狙われた乙女~ヴァイシャリー編~(第3回/全3回) リアクション公開中! |
シナリオガイド守るべきモノは、守りたいものは何か、誰か。護れ! キミ自身の手で!!
シナリオ名:狙われた乙女~ヴァイシャリー編~(第3回/全3回) / 担当マスター:
川岸満里亜
「通して下さい」 ○ ○ ○ ○ 早河 綾(はやかわ・あや)は自宅へ戻っています。 ですが、ご両親とはまだ殆ど会話をしていないようです。 友人のミズバ・カナスリール達は、毎日のように綾の見舞いに向かっていました。 そんなある日、綾はミズバ達にぽつりとこう言ったのです……。 「謝りに行こうと思う。私のせいだから。私が行けばやめてくれるかもしれない。私――エール様が、組織に報告せず不正に利益の一部を横領していたこと、知ってるし。一緒に行ってくれないかな? 学校には内緒で……」 綾がこんなことを言い出したのには、訳があります。 百合園女学院の生徒達が修学旅行から戻った頃から、波羅蜜多実業高等学校に所属する不良と思われる暴走族が、授業中に百合園女学院の校庭にバイクで乗り込んで走り回っていくようになりました。 校門を封鎖しても、バイクで飛び越えて入ってきて、改造バイクのエンジン音を響かせ、走り回り石を投げつけ窓ガラスを割って、下品な笑い声と共に去っていくのです。 それだけではありません。 百合園女学院の生徒達がパラ実生に迎えの執事や御者ごと襲われて、金品を奪われる事件も頻繁に起こっています。 百合園女学院の校長室では、毎日のように校長の桜井静香(さくらい・しずか)、ラズィーヤ・ヴァイシャリー(らずぃーや・う゛ぁいしゃりー)、及び生徒会メンバーが集まり会議が行なわれていました。 「パラ実に関しては、綾さんの件が絡んでいると思われます。捕らえた者から聞き出した話によると、ハロウィンには百合園女学院に数千人のパラ実生が集まり、四天王を交え集会を行なうとか。1度だけの集会、なら現状止むを得ないとも思いますが……」 説明をする桜谷 鈴子(さくらたに・すずこ)の声に力はありません。 数千人のパラ実生を相手にする力など、百合園女学院にはありません。 万が一白百合団で追い払える人数であったとしても、それをきっかけにパラ実全体のターゲットがヴァイシャリーになってしまうことはなんとしても避けなければなりません。 百合園女学院とパラ実との抗争で、ヴァイシャリーに大きな被害が出るようになってしまったら、百合園女学院の立場は危ういものとなるでしょう。 百合園女学院はお嬢様学校であること。実権はパラミタのヴァイシャリー領主であるヴァイシャリー家の一人娘が握っていることから、現地人も友好的に受け入れてくれていはいますが、地球人の介入を快く思っていない現地人がヴァイシャリーにもいないわけではありません。 「軍の介入なくして、どうにか問題を終結させたいと思います。正門の前で盾となって、交渉しつつ敷地への侵入を防ぎます。こちらは一切手を出さずに」 神楽崎 優子(かぐらざき・ゆうこ)の意見には、賛成意見も反対意見も出ませんでした。彼女自身も、集まったメンバーもそれだけで防げはしないことは分かっているのです。 彼女の提案は、百合園が敗北することでパラ実側に一応の満足を与えて興醒めさせようという自己犠牲的な案でもあります。 「他校の方に助けていただきましょう。波羅蜜多実業高等学校の問題は、百合園女学院だけの問題ではありませんもの。……そうですわね、わたくしの方から内密に他校に連絡を入れます。わたくしや百合園の名は出さず、パラミタ全土で事業を行なっている企業からの依頼とでもさせていただきますわ」 緊迫した空気の中、ラズィーヤだけはいつもと変わらず余裕のある笑みを浮かべ、地図を指し示しました。 「彼等が堂々と正面から訪れるのなら、この運河を通り学院の南にあるこの辺りの河川敷から上陸すると思われますわ。付近の住民には避難勧告を出しておきます。ここで迎え撃っていただきましょう。逃した分は――白百合団にお任せいたします」 「分かりました。お手数おかけしてしまい、申し訳ありません」 鈴子はラズィーヤに深く頭を下げました。優子はただ静かに拳を握り締めています。 「それから、ご存知のとおり、今年はわたくしの家、ヴァイシャリー家のホールでハロウィンパーティーを行ないますの。わたくし『嘆きのファビオ』様もご招待しましたのよ」 微笑むラズィーヤに一同不思議そうな目を向けました。 白百合団員から怪盗舞士の正体が、女王に仕えていたファビオという人物である可能性が高いとの報告を受けたラズィーヤは、招待状を大量に作り、騎士の橋のファビオの姿が彫られている柱に、括りつけたそうです。 「来てくださると思いますわ。……彼はいわば、わたくしの騎士ですもの」 どうやらラズィーヤはハロウィンは自宅で過ごすことになりそうです。 「ぼ、僕はハロウィンは学院に残るよ! い、一応、校長だし、ね!」 静香は怯えながらも、そう決意しました。 ○ ○ ○ ○ 少女は1人、部屋の中で携帯電話を見つめていました。 意を決して電話をして、2、3言葉を口にした後、こう言ったのです。 「お渡ししてある名簿で学院生かどうかは確認できると思います。好きにしてくださって構いません。身代金も沢山とれると思います。その代り、先日の件についてはどうかもうお許し下さい。……私はエール様と、皆様の仲間です」 担当マスターより▼担当マスター ▼マスターコメント
【ご案内】 ▼サンプルアクション ・守りたい人がいる、守りたいものがある ・パラ実生に立ち向かう ▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました) 2009年10月24日10:30まで ▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました) 2009年10月25日10:30まで ▼アクション締切日(既に締切を迎えました) 2009年10月29日10:30まで ▼リアクション公開予定日(現在公開中です) 2009年11月11日 |
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