持ち出してきたサンタの衣装の下には何も着ていません。
 彼の見せたいという情熱の炎は、冬の寒さにも負けずに燃え上がっています。

「くくく……。復讐だ。クリスマスの夜にはオレのカリスマをサンタの少女に披露してやるぜ」

 騒ぎを起こしてやろう、と決意したトニーが身を翻した時でした。

「馬鹿野郎!」

 不意に背後から拳が飛んできました。
 攻撃を受けたトニーは、ぐはぁ! とのけぞります。

「なにをしやがる!」
「お前はわかっていない! 誰かが自分に何かを与えてくれるのを当たり前と思ってはいけないんだ。手に入らなかったからと言って恨むなんていうのはお門違いだよ。自分から、与えることこそ尊いんだって」
「な、なんだと……」
 
 それは……。
 かつてバレンタインテロや夏のテロを企てたあのツワモノ少年でした。
 当然のごとく今なおモテない非リアですが、眼はキラキラと綺麗に光っています。

「俺たちは変わらなければならないんだ。仕返しだなんて、空しいだけだろ。明日はクリスマスイブなんだぜ!」
「お、お前……!?」
「明日は俺たちがみんなに素敵なプレゼントを届ける番さ。みんなの喜ぶ顔が見たい。これが本当のお返しってことさ」

 あの少年はまるで生まれ変わったように情熱的にグッとこぶしを握り締めていいます。とてもいい顔です。

「だから。クリスマス・テロやろうぜ!
「うん、そうくると思っていたよ。さっきの台詞が台無しだけどな」

 突っ込んだのは、少年とコンビを組んでいたもう一人の非リアです。
 この二人は、唖然とするトニーを置いて語り始めました。

「まあいいから聞けよ。俺たちは、これまで確かにモテなかった。なぜだかわかるか? 愛ってな……、相手からもらうことばかり考えていたんじゃだめなんだ。愛はこちらから注ぐものなのさ」

 悟りを開いた賢者の口調で少年は言いました。

「だから、明日の夜女の子の部屋へ忍び込もうぜ 俺たち自身がプレゼントになるんだよ
「人はそれを不法侵入と言うな」
「違うよ。サンタクロースのプレゼントとして靴下に入っていればいいんだ。大きな靴下を作って自分がその中に入っているのさ。これはきっと、喜んでくれる。そう、言うなれば、こちらから与える愛なのさ」」
「わけがわからんのだが、以前と比べれば……、まあちょっとは大人しくなったのかな? 被害者は一人で済みそうだ。どうせ、ボコボコに叩き出されるのがオチだと思うけど」
「でも、自分が入る靴下を用意するとか面倒だよな。そこで、忍び込んだ部屋で女の子の箪笥から靴下をもらってこようぜ」
「与える愛はどうしたんだ? すでに与えるつもりなどなくなって、泥棒になってるぞ、お前」
「くんかくんかしてみたいじゃないか! あとぱんつも! もらってくるんだよ。クリスマスだし!」
「自分がサンタクロースになって、みんなに喜びを与えるんじゃなかったのか?」
「もちろんだとも。自分たちがサンタクロースになってプレゼントしてやるのさ。絶望をな!」
「言ってることが最初と変わってきたな。さあ、俺たちも帰ろうか」
「リア充が楽しいひと時を過ごして部屋に戻ってみると、箪笥の中のものがごっそりなくなっていたら! 怒りはやがて喜びに変わるだろう。聖なる夜、彼らは自分の本性に気づくんだ。本当に欲しかったものはお金では買えない熱い思いなんだって」

 はい、もう駄目ですね。言っていることが支離滅裂です。
 それが証拠に、話を聞いていたトニーまでが下らなさそうに吐き捨てます。

「勝手にやってろ。オレは一人で帰るぜ。明日はサンタ娘を相手にオレのクリスマスツリーを披露してやらないといけないからな」

 そう言うと、トニーは明日への情念をたぎらせつつ帰っていってしまいました。
 少年たちの不思議な神通力も衰えてしまったようです。
 今回こそ、彼らのテロ計画に仲間なんか集まらないでしょう。ここでお開きになるはずでした。

