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【四州島記 完結編 二】真の災厄

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【四州島記 完結編 二】真の災厄

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シナリオガイド【イコン参加可】

遂に現れた真の災厄。四州島に危機が迫る!
シナリオ名:【四州島記 完結編 二】真の災厄 / 担当マスター: 神明寺一総

(どうして、こんなコトに……?)

 ドクター・ハデス(どくたー・はです)は、何度繰り返したか分からない問いを、もう一度繰り返しました。

 大地の裂け目から、まるで泉が湧くようにこんこんと吹き出す溶岩。
 その溶岩から逃れようと、必死に走る部下の鬼気迫る顔。
 泥濘に足を取られて逃げる事も叶わず、この世のモノとは思えぬ悲鳴を上げながら、生きたまま炭化していく部下。

 そんな、非現実的な光景が、ハデスの目の前で繰り広げられているのです。

(ナゼだ?俺は……俺は飛空艇を発掘していただけだ。それが、それがナゼ、こんなコトに……?)

 もう一度、同じ問いを繰り返します。

 だが、ハデスの頭はまるで霞のかかった様にぼんやりとして、まるで働きません。
 現に、溶岩がすぐ側まで迫ってきているというのに、それから逃げようという考えすら起こらないのです。

 ハデスは呆けた様に、ひたすら同じ問いを繰り返します。

「――スーーー!」

 不意に、誰かに呼ばれたような気がして、ハデスは天を振り仰ぎました。
 雲ひとつ無い晴れ渡った空の中に一つ、キラリと光る点が見えました。

「ハデーーーース!!」

 今度は、ハッキリと聞こえました。
 誰かが、自分の名前を叫びながら、こちらに向かってまっしぐらに急降下してきます。

「手を出せ!ハデス!!」

 それは、日下部 社(くさかべ・やしろ)でした。
 社が、自分目がけて突っ込んでくるのです。

「ハデスさん、早く!!」

 社の隣を飛ぶ五月葉 終夏(さつきば・おりが)も、悲鳴のような声を上げています。
 ハデスは、言われるがままに、両手を差し上げました。
 その身体を、地面すれすれまで急降下してきた社が、すれ違いざまに抱き上げます。
 激しい衝撃に一瞬息がつまり、ハデスは激しく咳き込みました。

「ナニ、あんな所にボーッと突っ立っとんや!死ぬ気か!?」

 ゲホゲホとむせ返り、ようやく呼吸を取り戻したハデスの耳に、社の罵声が飛びこんで来ます。
 それで、ようやくハデスは正気を取り戻しました。
 ハデスは改めて、自分の置かれた状況を確認します。

 自分を抱き抱える社と、その隣を飛ぶ終夏。
 眼下では、真っ赤な溶岩が、周囲の沼を侵食しながら、ジワリジワリと広がっています。
 そしてその溶岩の海の真ん中に、何か巨大なモノが、うずくまっていました。

「全身が溶岩で出来たドラゴン」とでも言えばいいのでしょうか。
 一体どこから湧いてくるのか、その身体からは常にマグマが滴り落ち、体表がゴボゴボと泡を吹いています。
 激しい高温にさらされ、沼地はシュウシュウと湯気を立てて蒸発しています。

「なんだ、アレは……?」
『炎の魔神』や」
「大昔に大噴火を引き起こして、四州島に大災害をもたらした、張本人よ」
「最後は、名も知られぬ大魔術師が、異界から召喚した『雪の女王』の力を借りて、どうにかこうにか封印したんやがな」
「『雪の女王』っていうのは、『白峰輝姫(しらみねのてるひめ)』のコトね。ハデスさんは、その魔神の封印を解いてしまったのよ」

 社と終夏の言葉に、呆然とするハデス。

「お、俺が!?そんなバカな……。俺はただ、飛空船を発掘しようと――」
「飛空艇と間違えて、魔神の封印を解いちまったんや。オマエは」
「何か、塚のようなモノがあったでしょ?」
「確かに、あるにはあったが……。まさか、そんなモノがいるなんて……」
「ちゃんと調査団に残っててくれれば、魔神の情報も共有出来たんだけど――」
「オマエ、途中から敵になりよったからな。全く、世界征服とか余計なコト考えるからこうなるんや」

