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【蒼空に架ける橋】第2話の裏 幕開けのエクソダス

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【蒼空に架ける橋】第2話の裏 幕開けのエクソダス

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一難去ってまた一難。一体何が始まるというのです?
シナリオ名:【蒼空に架ける橋】第2話の裏 幕開けのエクソダス / 担当マスター: 高久 高久



※前回のあらすじ

 浮遊島目指して飛び立ったナオシ達。
 だが雲海の魔物達の壮絶な攻撃により、一分と持たずに船は爆散!
 果たして乗組員(という名の奴隷)達は無事なのか!?


     * * *

――『貴方』達が目を覚ますと、見知らぬ天井でした。
 見たことが無い光景に少し戸惑いつつ、『貴方』達は現状を把握しようとします。
 思い出せる記憶は、ボロ船に無理矢理乗せられ、出発した直後に激しい攻撃を受けて――
「お、目を覚ましたか」
 ふと、誰かが『貴方』達が目を覚ましたことに気付いたようです。声をかけてきた者の顔には見覚えがあります。それは、ボロ船の乗組員の一人です。
「兄貴ー、ナオシの兄貴ー、コイツら目を覚ましやしたぜー」
 乗組員が声をかけると、ナオシは「おう」とやる気なく返事をし、ちらりと視線を向けます。
「『何が起きたかわからねぇ』って顔してるな……本当、なーんでこんなことになってるんだかなぁ」
 ナオシが天井を見上げ、呟きますが誰も答えません。
 そこで『貴方』達は気づきます。今自分達が居るのは、一つの部屋。小さな窓と出入り口は鉄格子が備えられています。

――『貴方』達は今、檻の中にいるのでした。

     * * *

――話は少し前に遡ります。
「ああ、やっぱ駄目だったな。あの船ボロかったしな」
 雲海に散らばる漁船の残骸を眺め、ナオシがケラケラと笑います。
「もー、勘弁してくださいよナオシの兄貴。真面目に死ぬかと思いましたよ」
 苦笑しつつも、部下達も笑っています。その足元には、雲海の魔物たちの攻撃による衝撃で気絶している『貴方達』が無造作に転がされていました。
「全くだ。我々が見つけたからいい物を、自殺行為としか言いようがないぞ」
 腕を組んだ屈強な男――モリ・ヤが呆れた様に言いました。

     * * *

――現在ナオシ達が居るのは一隻の漁船。モリ・ヤはこの漁船の船長です。
 魔物達の壮絶な攻撃を受けボロボロになったナオシ達を偶々見かけ、助けてくれたのでした。

「いやー助かったぜおっさん。礼を言う」
 笑いながらナオシは礼を言います。それに対しモリ・ヤが「気にするな」と言った直後でした。慌ただしく、漁船の船員が駆け寄ってきます。

「モリ・ヤ船長大変です! いやヤバいです! 非常にヤバいです! 奴らに見つかりました!」
「ちィッ! 奴らもう追いついてきやがったか!」
「あん? 奴ら?」
 ナオシが首を傾げた直後でした――漁船の前に、武装した艦が現れたのは。
 艦は漁船の進路を阻む様に前に留まり、明らかな敵意を込め砲門を向けました。

「そこの密漁船! 無駄な抵抗は止めればこちらは危害は加えない! 大人しく降伏せよ!」

 そして艦からスピーカーを通し、女性の声が響き渡りました。

     * * *

「大体てめぇら密漁者だったのかよバカヤロウ! どおりで漁船なのに船に弾痕があったりしたわけだよ!」
「い、いいではないか! 我々が助けなければ今頃雲海の藻屑だったぞ!?」
「結果的に仲間と思われて捕まる羽目になってんじゃねぇかコノヤロウが!」
 ナオシとモリ・ヤが大声で喧嘩を始めました。
 他の面々は『止めるべきだろうか』とオロオロしていたり、『止めても無駄だな』と目を背けたりと止める気がありません。

――これは逃げられないと悟ったのか、モリ・ヤが素直に白旗を上げ降伏すると、艦から降りてきた武装した女達が拘束していきます。
 ナオシ達は勿論、拉致され強制的に船に乗せられた『貴方』達も「自分達は無関係だ」と武装した者達に無実を訴えました。
 しかし傭兵達には「同じ船に乗っていてそんな言い訳が通用するわけないだろう! 第一お前達みたいな堅気がいるか!」と一蹴され、連行されてしまったのです。

