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蟲と鼠の饗宴-バイオハザード-

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シナリオガイド

疫病を運び、蟲たちは躍る。異形と化し、鼠たちは人々を襲う。
シナリオ名:蟲と鼠の饗宴-バイオハザード- / 担当マスター: 640

 それは、とある製薬会社にて起こった異変でした。
 
「入ることが、できない……?」
 
 本来であれば研修のため訪れるはずだったその場所は、詩壇 彩夜(しだん・あや)の前で、可視性の結界に包まれ、外界より隔絶されています。
 その結界は発生したバイオハザード……生物災害へと反応し作動した、施設自身の防衛機構です。
 
 つまり、彩夜のいる敷地外──ここが今安全であるということは、裏を返せばあの結界の中では大変な緊急事態が起こっているということ。
 多くの人々を、その中に閉じ込めたまま。
 外から結界を解除する方法はなく、内部とも交信はとれない。彼女を引き止めた警備員の説明に、彩夜は唇を噛みます。
 周囲には、通報を受けて集まってきた救助隊、有志の面々が打開策を必死に探そうとしていました。

「中で一体、なにが……?」
 
 半透明の結界に聳える施設を、彩夜は見上げます。
 
 彼女は、知っていました。
 今日、彼女同様に多くの学生が、この製薬会社の一般公開日にあわせ研修に訪れていたということを。
 
 幼い子どもたちの一団が、教師の引率の元社会科見学にやってきていたということ。
 
 そして。
 とあるVIPが視察のために、やはりこの施設内にいたということを。
 
*   *   *
 
 意識が、朦朧としていました。それでも鋭い爪を刃で受けることができたのは、高円寺 海(こうえんじ・かい)にとってその動作が身体に染みついたものであったからに他なりません。
 
「く……頭がガンガンして……この蟲どもに刺されたせい、か……?」
 
 相対する敵は、熊のような大型獣でした。無数の羽蟲──通常の十数倍はあろうかという巨大な蚊の群れが舞い飛ぶ中、海は獣と切り結んでいきます。
 寒気。発熱。頭痛、吐き気。蟲たちの運んだ明らかな体調の異変を抱えたまま。まさか、どこにでもいるような実験用のマウスが変貌したとは思えない異形とやりあいます。

「う、おおおっ!!」
 
 まだ、多くの人々が取り残されている。時間はかけられない。気合いの元、異形を一刀両断にし、海もまた自らの一撃に耐えきれず膝を折ります。
 何かが頭上で炸裂したのは、その直後でした。

「!?」
 
 振り返れば、もう一体。接近に気付かなかった異形が、その上半身を焦げ付かせ崩れ落ちていくところでした。
 
「やれ、やれ。どうやらこの具合の悪さ……私だけでは、ないようだな?」
 
 柱のところにもたれかかり、熱に浮かされ上気した頬で苦しげに喘ぐその人物こそ、代王。セレスティアーナ・アジュア(せれすてぃあーな・あじゅあ) 。海は、視察に訪れていた彼女に救われたのです。
 突然変異を起こした蚊のウイルス。それがふたりの体調の原因であり、施設内になおも蟲たちは満ち溢れています。
 
 
 さあ、このバイオハザードから──人々を救ってください。

担当マスターより

▼担当マスター

640

▼マスターコメント

 ごきげんよう。ゲームマスターの640です。今回もよろしくお願いいたします。
 
 私が今回ご用意させていただいたのは、ツァンダ郊外のとある製薬会社、その研究所で巻き起こった生物災害を題材としたお話です。
 
 この製薬会社では、ある蚊を媒介にして蔓延するタイプの流行性ウイルスについて研究がなされていました。事件は、その実験中に発生します。
 ウイルスとそれに対抗しつくられたはずの薬品の、予期せぬ反応。それを与えられた蚊の突然変異──そして、その蚊によって刺された実験用マウスの、異形への変貌です。
 大型化し、グリズリーのようになったマウスたちによって飼育ケースや施設は次々破壊され、施設中に狂暴化したマウスたちと、ウイルスを浴びた蟲たちが広がっていきます。
 
 これに際し施設の防衛システムがはたらき、結界が起動。幸いにして外にウイルスが漏れることはなくなったものの、施設は外界から遮断・孤立することとなったのです。
 内部に取り残された人たちは蟲と怪物とから逃げ惑い、また多くが蟲に刺されたことにより、熱や吐き気、悪寒などの体調不良を抱えています。そのため戦える者たちもけっして万全の状態ではありません。
 外には医療班を含む救助隊が駆けつけましたが、結界に阻まれ中に突入することが出来ません。また結界の全てを迂闊に解除すれば、ウイルスを持った蟲たちが外に解き放たれてしまいます。完全な力技というわけにはいきません。
 どうやら、どこか一点に衝撃を集中すれば、小柄な女性か子ども程度であれば通れる程度の穴を数秒間、空けることが可能なようですが──……。
 
 皆さんには、この施設の中、あるいは外から、状況の打開を試みていただきます。
 内側ならば、蟲と、怪物の駆除。および、抵抗できない者たちの保護、救助。救助隊との合流のために、どうにか通信を繋げることも必要です。
 外側ならば、内部への突入。外へと蟲たちを逃さぬよう警戒をすることも必要ですし、引き続き結界の解除も続けなくてはなりません。
 
 詩壇 彩夜は、内部への突入を志願するようです。
 セレスティアーナ・アジュアと高円寺 海は、それぞれの性格が性格ですので、衝突しあいつつも、お互いの体調を考えフォローしあう結論に至り、子どもたちや救助の必要な面々を探して施設内を動くようです。
 
 それでは、皆さんの参加をお待ちしております。

▼サンプルアクション

・施設内に取り残された子どもたちを守る

・通信室への道を切り拓く

・施設内部に突入する

・施設内で孤立し、熱に浮かされながらも奮戦する

▼予約受付締切日 (予約枠が残っている為延長されています)

2013年04月27日10:30まで

▼参加者募集締切日(既に締切を迎えました)

2013年04月28日10:30まで

▼アクション締切日(既に締切を迎えました)

2013年05月02日10:30まで

▼リアクション公開予定日(現在公開中です)

2013年05月16日


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