 社はそこで話を区切ると、急激に高度を下げ、地上に降り立ちました。
 そこは、魔神のいる場所から離れた、切り立った崖の上でした。

「ココなら、溶岩もすぐには届かんやろ。俺らが助けてやるんはココまでや。後は、自分の力でどうにかせぇ。……御上先生から言われて無かったら、あのまんま見捨てとるトコロやで、ホンマ」
「御上?御上 真之介(みかみ・しんのすけ)が、何か言っていたのか?」

 怪訝そうな顔をするハデス。

「先生から、『もしドクター・ハデスと戦うコトがあっても、決して命は取るな、もし捕まえたら、解放してやれ』ゆうて、お達しが出とるんや」
「『ハデスさんには、白峰(しらみね)の件で借りがあるから』って言ってたわよ」
「白峰……?一体なんのコトだ……?」

 終夏の言葉に、首をかしげるハデス。
 『借り』と言われても、当の本人にはまるで覚えがありません。

「まぁエェ。とにかく、俺等は行くで。まったく、東野(とうや)だけでも大変だっちゅうのに、どうしてこう次から次へと……」
「ちょっと待て!東野がどうかしたのか?まさか、西湘(せいしょう)との戦に負けたのか?」

 今にも飛び立とうとする社を、ハデスはなおも呼び止めます。

「戦なんぞしとる場合や無い!首塚大神(くびづかのおおかみ)が、雄信様の身体を乗っ取って復活したんや!」
「なんだと!!広城 雄信(こうじょう・たけのぶ)が乗っ取られた!?ナゼ、そんなコトに?」
「詳しいコトは、俺もよう知らん。なんでも、東野軍と西湘軍の決戦の真っ最中に、由比 景継(ゆい・かげつぐ)が現れて、雄信様に何やら術をかけたゆう話やけど……」
「だから、私達はこれから東野に戻って、首塚大神(くびづかのおおかみ)様をお鎮めしないといけないの」

 社達は以前、首塚大社に顕現した首塚大神を、東遊舞(とうゆうまい)と言う舞でなだめ、鎮めたコトがあるのです。

「ほな、いい加減俺らは行くで――」

 と言ってフワリと宙に浮いたトコロで、社は動きを止め、改めてハデスに向き直りました。

「いいか、ハデス。もしお前が今回の件で少しでも責任感じ取るんなら、あの魔神、お前の力でなんとかせぇ」
「なっ――!」

 とんでもないコトを言われ、絶句してしまうハデス。
 いくらハデスが非常識で、根拠の無い自信の塊のような人物だとは言え、さすがにあの魔神を一人でどうにか出来るとは思いません。

「世界征服に比べれば、魔神の一匹や二匹、どーっちゅうコトないやろ」
「そうだよハデスさん。征服する前に対象を破滅させちゃうようじゃ、悪の秘密結社失格だよ!」

 傍から聞いていると明らかに論理が破綻しているような気もしますが、当のハデスはと言うと――。

「ふ……、フハハ、フハハハハ!ナルホド!!確かにお前達の言う通りだ!任せておけ、必ずやあの魔神を手懐け、我が世界征服の尖兵としてくれよう!」  

 どうやら、にわかにやる気を出したようです。

「お!やる気が出たようやな、よしよし。ほな、取り敢えずあの魔神が片付くまでは、一旦俺らとお前は休戦や。まずは、この島を滅亡から救うのが先決やからな」
「御上先生には私達から連絡しとくから、南濘公にはハデスさんから連絡しておいて」
「良かろう」

 二つ返事で引き受けるハデス。
 すっかり魔神を手下にする気でいるハデスは、南濘公鷹城 武征(たかしろ・たけまさ)を、その露払いにするつもりなのです。
 
 ハデスは、東野目指して飛び去って行く二人を見送ると、どうやって魔神と捕らえるか、早速策を練り始めるのでした。



 数日後――。

 南濘藩における「魔神復活」の報は、早くも翌日には、太湖(たいこ)を臨む断崖にアジトを構える三道 六黒(みどう・むくろ)の元に届いていました。
 四州全域の犯罪組織を力づくで統合した六黒は、同時に四州島全域をカバーする情報ネットワークをも、手中に収めているのです。

