空京大学

　
　ツァンダ地方にある樹海の中に、聖地カルセンティンという場所がありました。
　そこの守り人たる守護天使、アレキサンドライトの前にある日、１人の子供が現れました。

「助けてあげてほしい子がいる」

　聖地カルセンティンの地祇、かるせんによれば、カルセンティンと地脈で繋がる別の聖地、キマク地方にあるモーリオンで、地祇もーりおんが、瀕死の状態にあるというのです。

　かつて、とある戦いで、その聖地は沢山の血が流され、闇龍の影響を受け、聖地と呼べなくなるほどの負の傷を負ったのでした。
　その地の精霊とも呼べる地祇もーりおんは、その影響を、もろに受けてしまっているのです。

「あの場所は、血と闇の力で穢されてしまったから……。
　その穢れにあてられて、今も残る血と闇の邪気に包まれて、ぼろぼろの状態になってる……」

　そして、混濁する意識の中で何故か、地中に埋められた花の種を、必死に護っている、と。
　そんなもーりおんを見てられない、と、かるせんは助けを訴えたのでした。

「そうは言ってもな……。俺は、ここを離れられねえし。誰かに頼んでみるか」

　アレキサンドライトはふむ、と考え込みました。

　空京郊外。

　墜落した飛空艇を仮住居とするゴーレム技師、オリヴィエ博士宅に居候をしている少女、ハルカは、しばらく前から考え込んでいました。
「どうしたんです？」
とオリヴィエ博士の助手、ヨシュアが訊ねれば、
「もうすぐクリスマスなのです」
とハルカは言いました。

「クリスマスプレゼントは何が嬉しいです？」

　ヨシュアは困ったな、と思いました。
　心を込めて選んでくれたものなら、何でも嬉しいものですが、何でもいい、は、一番困る答えでしょう。
　ましてや
「……何を贈られても嫌がらないと思いますが、何を贈れば喜ばれるかは、僕にもさっぱりですね」
　博士の反応については、そう正直に言うしかありませんでした。




「来年の正月は、空京に行こうぜ」

　ザンスカールでは、イルミンスール学生、トオルがパートナーのシキを誘いました。
「いいけど、どうした？」
　無駄に気合の入っているふうのトオルに訊ねると、よくぞ訊いてくれましたとばかりに。

「俺、今年の空京神社の初詣で、おみくじ大凶ひいてるんだよな。
　来年こそは大吉を当てる！！！」

　決意と共に、固く拳を握り締めるトオルを、まあ頑張れよとシキは微笑ましく見守りました。




　――クリスマス。
　年末。
　お正月。

　あなたは、どんな風に過ごしますか？

　懲りもせずに扉絵持参で、クリスマス祭に参戦です。
　公開が年が明けてからになりますので、リア内でもクリスマスから新年にかけたシナリオです。

　一部の方には憶えのあるＮＰＣが出ていたり、一部の方には懐かしすぎる場所が出てきたりしていますが、知らなくてもあまり気にしなくていいと思います。

　短編オムニバス、みたいな感じで、のんびりまったりと過ごそうかな、的な。
　某シリーズ終了に伴い、唯一心残りとしてあった件を消化しつつ、ちょっと冒険的な内容も加えてみようかな、的な。
　
　オムニバスですので、上記の展開に繋がりはありませんが、皆さんのアクションで繋げてくださることは勿論歓迎です。
　皆さんのアクションで他のオムニバス展開を作ってくださることも歓迎です。
　上記の展開やＮＰＣに全く絡まず、
「年末年始にやりたいこと、やり残したことがあるけど、他のシナリオにもぐりこみそこねてしまったので」
という感じでフリーなアクションをかけてくださっても構いません。
　ガイドに出ていなくても、私が扱っているＮＰＣなら誰にモーションをかけてくださってもいいです。
（ただ、他のマスターが扱っているＮＰＣにアクションをかけてくださっても、登場は不可能に近いですのでご容赦を）


　まったりと、やりたいことをご自由にどうぞ。

・もーりおんを助けに行く

・ハルカとクリスマス

・空京神社へ初詣に行く

・やり残したことがある