「ああもう! うるさいですよ! 貴方達自分の立場を解ってるんですか!?」

 騒がしさに顔を顰め、見張りの少女が持っている銃を向けます。
「やかましい! とっとと出さねぇかこっちは無関係だぞコノヤロウ!」
 ガシガシとナオシは檻を蹴り飛ばし、少女は「ひぃっ!?」と小さく悲鳴を上げます。
「そ、そう言われましても、貴方達同じ船に乗ってたじゃないですか!」
 半分涙目になっても尚、少女は銃を向けます。
「だから無関係だって言ってるだろバカヤロウ! 大体ここ何処なんだよ!?」
「ひぇッ!? こ、ここは参ノ島ですよぉ! 貴方達はこれから太守の――あれ?」
 少女の言葉を聞いて、ナオシはガンガンと檻を蹴るのを止めます。
「――『参ノ島』だと?」
「え、ええ……今は所用により出かけていますが、戻り次第貴方達の処遇はミツ・ハ様に――」
「ミツ・ハだと!?」
 その名を聞いたナオシが目を見開きます。
「……やべぇ、やべぇぞ……! あいつが出てきたら間違いなく殺されるぞ……!」
「あ、あの……さすがにそんな事は無いかと……ってちょっと!?」
 ナオシが一度は止めた蹴りを、何度も檻に放ちます。
「こんな所いられるかってんだ! とっとと逃げるぞてめぇら!」
 ナオシが『貴方』達に言います。乗組員が立ち上がりますが、そもそも拉致されてきた『貴方』達は「従う必要がない」と反論します。
「まぁ、確かにそうだわな」
『貴方』達の言葉に頷きつつも、ナオシは真剣な顔で言います。
「けどな、事態が事態だ。どうしても嫌なら協力することはねぇがこれだけは言っておく。お前達は俺と関わっちまった。それだけで殺される理由は十分だ」
「ちょ、ちょっと聞き捨てなりません!」
 半べそをかいていた少女が、少し怒った様にナオシに言います。
「ミツ・ハ様は……そりゃ確かにヒャッハーでクレイジーな方ですが、そんな簡単に、うっかりでもない限りは命を奪うような事をする方では――」
「ミツ・ハじゃねぇ」
「へ?」
「他にいるんだよ、そういう事をする奴がな。詳しくは言えねぇが、ミツ・ハにバレると拙いんだよ……あぁもういい加減開けってんだよコノヤロウ!」
 牢の扉を開けようとしていたナオシが、痺れを切らして蹴りを入れ始めます。 
「そ、そんなことしても意味ありませんって。第一これ電子ロックだから蹴っても――」
「うるせぇんだよバカヤロウ!」
 そうナオシが叫び、思いっきり蹴りを放ちます。
 すると、扉の一部から黒い煙が上がり、嫌な音がしたかと思うとあっさりと檻が開きました。
「よーっし、偉いぞ扉」
「……う、嘘?」
「ついでにここの地図兼人質も確保ー」
「は、はい? え? ひ、人質?」
「ってなわけで、てめぇらとっとと逃げるぞ!」
『応ッ!』
「その為には……まず船が必要だな。おい人質、船のある場所教えろ」
「な、なんでこうなるんですか……?」
 少女は涙を流し、乾いた笑みを浮かべます。

――こうして、脱走劇は始まろうとしていました。

担当マスターより

▼担当マスター

高久 高久

▼マスターコメント

 初めましての方は初めまして。そうでない方はまたお遭いしましたね。高久高久です。
 このシナリオは、シャンバラとカナンの間にある雲海に囲まれた5つの島を巡っての冒険物となる寺岡志乃GMのシナリオ、の裏側を描いたものとなっております。

※注意
 今回こちらのシナリオに参加される方は、寺岡志乃GMのシナリオには参加できません。
 尚前回の第一話にて『高久』を選択した方には今回招待を出しております。
 また、若干名(1名)空いている枠分新規での参加が可能です。その方を含め、次回以降高久のシナリオで招待を出させていただきます。


■目的
 参ノ島からの脱出です。

■状況
 現在皆さんは密漁船の乗組員と思われ、武装を全て取り上げられた状態です(服は着ています)。
 その為武装を扱ったアクションは基本的にNGとなります。

 スキルに関しては使用はできますが、使用したことで必ずしも有利になるとは限りませんのでご注意ください。

■参ノ島
 参ノ島は他の島と比べ、一番工業が発達した島です。かつて機晶石が採掘されていました。
 採掘が終わってピークは過ぎていますが、まだアーティフィサーや機晶姫が多くいて、武具が豊富。女傭兵たちがいます。
 現在皆様は拘束され、傭兵たちの基地の様な場所へ連行されました。
 基地は小さな町程の広さとなっており、以下の様な場所があります。

・ドッグ:現在船は密漁船と、武装艦が一隻ずつあります。その他は今は出払っています。牢から最も離れています。
・砲撃台:ドッグの傍には不審な船などを撃ち落とす為の砲撃台がいくつか存在します。
・倉庫:食料など備品入った段ボールや工具等が置かれている倉庫です。
・武器庫:傭兵たちが扱う銃火器や爆薬などがあります。
・司令塔:通信機など基地内の傭兵たちに指令を出す場所です。
・屯所:傭兵たちが仮眠を取ったり食事をしたり休憩所として使われているようです。

■傭兵たち
 参ノ島にはアーティフィサーや機晶姫の女傭兵たちがいます。
 彼女達は基本的に銃やナイフで武装し、基地内を巡回、警備しています。ドッグを始め、その他には司令塔や武器庫等なども警備しています。
 また中には武装を持たない兵士もいますが、自身の身体の一部を改造している者も居る為油断は禁物です。

■NPCに関して
・ナオシ:部下の乗組員達とドッグを目指すようです。船を出す準備をしてくれますが、余裕があれば艦も奪ってくれるかもしれません。
・モリ・ヤ:部下の船員達とドッグを目指すようです。彼らは自分の漁船を優先するようです。
・ウヅ・キ:ガイドでは名前が出なかった見張りの少女です。現在ナオシに人質としてつれられています。

■行動に関するヒント
・現在皆さんの脱獄は基地内で発覚していません。ですが巡回中の傭兵が見つければ、基地内は警戒モードに入ります。
・傭兵たちは基本的に不審者を何とかしようと行動をとります。騒ぎが大きければ、他の場所からも応援として駆けつけてくるでしょう。
・脱出の手段はナオシ達がドッグへと無事到達できれば何とかしてくれます。見捨てる様な事はしないので、思い切って任せてしまうのも手です。

 それでは皆様の個性あふれるアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・囮になる

・装備を整える

・破壊工作

▼予約受付締切日 (既に締切を迎えました)

2014年04月01日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年04月02日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年04月06日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年04月16日


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