「では、魔神に動きは無いのだな?」

 六黒は、自分の右腕である両ノ面 悪路(りょうのめん・あくろ)に問いかけました。
 四州各地から集まる玉石混淆の情報は悪路によってふるいにかけられ、本当に重要な情報のみが六黒へと伝えられます。

「はい。魔神は未だ、姿を現した場所から一歩も動いていません。恐らく、エネルギーを蓄えるコトに専念しているのだと思われます。その証拠に、毎日身体が大きくなっています」
「今はどれくらいだ」
「推定ですが、およそ30メートルはあるかと。最初に姿を現した時が10メートル程ですので、既に3倍の大きさになっています」
「火山活動はどうだ?」
「既に大沼沢地の過半が溶岩に飲み込まれています。沼沢地が完全に干上がるのも、そう遠くは無いかと。魔神の周辺では、小規模ながら火山が噴煙を上げているのが確認されています」
「それで、南濘はどうする気なのだ?」
「駐留しているアメリカ海軍と合同で、飛空船艦隊による総攻撃を仕掛けるつもりのようです」
「……それで倒せるのか?」
「それはなんとも。『魔神が本来の力を取り戻す前なら可能』と、そう踏んでいるかもしれません」
「フン……。それで、首塚大神の方はどうだ?」

 六黒は「もう南濘には興味が無い」とでも言うように、話題を変えました。
 六黒にとっては、未だ動きのない南濘よりも、東野と、そして西湘(せいしょう)の方が焦眉の急なのです。

「大神は相変わらず、首塚大社に引き籠ったまま出てきませんが、怨霊が跳梁跋扈しております。怨霊に襲われて死んだ人間が、怨霊となって人を襲い、殺された人間がまた怨霊となるという、悪循環に陥っています」
由比 景継(ゆい・かげつぐ)の思うがままという訳か――」

 悪路の報告に、六黒は一言そう言ったきり、不機嫌そうに黙り込んでしまいました。
 今東野では、まさに地獄絵図が繰り広げられていたのです。


 東野に攻め込んだ西湘軍と東野軍は、中ヶ原(あたるがはら)古戦場で激突しました。
 ここはかつて、四州で行われた最後の大規模な内戦『中ヶ原の戦い』の舞台となった地であり、その戦死者達を祀る、首塚大社の建つ地でもあります。

 戦いは始め、反乱軍に勝利して意気上がる東野軍と、数に勝る西湘軍が一進一退の攻防を繰り広げました。
 しかし東野軍の騎兵が、背水の陣を引いた西湘軍の背後を、渡河で奇襲するという奇策に出て、一気に形勢は東野軍に傾きます。
 再び東野軍が勝利を収めるかに見えたその時、異変が起こりました。

 突如、怨霊の群れを引き連れて現れた由比景継が東野軍の本陣を奇襲。本陣にいた総大将の広城雄信と、彼の旗本十数名を、首塚大神とその眷属に変えてしまったのです。
 荒れ狂う鬼神と化した雄信と旗本達は、目にする者全てに片っ端から襲いかかり、筆頭家老の大倉 重綱(おおくら・しげつな)を始め、その子大倉 定綱(おおくら・さだつな)や孫の大倉 定義(おおくら・さだよし)、更に止めに入った契約者達にも重傷を負わせ、司令部を壊滅に追い込みました。
 そして、東野軍に背後から襲いかかったのです。

 指揮系統が完全に破綻した東野軍は、この突然の事態に対処する事が出来ませんでした。将兵を、まるで木の葉をまき散らす様に屍に変えていく大神の姿に、全軍の士気は崩壊。東野軍は総崩れとなります。
 瞬く間に東野軍を蹴散らした大神達は、新しい獲物を求めて西湘軍に向かいます。
 ここで、大虐殺が起こりました。
 背水の陣を引いていた西湘軍には、逃げ場が無かったのです。 
 渡河する術を持たない歩兵を中心に、西湘軍は実に総兵力の8割を失い、壊滅。
 大神達は、目に入る人という人を一人残らず虐殺すると、にわかに踵を返して、首塚大社を占拠し、立て籠もりました。
 以来大神達の姿を見たものはなく、また首塚大社に足を踏み入れて生きて帰って来た者もいません。

