空京大学

「ごめんなさい」
「はうっ」
　空京の通りでいきなり体当たりされて、ホイップ・ノーン（ほいっぷ・のーん）は細い横道へと倒れ込みました。
「あなた、どこかで見たような……」
　ぶつかってきた女の子を見て、ホイップが軽く首をかしげました。
「どっちにいった？」
　そこへ、数人の声が近づいてきます。
「……こちらへ！」
　女の子は、ホイップの手を引いて走りだしました。
「えっ、えっ！？」
　わけも分からず、ホイップも走りだします。
「いたぞ、こっちだ！！」
　二人を見つけた黒づくめの男たちが後を追いかけてきました。
「ああ、思い出した。あなた、シリウスさ……」
　しっと、唇に指を当てて、シリウスことミルザム・ツァンダ（みるざむ・つぁんだ）が黙ってと合図しました。
「巻き込んでしまってごめんなさい。とにかく、今は逃げて……」
　走りながら、シリウスはそうホイップに言いました。
　
「見つかったか？」
「いいえ、まだ……」
　困ったように、テティス・レジャ（ててぃす・れじゃ）が皇　彼方（はなぶさ・かなた）に答えました。
「まったく。ミルザム様にも困ったもんだ。とにかく、手分けして探すぞ」
「はい」
　そう言うと、テティスは一人で裏道の方へと走っていきました。

　また、シリウスがお忍びで踊りに行ってしまったようです。
　ところが、今回はそれが事前に察知されていたらしく、数人の追っ手がかかってしまいました。どうやら、鏖殺寺院の者たちのようです。
　逃げるシリウスに、空京にいたホイップが偶然とはいえ巻き込まれてしまいました。
　テティスたちクイーン・ヴァンガードは、お忍びのシリウスを連れ戻そうとやってきましたが、不審者を見つけたため、シリウスの保護に焦りを感じています。
　シリウスとホイップの二人とも、それぞれが約束していた場所に現れないので、学生たちも心配して捜し始めました。
　さて、二人は無事追っ手から逃げきれるのでしょうか……。

・シリウスを捜す

・ホイップの様子を見にいく

・シリウスを保護する