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【金鷲党事件 一】 ~『絆』を結ぶ晩餐会~ (第2回/全2回)

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【金鷲党事件 一】 ~『絆』を結ぶ晩餐会~ (第2回/全2回)

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シナリオガイド

要塞化された孤島を攻略し、円華嬢を救出せよ!
シナリオ名:【金鷲党事件 一】 ~『絆』を結ぶ晩餐会~ (第2回/全2回) / 担当マスター: 神明寺一総

「円華さんの居場所がわかったというのは、本当なの?」

 そう息せき切って飛び込んで来たのは、蒼空学園の校長、御神楽環菜である。
 各校の交流促進の為開かれた晩餐会の最中に、主催者である五十鈴宮円華が行方不明になってから、既に1週間。
 この間、各校・各機関による必死の捜索が続けられていたが、未だ円華嬢の行方は杳として知れなかった。

「はい。恐らく、間違いないと思います」

 蒼空学園の社会科教師、御上真之介(みかみしんのすけ)は、そういって立ち上がると、今まで自分が座っていた椅子へと環菜を促した。

 見ると、そこには『古墳からの出土品』として博物館にでも展示されていそうな金属製の鏡と、ノートパソコンが置いてある。パソコンの方は御上のパートナーである魔導書『ヤズ』だが、鏡の方に見覚えは無かった。

 引き込まれるようにして鏡を覗き込んだ環菜は、そこに映し出された光景に息を呑んだ。そこにあったのは、当然あるはずの自分の顔ではなく、見た事も無い景色だったのである。

 どこか、高い所にある窓越しに見下ろしているのだろう。一面に雲海が広がり、そこここに小さな島が浮かんでいるのが見える。どこか、現実離れした光景だった。

「詳しい説明は省きますが、この鏡には今、円華さんが持っているもう1枚の『鏡』に映っている光景が、映し出されています。つまりこの鏡と円華さんの鏡はつながっていて……」

「ここが、今円華さんが監禁されている場所、という訳ね」

 瞬時に状況を理解して、環菜が言った。見ると、鏡の端に、マホロバ人と思しき武装した兵士が映っている。ここが監禁場所なら、この兵士は見張りという所だろう。

「円華さんが絶海の孤島にいる事は、わかったわ。それで?ここはドコなの?」
「それについても、あらかた調べはついています。ヤズさん?」

 御上がそう言うと、傍らのヤズのモニターに火が点り、いずこかの地図が現れた。どうやら、葦原島周辺の、比較的縮尺の大きい地図らしいが、それ以上の事は分からなかった。

「この窓から、雲の間に見える島々の配置と、太陽の位置からヤズさんが計算した結果、葦原島の南にある島の1つに間違いないそうです。」

モニター内の島の1つにカーソルが赤く点滅し、ズームアップされる。

「元々このあたりでは、以前から船籍不明の武装飛空艇よる襲撃事件が散発していて、『金鷲党』の拠点の1つではないかと言われていた所なんです」

「なるほど…。調べてみる価値はありそうね」
 地図と鏡を見据え、意を決したように環菜が呟く。

「急いで下さい。監禁場所が定期的に変えられている可能性は、十分にあります。それに、彼女が我々に情報をリークしている事が、いつバレるとも限りません」

 厳しい口調で、御上が言う。

「えぇ。すぐに会議の開催を提案するわ。貴方は、このまま情報収集を続けてちょうだい」

 そう言って、環菜は御上の肩に手を置いた。

「大丈夫。必ず、円華さんを助け出すわ。身の危険を顧みずに人々の架け橋になろうとした、彼女の『想い』に応えるためにも、ね」

「はい。必ず!」

 肩に置かれた手から伝わる強い『想い』に、御上も力強く答えた。

担当マスターより

▼担当マスター

神明寺一総

▼マスターコメント

 前回のシナリオにおいて、武装集団による襲撃の最中、忽然と姿を消した五十鈴宮円華(いすずのみやまどか)嬢でしたが、その後、葦原藩の海外進出政策に強く反発するテロリスト集団、『金鷲党(きんじゅとう)』が、円華嬢の誘拐を認める声明を発表。金鷲党によって拉致監禁されている事が明らかになりました。

 また、金鷲党はこの声明において「円華嬢の解放と引き換えに、葦原明倫館を即時廃校にし、葦原明倫館総奉行ハイナ・ウィルソンを葦原藩より追放せよ」と要求。事態は一気に緊迫の度を深めます。

 これに対し葦原明倫館は「全く以って不当かつ荒唐無稽な要求であり、検討するに値しない」と言下に拒絶。逆に、「金鷲党に円華嬢の即時・無条件での解放を求めると共に、円華嬢の捜索と救出に全力を挙げる」と表明しました。

 この明倫館の声明を受け、各校は「明倫館とシャンバラの交流促進の為に尽力した円華嬢を見殺しにする事は出来ない」と次々と協力を表明。ここに、ハイナ・ウィルソンを委員長とする対策委員会が設置されたのです。

 しかし、この明倫館の強気の姿勢とは裏腹に、事態は長期化の様相を呈していきました。各校の必死の捜索にかかわらず、円華嬢の監禁場所を特定する事が出来なかったのです。

 この膠着状態を打ち破ったのが、蒼空学園の御上真之介先生でした。御上先生は、円華嬢から託された五十鈴宮家伝来の神宝にして女王器、『産日(むすび)の鏡』の力を用い、円華嬢の監禁場所の手掛かりを得る事に成功しました。そして、この手掛かりを元にさらに調査を進めた結果、ついに昨日、待ちに待った情報がもたらされました。