 こうして大神達は姿を消しましたが、ここからが真の恐怖の始まりでした。 
 大神達によって殺された将兵が、怨霊となって蘇り、生き残った両軍の兵士に襲いかかったのです。
 実体を持たない霊に対して為す術を持たない一般の将兵たちは、次々と怨霊の餌食となり、新たにその戦列に加わる事となりました。
 
 更にこの日を境に、今まで収まっていた怨霊達の活動が再び活発化。東野各地に怨霊が現れて、人々を襲うようになりました。
 こうして東野は、夜な夜な怨霊が跳梁跋扈する、呪われた地と化したのです。

 現在では、中ヶ原の周囲に警戒線が張られて、それより外への怨霊の進出を食い止めると共に、各地に現れる怨霊の掃討作戦が行われていますが、とても人出が足らず、追いついていないのが実情です。


「東野では、御上 真之介(みかみ・しんのすけ)五十鈴宮 円華(いすずのみや・まどか)が、例の東遊舞(とうゆうまい)で大神を鎮める計画を立てているようですが、果たして同じ手が通じるかどうか……」

 悪路は扇の下で、含み笑いを浮かべています。

「西湘はどうなっている?」

 また唐突に、六黒が訊ねました。

「本日未明、東野遠征軍の生き残りが太湖を渡り、西湘領内に入りました。その数は、千にも足りません。また、藩主の水城 永隆(みずしろ えいりゅう)が病で死に、水城 薫流(みずしろ・かおる)が後を継いだという発表がなされましたが、それ以上は何も。藩主の突然の死について何の説明もなく、また東野との戦を今後も続けるのかも分からず、更には東野の怨霊が西湘にも攻めてくるのではないかという憶測まで飛び交う有り様で、西湘国内は相当に同様しているようです」
「……悪路。お主は、景継がドコにいると思う?」
「恐らくは、東野かと。一時途絶えていた怨霊がまた現れるようになったのは、景継が暗躍しているせいだと思われます」
「薫流の件はどう思う?」
「薫流殿が率先して景継に協力するとは思われません。脅迫するか、あるいは術で洗脳するか何かして、無理矢理言う事を聞かせているのでしょう」
「そう考えれば、西湘に目立った動きがないのも説明がつく、か――」
「はい」
「わかった。手下共には、いつでも出陣出来るよう、準備をさせておけ」
「東野に行かれるのですか?それとも西湘?」
「そう急くな。それは追って知らせる」
「畏まりました。では――」
 
 慇懃に頭を下げ、退出していく悪路。
 しかしこの時、その言葉とは裏腹に、六黒の腹は九分九厘決まっていたのです。

担当マスターより

▼担当マスター

神明寺一総

▼マスターコメント

 皆さん、こん○○は。神明寺(じんみょうじ)です。
 大変お待たせ致しました。【四州島記 完結編 二】のお届けになります。 
 
 今回もまた申し訳無いのですが、体調が芳しくありませんので、リアクションの作成期間を、通常よりも長く取らせていただきたいと思います。

 プレイヤーさんの参加人数にもよりますが、基本このシナリオのリアクションは、8月19日(火)に公開します。

 リアクションの公開が通常よりも大幅に遅れる事になりますので、プレイヤーの皆様には、くれぐれもこの点ご了承の上、ご参加頂きますようお願い致します。


【ゲーム内時間の経過と、その間の出来事について】

 今回は、前回の【完結編 一】のラストから、一週間程度経過しています。
 本ガイドの、前半部分が、前回から2、3日後。
 そして後半が、更に3、4日後と言った所でしょうか。

 その間に、東野の中ヶ原では東野軍と西湘軍の決戦があり、その最中に首塚大神が顕現して、東野は今では、怨霊が跳梁跋扈する地と化しています。
 一方南濘では、封印されていた炎の魔神が復活し、大沼沢地を溶岩の海へと変えつつあります。再び、古の災厄が繰り返されようとしているのです。