「も・ち・ろ・ん! この私がいるからには、責任を持って計画を遂行させてもらうわよ」

 どこからともなく、いつものモテない女子生徒が姿を現します。
 蒼空学園第十三新聞部の部長で、自称“歩く闘京スポーツ”、東須 歩子(とうす ぽこ:♀)です。
 以前とまったく変わっていない彼女は、テロの少年たちを見送った後、仲間を集め始めます。

「くくく……。ズボンだけではなく、靴下にまで守備範囲を広げて復活した俺様にもはや死角はない。クリスマスには箪笥から全ての下着類が消えるだろう」

 はやり凄い嗅覚でシャンバラ大荒野から駆けつけてきたのは、以前のテロでも活動していたヘンタイ女子生徒萩 香(はぎ かおる:♀)です。
 彼女もまた、己の信念を曲げることのないツワモノの一人なのでありました。


 クリスマスの夜には、あの人あの娘の部屋に忍び込もう!
 恐るべきテロの計画はケータイで送信され、あっという間に広まりました。
 一方で、トニーを中心とする、自分の“カリスマ”を披露しようとする一派も活動を始めます。
 
 リア充爆発しろ!
 今年もまた、寂しく孤独な狼どもが続々と集結してきました。
 パラミタ全域で“クリスマス”が始まることとなります。


 
  
◆ ◆ ◆

「サンタさんはきっと来てくれるんだもん」

 イブの前夜、夜空を見つめながらルシア・ミュー・アルテミス(るしあ・みゅーあるてみす)は寂しそうに呟きました。
 近所の小学生に、「お前んちにいくサンタなんかいねーよ。バーカ!」とからかわれてちょっと落ち込んでいたのです。
 ルシアがもう大きい娘だからでしょうか。それとも気づかぬうちに悪いことをしてしまっていたのでしょうか。
 子供たちの言葉のアヤがとても気になって仕方がありません。
 どうしてもサンタに会いたい。でも、ぐっすりと眠るよい子のところにしかサンタはやってきません。
 イブの夜は寝るのか起きて待つか、葛藤を続けていたのです。

「私の元へは来てくれますわ。何も悪いことはしておりませんもの。ええ、世界樹イルミンスールのパートナーである私を無視するなんてありえませんもの」

 ルシアと一緒に夜空を見上げていたのは、イルミンスールからやってきたモモンガ、もといブリュンヒルデ・アイブリンガー(ぶりゅんひるで・あいぶりんがー)でした。
 七つの大罪を開放してしまったブリュンヒルデでしたが、それは彼女が悪意を持ってのことではありません。普段はいい子なのです。
 クリスマスにはきっと奇跡が起こる。そう信じて疑わない少女たちの想いは届くのでしょうか。

「と言うわけで、イブの夜は特別にルシアさんとブリュンヒルデさんのサンタクロースになろうと考えていますの」

 クリスマスには空京へと帰ってきていたエンヘドゥ・ニヌア(えんへどぅ・にぬあ)は、いそいそとコスプレの準備を始めます。
 サンタは、今年もとても忙しく、ルシアやブリュンヒルデの元へはやってこないでしょう。
 もっと小さな子供たちが最優先です。人手を借りても配り終わった頃には夜が明けているのではないでしょうか。
 ルシアもブリュンヒルデも寂しい思いをしているのは知っています。
 純粋な夢はかなえてあげましょう、と優しい心遣いです。彼女にしてはリスキーな冒険でしょう。

「公認サンタではありませんが、自前で赤い服と大きな袋も用意しましたわ。プレゼントは何がいいでしょうか」
「普通にクリスマスパーティーでもてなしてあげるだけでいいと思うけど」