 葦原島の南方数十キロに点在する島の1つ、『二子島(ふたごじま)』に潜入した部隊から、「監禁されている円華嬢を確認した」という報告があったのです。

 この報告を受けた対策委員会は、協議の上、武力による円華嬢救出作戦を策定しました。あえて人質の身を危険にさらすような作戦を選んだのは、様々な情報を分析した結果、金鷲党に円華嬢を殺害する意思は無いだろうと判断した為です。

 現在委員会では、この作戦計画に基づき、秘密裏に救出作戦への志願者を募集しています。
 作戦計画は、おおよそ以下の通りです(作戦に志願し、参加が認められた者のみブリーフィングで説明を受けます)。



 今回、主な作戦地域となる二子島は、島の総面積が20平方キロにも満たない小島です。この島は、大小2つの丸い島が、東西にくっついたような形をしており、東側の大きい島を姉島(あねじま)、西側の小さい島を妹島(いもじま)といいます。ちょうど、ひょうたんを横にしたような形です。

 二子島は、今でこそ雲海に浮かぶ浮島となっていますが、かつては地球の島と同じように海の上にありました。島の大地のほとんどは、大昔の海底火山の活動により隆起したサンゴからなり、そこに薄く積もった土壌の上に、亜熱帯性の植物が生い茂り、うっそうとした原生林を形成しています。
 この島で一際目を引くのが、島の東西にそびえる2つの山、金冠岳(きんかんだけ)と白姫岳(しろひめだけ)です。

 金冠岳(きんかんだけ)は姉島にそびえる山で、金冠岳の山頂に露出している黄銅鉱や黄鉄鉱が、日の光に輝く姿が、まるで山が冠をかぶっているように見える事から、こう名付けられました。

 一方、妹島にあるのが白姫岳です。白姫岳の山頂は、昔金冠岳から噴出していた火山性ガスによって植物が枯れ、サンゴからなる白い地肌が露出しており、島が空に上がった今も植物が生える事はありません。その地肌の部分が、白い着物を着た女性のように見える事から、こう呼ばれています。

 潜入部隊の報告によると、敵兵の多くは葦原藩の武士であり、数も決して多くはありませんが、ライフルやより大型の携行火器など、近代的な装備で武装しているとの事です。

 さらに、二子島は現在、各所に柵が張り巡らされたり、塹壕が掘られる等、要塞化が進んでいます。特に金冠岳と白姫岳には幾つもの櫓や城壁が築かれており、城と呼んでよい規模になっています。

 また、潜入部隊が円華嬢を確認したのは、金冠岳山頂付近の櫓の1つなのですが、金冠岳周辺は気流が非常に複雑で、魔法による飛行能力でも近づく事が出来ませんでした。詳細は不明ですが、何か、特殊な結界の様な物が張り巡らされている様です。

 この報告に基づき、対策委員会では、金冠岳への直接突入を諦め、二段構えの作戦を立てました。まず妹島に強襲上陸を行う事により敵の注意を引きつけ、これによって生じた隙を突いて特殊部隊が姉島に突入。潜入部隊と合流し、金冠岳に監禁されていると見られる円華嬢の救出を試みるというものです。



 作戦は、島の周囲を船艇で包囲する事から始まります。これは、テロリストの島からの脱出や、円華嬢の連れ去りを未然に阻止する為です。この包囲に参加する部隊を『A.包囲部隊』とします。この包囲部隊には、島の上空から戦況を監視する、若干の偵察部隊を含みます。
 また包囲部隊は、戦況によって、以下に述べる上陸部隊や救出部隊の増援として投入される可能性があります。

 次に、小型の飛空艇に分乗した『B.上陸部隊』が、妹島の島端に上陸を開始します。妹島の島端から数百メートルは、火山活動により隆起したサンゴ礁が続いています。このサンゴは風化により刃物の様に鋭くなっており、進軍の大きな妨げになると考えられていますが、より内陸への上陸は敵の反撃を想定すると非常に危険であり、ここから上陸せざるを得ません。

 この上陸作戦の進行状況を見極めた上で、『C.救出部隊』が投入される事になります。部隊の投入方法としては今の所、「姉島岸壁の登攀」が想定されていますが、戦況等により変更になる可能性があります。

 この他、二子島への攻撃意図を隠匿する為に、他の金鷲党の拠点複数に攻撃を掛ける『D.陽動部隊』があります。こちらは今の所、葦原藩の武士等が担当する事になっており、各校生徒の志願は受け付けていませんが、特に望むのであれば参加する事も可能です。

 本シナリオに参加される皆さんは、まずMCとLCをどの部隊(『A.包囲部隊』、『B.上陸部隊』、『C.救出部隊』、あるいは『D.陽動部隊』)に参加させるのかを明記した上で、アクションを記述して下さい。この際、MCとLCは極力同じ部隊に参加させる様にして下さい。
 特別な“狙い”があって、どうしても別々に参加させたいというのであれば、その方針でアクションを記述して頂いても構いませんが、その場合アクションが失敗と判定されたり、不本意な結果に終わる可能性が高くなります。あらかじめ納得した上で、アクションの記述をお願いします。

 また時間の許す限り、マスターページにも関連情報を掲載して行きたいと考えておりますので、是非そちらものぞいて見て下さい。

 それでは、皆さんのアクションをお待ちしております。

▼サンプルアクション

・『B.上陸部隊』に参加。上陸一番乗りを果たし、白姫岳に我が校の校旗を立てる。

・『C.救出部隊』に参加。円華嬢の救出に全力を尽くす。

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2010年09月16日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2010年09月17日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2010年09月21日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2010年10月07日


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