 
【シナリオの目的】

 このシナリオの目的は、首塚大神と炎の魔神という二つの脅威に対処し、解決への道筋を探る事が、主な目的となります。


 東野藩の軍師格である御上真之介は、首塚大神に対して、以前にも効果のあった東遊舞による鎮魂を考えています。
 東遊舞は、東野藩に古くから伝わる民俗芸能で、舞手の他に、歌い手と、二絃琴(にげんきん、馬頭琴や二胡によく似た楽器)と笛、鼓(つづみ)、鐘、鈴の楽手が必要とされます。
 これらの内、舞と二絃琴、笛と鼓は相応の経験が無いと難しいですが(逆に言えば、経験者ならそれほど苦労せずに習得する事が出来ます)、歌と、鐘と鈴は誰でもみっちりと特訓を受ければ4、5日で出来るようになります。
 もし東遊舞に参加してみたいという方は、検討してみて下さい。
 また東遊舞についての詳しい描写が、

『【四州島記 巻ノ一】 東野藩 〜調査編〜(第十一章 東遊舞)』
『【四州島記 巻ノニ】 東野藩 〜擾乱編〜(第九章 首塚大社)』

 にありますので、よろしければ参考にして下さい。

 なお今回の東遊舞には、前回の舞にも参加した五十鈴宮円華(舞)の他に、広城雄信の母親である春日(舞)や、御上真之介(舞)と大倉一族(重綱・定綱・定義、舞・鼓・笛)も参加する予定です。

 なお舞の最中は、舞に全神経を集中する必要がありますので、完全に無防備になります。
 万が一に備えて、護衛の担当者も必要でしょう。

 その他、各地に出現する怨霊については、逐一東遊舞で鎮撫するのは難しいので、こちらは武力討伐する必要があります。ただ、怨霊には実体がありませんので、魔法攻撃力を持つ攻撃方法が必須になります。この点だけは注意して下さい。
 ちなみに、東野にある日米企業の防衛の為に、アメリカ海兵隊が出動しています。


 一方炎の魔神ですが、こちらは南濘藩主の鷹城武征が、藩内に駐留しているアメリカ海軍と共同で、飛空船による攻撃を計画しています。
 この作戦にあたり武征は、積極的に義勇軍を募っています。もしイコンと共に駆けつけたならば、大歓迎されるでしょう。

 
 これまで魔神を封じてきた北嶺の白峰輝姫ですが、こちらは、その力を南濘まで伝える機晶石の『道』が破壊されてしまっており、現状では魔神封印の役には立ちません。
 御上は白峰で手に入れた機晶石の分析を島外の研究機関に委託する予定ですが、これをPCが引き受ける事も出来ます。しかし分析や、その結果に基づく『道』の復旧作業には時間がかかりますので、少なくとも本シナリオ中には間に合わないでしょう。


【新規参加について】
 
 本シナリオはキャンペーンシナリオですが、これまで参加した事のないキャラクターであっても、問題なくご参加頂けます。
 また学校の制限も一切ありませんし、特定の学校の生徒が有利になるという事もありません。

 四州島の四藩は、一応マホロバ幕府の統治下にありますが、その幕府を含めて、外部の勢力が大規模な介入を行う事は一切ありません。
 しかし、個人の立場で戦いに協力する事は出来ます。

 新規参加のキャラクターの導入としては、「友人や知り合いから頼まれたり、あるいは何かのツテから四州島の内乱の話を耳にして、戦いに参加する事を選んだ」というのが一番あり得るケースかと思います。
 もちろん、その他の理由で戦いに参加しても一向に構いません。――マスターを納得させられるだけの説得力は必要になりますが。


【継続参加の方へ】

 今回のシナリオは、前回のシナリオから約一週間後です。その間に、東遊舞の何らかのパートをマスターしたり、イコンを取りに戻ったりする事は十分に可能です。
 他にも、面識のあるNPCとの関係を深めたり、何らかの調査を進めておく等、その他のアクションを取る事も可能です(成果のほどはアクションの出来次第ですが)。