 蒼空学園の歩く災厄、雅羅・サンダース三世(まさら・さんだーすざさーど)は大勢仲間を呼んで楽しくクリスマスを過ごすつもりのようです。
 もう一人、遠山 陽菜都(とおやま・ひなつ)も雅羅と一緒にケーキ造りをすることにしました。
 パーティーで男子と上手く接することができるでしょうか。不安げながらも期待に満ち溢れた表情です。

「私もサンタやりたいけど、どうせよからぬことが起こるくらい自覚しているもの。自重しておくわ」
「私も、迷惑かけるといけないから」

 雅羅と陽菜都は顔を見合わせて微笑みます。

 彼女らは知りませんでした。
 また今年も、おかしなテロが横行し始めていることに。

 果たして、あなたたちのクリスマスイブはどんな夜になるのでしょうか。
 


担当マスターより

▼担当マスター

車 修理

▼マスターコメント

 むしゃくしゃしてやった。もちろん反省はしていない。

 みなさん、ご機嫌いかがでしょうか。車 修理です。
いつもお世話になっております。
 懲りもせずにまだまだ続けます。

 『リア充爆発しろ! シリーズ・第三弾』は、クリスマスに誰かの部屋に忍び込むお話です。
 これはテロといいますか、ロマンチック夜這いといいますか、もはや「単なる泥棒じゃね?」と言わんばかりの人生後ろ向きスプラスティックコメディです。
 例によって何でもありのキワモノ話になる可能性が高いですので、気をつけてくださいね。


◆参加について
 LC、MCともに人数制限はありませんが、一人のキャラクターがテロとパーティーに同時に参加することはできません。
 サンタ役に扮すると見せかけて実は忍び込んで、箪笥の中のものを頂いていくアクションはありでしょう。
 パーティーに参加して、ケーキ作りを手伝うフリをしながらオレの特製デコレーション蝋燭を飾り付けてもらうのもいいかもしれません。
 テロにかこつけて、あの人に忍び込んでもらおう、と敢えて迎え入れるのもいいでしょう。二人の夜に乾杯です。
 自分の部屋に忍び込まれたい人は、室内の様子まで描写してくれてあると侵入者も盛り上がるかもしれません。
 何をするかは、参加者の方々のご想像にお任せいたします。


◆リア充爆発しろ!
 いつもの少年たちの他に、NPCトニー・ビーン(♂)を筆頭とするクリスマスツリーを披露する一団があちらこちらで蠢きます。
 彼らは、自分たちのだけではなく、リア充のツリーも街中に飾ろうとするかもしれません。
 リア充たちの幸せなひと時をぶち壊すには、ちょうどいい出し物でしょう。
 一部のフリーテロリストたちは、自作の大きな靴下に自分が入り誰かの部屋でプレゼントとして夜が明けるのを待ちます。
 趣旨を勘違いしたフリーテロリストたちは、サンタクロースの袋に誰かを詰め込んでさらっていくかもしれません。
 色々なパターンが考えられますが、作戦はアクションにお任せします。
 ただし、どんなにひどい目にあってもあわされてもお互いに恨みっこなしです。


◆NPCについて
 ルシアとブリュンヒルデは、結局サンタを待ちくたびれてそのまま眠ってしまいます。部屋に鍵はかかっていません。
 エンヘドゥは、そんな二人のためにサンタ役になってプレゼントを届けようとしますが……。もしかしたら別人の部屋へ行ってしまうかもしれません。
 雅羅と陽菜都は、クリスマスイブにパーティーをするようです。大人しくケーキを自作するだけなので、何も起こりません。せいぜい街に買出しに出る程度でしょう。ええ、何も起こりませんとも。彼女らのパーティーに安心して参加して一緒に楽しんでください。
 表記されている以外のNPCは登場しません。
 モブは放置しておいてもストーリーに影響はありません。


▼サンプルアクション

・部屋に忍び込む。

・部屋に忍び込まれる。

・リア充爆発しろ!

・クリスマスパーティーに参加する。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年12月05日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年12月06日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年12月10日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年12月20日


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