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 ★☆★ 戦闘について ★☆★

 戦争を扱うこのシナリオでは、いつどのような形で戦闘に巻き込まれるかわかりません。ですので「戦闘で活躍したい!」という方は、アイテムやスキルなどをどう使うかも含めて、具体的な戦闘方法を書いておいて下さい。
 逆に「戦いたくない」という方は、どうやって戦闘を回避するのかを(「逃げる」「隠れる」等具体的な行動を、スキル・アイテムの使用も含めて)記述して下さい。
 戦闘描写は必要ない(あるいは書いて欲しくない)という方は、その旨明記しておいて下さい。
 その一文が無いと、マスターがキャラクターの装備やスキルを元に戦闘を描写する可能性があります。


 ★☆★ ダブルアクションについて ★☆★

 このシナリオでは、MCとLCが別々の場所で、別々の行動をとっても構いません。
 ただし、MC・LC共に一人が取れる行動は一つだけです。
 例えば「MCが自分の行動を取りつつ、LCの行動にも協力する」というのはダブルアクションになりますので、注意して下さい(助言したり、ケータイによる会話程度なら可能ですが)。



 ★☆★ NPCと称号について ★☆★

 このシナリオには、神明寺が管理するNPC(御上真之介等)と、これまでのキャンペーンに登場した四州島民のNPC以外は、一切登場しません(話の流れ的に、名前だけ登場することはあります)。
 それ以外のNPCを登場させるアクションは、失敗したり、そもそも不採用になることがありますので、注意して下さい。

 また、葦原藩やマホロバ幕府、その他各学校や日米両政府など、島外の勢力に協力を要請しても全て失敗に終わります。
 四州島の危機を救うのはあくまでキャラクターと島民たちであって、島外の人々であってはならないというのが、このキャンペーンでの最低限のルールとなのです。

 称号についてですが、他のMSのシナリオで獲得した称号を名乗るのは自由ですが、特別な場合を除き、本シナリオ内では効果はありません。


 ★☆★ 四州島におけるインフラについて ★☆★

 四州島はつい最近まで数千年に渡り鎖国を続けていたこともあり、パソコンやインターネットに携帯電話、さらには電気に至るまで、現代文明において必須と思われるインフラはほとんど普及していません。

 発電は一部で行われていますが、いずれも小規模な太陽電池や燃料電池で行われているため、その量はとても少なく、ほとんどが自家消費してしまいます。

 ガスも同様で、一部でLPガスが使われていますが、一般には普及していません。
 水道は大きな都市であれば上下水道が整備されていますが、浄水施設などはありませんし、ちょっと地方にいけば水道もありません。

 IT機器は四州島に進出している外国企業が利用しているのみで、一部の好事家を除けば、藩などの公的機関も含めて全く使用していません。
 携帯電話は、各藩の首府の、さらにごく一部にのみ基地局が整備されているという状況なので、原則PC〜LC間での通話以外には使用出来ないと思って下さい。
 このため各キャラクターには、無線機が貸与されています。

 また、公衆電話回線や光ファイバーケーブルなども一切ありません。外国企業で構内専用回線が使われているのみです。
 かつて調査団の本部が置かれていた広城城内には、空京と通信するための専用回線がありますが、それも不安定なもので、恒常的かつ快適に使えるようなモノでありません。


 ★☆★ 四州島の軍隊について ★☆★

 以上の如く、四州島の科学技術は前近代的なレベルにありますが、こと軍隊に限っては、急速に近代化が進んでいます。
 北嶺を除く三藩の軍隊では、自動小銃を兵士の標準装備とした軍編成や戦法が一般化しつつあります(残念ながら無線が無いため、意思伝達には未だ伝令が使用されていますが)。


 ★☆★ シナリオ内時間について ★☆★

 このシナリオ内で扱う日時ですが、現在の蒼フロ時間よりも2年近く前の、2022年6月頃を想定しています。

 と言っても、キャラクターデータについては特に変更する必要はありません(2012年3月以降に追加された種族やクラスなども、そのままで問題ありません。スキルやアイテムも同様です)。
 ですが、データ以外の設定などについては、例えそれが公式のモノであっても、話の整合性の問題から、採用できない場合があります。
 このキャンペーンは基本的に他のMSのシナリオから完全に独立していますので、問題ないとは思いますが、問題のある場合には掲示板から質問して下さい。
 またキャラクター個々人についてですが、特にアクションに記述がない場合、データ的にも設定的にも、現在と同じと判断してリアクションを作成します。
 逆に、「昔あの頃は……という事があったんだ」と言うカンジでアクションを書くのも面白いと思います。


 ★☆★ 質問を受け付けます ★☆★

 掲示板からの質問を受け付けます。

 掲示板の『アクション相談/リアクション感想』スレッドに、質問を記入してください。
 マスター側で「回答の必要がある」と判断した質問については、回答します。

 また、必ず書き込みの冒頭に、【質問】とつけるようにしてください。
 冒頭に【質問】とない書き込みについては、質問ではないものと判断しますので、注意して下さい。

 なお、質問の回答はマスターページにて行います。
 質問はアクション締切日の2日前の午前10:30まで受け付けます。
 時間は、掲示板の投稿時間で判断します。
 締切以降のご質問につきましては、原則ご回答できません。

============================================================

 ★☆★ クリティカル(大成功)判定について ★☆★

 今回のシナリオでは、『クリティカル』というシステムを導入します。
 以下に、その判定方法を説明します。

 皆さんが掲示板に書き込みをすると、書き込みの一番右端にダイス(サイコロ)が2つ表示されますが、判定には、このダイスを使用します。
 まず2つあるサイコロの内、左側を十の位、右側を一の位として、2ケタの数字を導き出します。
 例えば、左側が「5」右側が「2」なら、「52」になります。

 一方マスターは、アクションが締め切られた後、一度だけダイスを振ります。
 使用するダイスを2つ。一つは赤、一つは青です。
 赤いサイコロを十の位、青いサイコロを一の位として、サイコロを振ります。
 例えば 赤いサイコロが「1」、青いサイコロが「6」なら、「16」になります。

 皆さんの書き込みのダイス目とマスターのダイス目を比べ、両方の数字が同じなら、そのプレイヤーの担当する
MC(およびLC)のアクションは「大成功」になり、予想外の素晴らしい結果を生み出します。

 
 言葉でいうとなんだかややこしく感じるかもしれませんが、「宝くじ」をイメージするとわかりやすいと思います。
 皆さんの書き込みのダイス目が抽選番号、マスターのダイス目が当選番号という訳です。

 なお、もし当選者が一人も出なかった場合は、再抽選を行います(マスターがもう一度ダイスを振ります)。
 それでも当選者が出なかった場合は、マスターは当選者が出るまでダイスを振り続けます。
 当選者が複数いる場合は、当選者全員のアクションが大成功になります。

 ちなみに、6面ダイス2つによって作り出されるダイス目は、6×6=36通りになりますので、クリティカルが発生する確率は
1÷36=2.7777……≒2.8%となります。
 ちなみに過去のキャンペーンでは平均すると、約50人参加で3人、30人で1人が、クリティカルとなっています。

 クリティカル判定には、参加者用掲示板への書き込みのダイス目を使用します。
 複数の書き込みがあった場合には、最初の書き込みのダイス目を、判定に使用します。
 書き込みが無かった場合は、そのプレイヤーの担当するキャラクターについては、クリティカル判定は行いません。

 当選番号と当選者は、アクション締め切り後に、マスターページにて発表します。
 
============================================================
 長くなりましたが、説明は以上となります。

 今回のシナリオは大きく分けて、首塚大神と炎の魔神の二つのパートに分かれますが、この内炎の魔神の方はぶっちゃけ怪獣モノを想定しています。派手な戦闘を楽しみたい方、ゼヒご参加下さい(笑)。
 一方首塚大神の方は、いつもの(?)因縁オカルトモノです。
 そしてガイドに名前が出て来ているように、ついに『黒幕』由比景継が本格的にPC達の前に姿を現します。
 果たして後2回で本当に終わるのか!?それはPCの皆さんのアクションにかかっているのです。

 では皆さんのアクションを、楽しみにしております。 
  

 神明寺 一総 

▼サンプルアクション

・舞を舞う

・イコンで魔神を攻撃する

・東遊舞のメンバーを護衛する

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2014年07月17日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2014年07月18日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2014年07月22日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2014年08月26日


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